よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

2006-03-19 21:59:06 | Weblog
ひさしぶりに映画を見た。フランス映画。しかも虫のドキュメンタリー。言葉はいっさいなくて、BGMや効果音はクラシックをベースになかなかいい感じ。主役は虫。ひたすら虫たちのドアップだ。かたつむりの交尾、えさを運ぶ蟻たち、やご(とんぼ)が成虫になるところ、あめんぼ、みみず、ふんころがし、毛虫の行列etc.スクリーンいっぱいに虫の世界が広がる映像はなかなか。

草原というか、山というか、どこかの田舎の風景がうつって、そこの朝から晩までの虫の世界。雨がふったり、風が吹いたり。そのときどきのいろいろな植物と虫たちの姿をただただカメラは写す。静かにそしてじっくりと。そこは子供のときに呼んだファーブル昆虫記の世界。とはいえ、やっぱりフランス映画。子供が見ても大人が見ても楽しめるようになっていて、せりふはないにせよ、エスプリがきいていて、なかなかしゃれている。

カンボジアの生活は虫との共存だ。ありはいつもいるし、ごきぶりやら、名前もわからない虫がいっぱい。普段はちょっといやだなあと思っているが、こうしてあらためて、虫の映像をじっくり見てみると、虫への見方を改めなければと思う。映画の虫はみみずにしろ、ありにしろ、ある種美しかった。普段は鳥肌ものの羽蟻の集団も気持ち悪いという感じはいっさいなく、きれいであった。虫もがんばっているのね、と思わずにはいられない、いい映像だった。

そんな思いを胸に一晩明けて、今日。部屋に虫がいたので、映画にならってじっくり観察してみる。でも気持ち悪い虫は、やっぱりただの気持ち悪い虫。映画の世界はやっぱり映画の世界。それにしてもあの映画はよかったな。ああいう映画こそ子供に見せるべきだと思う。