サロン中央アジア

中央アジアの自然と人々

二人の若者の帰国みやげ

2008-10-13 22:38:23 | 中央アジア日誌
アラル海沿岸の最大の港であったアラリスクから西に100キロほど行くとジャラナッシュ村(ジャンブールというソホーズだった)がある。ここは小アラル海の北岸でもっとも良好な入り江であったので、冬期には漁船や貨物船が避難していた。ところがアラル海の干上がりのおかげで、春になったころは、この入り江は陸地と化し、避難していた船舶は動けなくなり、それから50年以上、かつての入り江には廃船が何隻も横たわったいる。通称、船の墓場と呼ばれている。この地をgoogle earthで眺めると、茶色の廃船が何隻も確認できる。最近の画像ではその廃船の幾つかが解体されているようであるとは知っていた。くっきりとした船形が消えて、バラバラにされているようであった。若者二人が現場に撮影した映像を貸してもらったので転載する。まさに廃船は解体されている。北京オリンピックで世界的鉄不足のお陰で、数十年放置されていた廃船は鉄くず、原料となって生き返ったようである。まもなく、全廃船が消えて行くだろうと地元民が言っていたようである。アラル海問題の象徴として世界に発信された無惨な廃船がなくなるという。これがなくなれば、アラル海旧湖底は古来からの普通の沙漠の景観を呈するだけとなるだろう。

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