よもやまカンボジア

カンボジアの日本語学校で起こった不思議な出来事を…。

はじめてのクリスマスツリー

2005-12-16 14:51:42 | Weblog
学校がオープンした2年ほど前、校長がクリスマスツリーを買ってくれた。けっこう大きいやつで(葉っぱが逆向きなのはご愛嬌。たぶんほかの国で商品として売れなかったものが流れてきたのだろう。そこはまあカンボジアらしい)、まだ学生も少なくしょぼしょぼとやっていたときだったから、みんなでわいわいと飾ったことをよく覚えている。

最近でこそカンボジアも若い人を中心にクリスマスをやるようになったけど、仏教国のここではクリスマスの重要度はいまいち。高級ホテルやレストランなどでは大きなツリーやちょっぴりがんばったイルミネーションも多少あるが、町全体のクリスマスモードはかなり乏しい。デパートにサンタの格好をした人もいたが、かなり浮いていた。だから、プノンペンの町はずれの学校にツリーを飾ったときは学生はともかく、道行く人々がけっこう振り返ったものだ。そして何よりはしゃいで大騒ぎしたのは、飾りつけをしていたスタッフたち。たぶんみんな初めての経験だったのだろう。ツリーは知っていて、見たことがあっても自分で飾りつけなんてしたことがないに違いない。そのはしゃぎぶりは見ていてほほえましいものだった。

そんな学校のクリスマスツリーを出すのも今年で3回目。宴会隊長だったスタッフがやめてしまったので、今年は誰もクリスマスのことは言い出さない。まあ、カンボジア人にとってのクリスマスなんてそんなものだ。でもせっかくのツリーなので、今日やっと出した。今年の飾りつけ担当は新しいセキュリティスタッフのタラと、同じく新しい受付嬢のダラちゃん。やはり2人とも飾りつけは初めてらしく、かなり楽しそう。2人とも静かな性格なのでもくもくと作業をしていたが、思わず顔がほころんでいた。本当は相当うれしかったに違いない。

カンボジアでこのツリーを3回も見るとは夢にも思わなかった。人生なんてそんなものである。まあ予測がつかないからこそおもしろいのかもしれないが。今年もぜんぜんクリスマス雰囲気がただよわないこの町にクリスマスツリーのライトが灯る。