「福井県土地家屋調査士会」の第153号が送付されてきた。いつもカラー版なのか、記憶が定かではないが、この号は表紙がカラーということ、冊子の表紙も一際美しい。
土地家屋調査士会ということで、「調」の一文字をフェニックスR.Cクラブ会員のMさんが会長をしている時に(もう10年も前になるだろうか)頼まれた。
「SHIRABE」という音感からは、どうしても創造性の高い"音"の持つ音楽の持つ「しらべ」を基調とした作品を思い浮かべ、どうしても柔軟な感性の作品となってしまう。
Mさんも語っているが、土地家屋調査士は地境を扱う仕事で地境・境界紛争はまさに、正しさと正しさの激突。宗教紛争にしても戦争にしてもそれは境界主張紛争ということであり、当事者は客観的に見つめることだけでなく、間違いや正しくないことも含めて戦争を続け、どこかに解決する道を見つけ出す指導者は懸命されておられるということです。
そのような血なまぐさい形ではないにしても一般的な家屋調査にしても"地境"となるとどう相手の正しさを理解し、受け入れるのかということになる。ここに"調"調和が入ってこないといけないことになるように思えてきます。
そして、私達の中での地境となると「こころ」の問題が現在はクローズアップされてきています。心を磨き、といいますが、心を磨くことがはっきり見えるには"心を取り出す"ことができれば簡単ですが、心を取り出すことは仲々できません。
私の大恩師なる上田桑鳩師は入門の際に両手でかかえられ、大きな石を眼の前にドーンとおかれて"磨け・磨いてみろ"と啖呵された。
その石は「こころ」であり、「線」であったり「点」であると瞬間的に思い、どこを、どう磨いていけばよいかの当然の「迷い」をそこでいただいた。今日でそれらはいくらか解けるように思うが、道はそんなに平坦ではなかった。ただ調べに寄り添って私の只今は調和を始めていると感じている。