サロン中央アジア

中央アジアの自然と人々

市民環境研究所の総会記念講演開催 乞参加

2008-05-30 16:04:23 | 中央アジア日誌
京都市左京区里ノ前にNPO法人・市民環境研究所を開設してはやくも5年が経過した。日本カザフ研究会や現代中央アジア研究会、サロン中央アジアを開催し、農薬ゼミ、琵琶湖調査団や琵琶湖市民大学などいろんな人々の動きにすこしは協力できたかなと思っている。火野やまネットや自給農研究会もこの場所を使って活発に動いている。もちろん、アラルの森プロジェクトの基地でもある。そんな市民研の総会を6月7日に開催する。宮本博司さんの「琵琶湖淀川の再生は地域住民の実感で」と題する講演会(参加自由無料)を開く。水と人の関係をテーマにしてきた者として多いに期待している講演である。ぜひご参加を。琵琶湖の環境問題をやっていたので、その延長としてカザフに行き、アラルに出会い、アラルで木を植えている。原点は琵琶湖である。もういちど、この講演を機会に自らの原点を考えてみたいと思っている。 . . . 本文を読む

日本の学生は勉強しませんね

2008-05-29 09:44:37 | 中央アジア日誌
九州の大学に国費留学しているカザフスタンの学生がいる。私の友人で、アルマティの日本語学科の先生が日本語を教えた。実に日本語が上手で、また性格もよく、日本人よりも日本人的なところがある。カザフ研究歴15年の教授が引き受けてくれて北九州で勉強している。修士コースを終了するので、来月には京都で彼の研究発表のセミナーを開催しようと思っている。3年前に来日し、しばらく経ってから彼と博多で会った。日本の大学、生活など話がはずんだが、彼のまとめは「日本の学生は勉強しませんね」であった。もちろん反論できない。大学教育に身を置くものとしてまったく同感である。カザフの若者は「一生懸命」である。一生懸命が日本の若者には残念ながらなくなっている。頭がよいとか、悪いとかはどうでもよい。一生懸命があるかないかであろう。彼の修論をはやく聞いてみたいと思う。 . . . 本文を読む

連日、カザフのガイダンス

2008-05-27 23:45:55 | 中央アジア日誌
5月25日(日)の夜は女子大生3名に、27日(火)午後に京大環境科学基礎ゼミナールの学生16名に、夜は平均年齢60才を越す男性6名にカザフやアラルや中央アジアのガイダンス。その上、今日は京都学園大の講義もあり、さすがに疲れた。とはいえ、関心を持ってくれる人たちから声がかかるのはありがたい。カザフの紙芝居屋を任じている小生としては、声がかかればどこへでも出かける。アラルをやり出し、東京で政府機関を回った頃には、カザフスタンは時としてアフリカの1国かなと質問されたものだ。それからすれば、ずいぶんと知られるようになったものである。先週だったか、日本とカザフの女子バレー試合があった。カザフの選手はみんなきれいだったと話が盛り上がった。もちろん男性6名との勉強会の席である。 . . . 本文を読む

2008アラル海日誌-10

2008-05-26 23:31:37 | 中央アジア日誌
アラル海はカザフスタン共和国クジルオルダ州にある。海に近い大きな都市はアラリスクとノボカザリンスク市である。我々はノボカザリンスク市を基点として活動を続けてきた。現在の正式都市名はアイテケビ・ケント市であるが、地元の人々も旧名で呼んでいる。列車の時刻表もノボカザリンスクである。その街で1泊して、早朝4時半に起床し、5時にノボカザリンスク駅に行き、アティラウ発の列車に乗り込む。アラル海最後の朝である。外灯も少ないプラットホームにディーゼル機関車に引っ張られて14両の列車が入ってくる。指定の号車に乗り込み、4人部屋に入る。 . . . 本文を読む

2008アラル海日誌-9

2008-05-25 23:34:08 | 中央アジア日誌
アラル海滞在最終日に旧湖底を走り、今年度の植林サイトを物色する。結論は先になるが、その途中で見られた景観を一枚掲載する。アカザ科の植物であるハロスタキスが生えている砂山がいくつも散在し、砂山の直径は3mくらいか。土壌の移動を防いでいる。植林がきっかけとなって、旧湖底にいろんな植物が進出するチャンスが広がればと。カラテレン村に帰着し、荷物を整えて鉄道駅のあるノボカザリンスクへと向かった。途中で野生のチューリップ(黄色の花を咲かす)の群生地を見つけたが、残念ながら花の時期は終わっていた。 . . . 本文を読む

2008アラル海日誌-8

2008-05-25 00:28:34 | 中央アジア日誌
4月末から5月にかけては、天山山脈の高山の融雪水が流れ込みシルダリア川は増水時期になる。しかし、今年は高山での積雪量が少なかったとかでシルダリアの水量は極端に少ない。写真はシルダリア川に架かる浮き橋である。例年よりも水位は3mほど低い。中流域での取水が始まっており、農業用水を無数の運河に取水され始めたとは言え、あまりにも水量が少ない。なにを運びに行くのか、トラックターが浮き橋を渡って行く。痩せ細った大河シルダリアの寂しい風景である。 . . . 本文を読む

2008アラル海日誌-7

2008-05-23 23:49:36 | 中央アジア日誌
干潟に佇む数羽のツルの群を見ながらアラル海ダムサイトを離れてカラテレン村に帰る。今日中にノボカザリンスクへ帰り、翌朝はふたたび列車の旅となる。村を離れる前に2006年11月に植林したサクサウールの成長具合を確認するために1個体の根を掘ってみた。サクサウールは成長すれば地上部は2mにもなり、その根は数mから10mにもなると言われている。この個体の地上部の草丈は30?程度である。沙漠の大地に奥深くまで直根が伸びている。約70cmの直根を掘り起こした。立派に成長してくれた。たぶんこれで枯れることはなく、今夏も成長を続けてくれるだろう。 . . . 本文を読む

2008アラル日誌-6

2008-05-22 23:29:59 | 中央アジア日誌
植林事業の成果調査を終え、カラテレン滞在最終日にはアラル海ダムサイトを見に出かける。2003年に完成したこのコクアラルダムは安定した状態で維持されている。標高42mに水位が保たれ、湖岸のヨシ帯も安定してきた。生息する魚の種類も生息数も増えたのであろう。岸辺でみられる鳥の数も増えた。ペリカンが二十数羽も群れをなしてダムサイトにいた。モモイロペリカンであろうか。シルダリア河口の湿地帯が広がって居た頃には普通に見られる鳥であったのが、湿地帯の消滅と小アラル海での魚の減少から、この10年間はほとんど見られなかったものである。この他にもツルの群もいた。小アラル海では着実に生物相が回復してきた証である。 . . . 本文を読む

2008アラル日誌-5

2008-05-21 09:22:20 | 中央アジア日誌
5月4日、旧湖底植林サイトからカラテレンに戻ってくると、日本人2人とロシア人2人が我が宿泊先の居間で昼食中である。NHK取材グループの先遣隊が到着していた。「地球の危機」?のカザフ編の取材である。京都で事前に資料提供などのサービスをしていたので旧知の仲である。すでにダムの取材を終え、アラル海からの生中継は5月のなかごろとのこと。夕方近くに隣村のブグンへと移動して行った。夜の食事が始まるのは午後8時ころ。まだ外は明るい。夕食が終わる頃に村人がやって来て、「村の宿泊所に日本人が10人ほど来ているよ」という。それなら、挨拶に行かねばならないと出かける。一体のこんなところまで来る物好きな日本人とは誰だろうと宿舎に着くと、こちらも日本のテレビ取材班で、出発前に資料を送り、電話で相談に乗っていた会社の人である。それにしても、このアラル海の寒村に3組もの日本人グループがやって来るとは。今までで、もっとも日本人で賑わったカラテレン村ではあるが、あいかわらず強い風が吹き続けていた。 . . . 本文を読む

2008アラル日誌-4

2008-05-20 23:11:42 | 中央アジア日誌
5月4日、2007年秋に実施した植林サイトに向かう。カラテレンから40キロ離れた旧湖底である。この地帯は1980年代に干上がって出来た旧湖底沙漠である。植物の侵入が皆無に近い地域であるが、羊などの家畜による食害の心配もなく、住民もほとんどやって来ない。植林サイトに近づくも、苗木にまったく緑が見えない。活着に失敗した枯れた苗木を見て、カザフ側の研究者もため息をついている。なぜかくも苗木が枯死したのかを、寒風の中で議論する。原因解明には時間がかかるが、この失敗を乗り越えるためにはあらゆる側面からの解析作業を進めねば。ダウンジャケットを着用しているが、寒風よりも身体の中からの冷えてくる。風が強くなり、地表の砂が風紋を描きながら飛び始めたので帰路についた。 . . . 本文を読む