勇気と素直
今から、3・4年前の事。
当時、私は松戸で住み働いていた。
週末、仕事が早く終わる為 千葉へ研修を兼ねて身内の家へ帰っていた。
その、電車移動中の出来事だ。
松戸駅から電車に乗ると、出入り口付近の端に寝ている中年男性が座っている。
その隣が空いていたので近づく。
よく、その中年男性を見るとガッチリした体形に、何か棒状のような物を包んでいる紫色の布を近くに置いていた。
心の声“ぐっすり寝ているなぁ。”と思いながら横に座る。
一つ駅・二つ駅と進むにつれて、私は隣の男性が気になりだす。
横目でチラチラ様子を伺うと、顔が白く青ざめていた。
さらに、不思議なくらい自然に電車の揺れと同じ動きだ。
あまりにも自然すぎたので、
心の声“もしかして、この男性は具合が悪いのかな。それとも、死んでいるかも!!”と不安になった。
“でも、ただ寝ているだけかも・・・。”
迷った結果、この男性が目覚めれば死んでいない事になるから、とにかく行動をとる。
とった手段が、ごくさりげなく肘で突く事だった。
突きながら
心の声“起きて!!起きて!!体調が悪いの?それとも死んでいるの?”
“どうしよう最悪な場合、この事を知らせないと・・・。”
“まず、この中にお医者さんの有無を確認してから車掌さんを呼んできてもらって・・・。”
“それから、それから・・・。”と最悪な場面を想定して、あれこれ考えながら隣の男性を肘で突いていた。
今思えば、簡単な事。
その男性の体を軽く叩き
『大丈夫ですか?』と声を掛ければ済む事なのに・・・。
その頃の私は、それが出来なかった。
私に肘で突かれたこの男性は、どう思っただろう・・・。
結局、この男性は終点駅で目覚めた。
心の声 “よかった”と安心した反面、バツが悪くて私は何も言わずに足早に電車を降りた。
なんだか自分は、無駄なアクセルとブレーキばかりで運転している自動車みたいだ。
稽古では、
「事を錬るは、事を省くの簡なるにしかず」
と、教えていただいている。
足し算で何かを加えるのではなく、引き算で無駄を省け。
ということだ。
無駄と余計に満ちている自分の無学に、気づけ。その場面・その場面、もっとも無駄の無いあり方に達したところに、美もあれば武もある、
初心忘れるべからず
と言うも
学んで己の無学を知る
と言うも全て同じ技芸の境地。毎回の稽古で受ける教えである。
あー!道は遠いなー?
今から、3・4年前の事。
当時、私は松戸で住み働いていた。
週末、仕事が早く終わる為 千葉へ研修を兼ねて身内の家へ帰っていた。
その、電車移動中の出来事だ。
松戸駅から電車に乗ると、出入り口付近の端に寝ている中年男性が座っている。
その隣が空いていたので近づく。
よく、その中年男性を見るとガッチリした体形に、何か棒状のような物を包んでいる紫色の布を近くに置いていた。
心の声“ぐっすり寝ているなぁ。”と思いながら横に座る。
一つ駅・二つ駅と進むにつれて、私は隣の男性が気になりだす。
横目でチラチラ様子を伺うと、顔が白く青ざめていた。
さらに、不思議なくらい自然に電車の揺れと同じ動きだ。
あまりにも自然すぎたので、
心の声“もしかして、この男性は具合が悪いのかな。それとも、死んでいるかも!!”と不安になった。
“でも、ただ寝ているだけかも・・・。”
迷った結果、この男性が目覚めれば死んでいない事になるから、とにかく行動をとる。
とった手段が、ごくさりげなく肘で突く事だった。
突きながら
心の声“起きて!!起きて!!体調が悪いの?それとも死んでいるの?”
“どうしよう最悪な場合、この事を知らせないと・・・。”
“まず、この中にお医者さんの有無を確認してから車掌さんを呼んできてもらって・・・。”
“それから、それから・・・。”と最悪な場面を想定して、あれこれ考えながら隣の男性を肘で突いていた。
今思えば、簡単な事。
その男性の体を軽く叩き
『大丈夫ですか?』と声を掛ければ済む事なのに・・・。
その頃の私は、それが出来なかった。
私に肘で突かれたこの男性は、どう思っただろう・・・。
結局、この男性は終点駅で目覚めた。
心の声 “よかった”と安心した反面、バツが悪くて私は何も言わずに足早に電車を降りた。
なんだか自分は、無駄なアクセルとブレーキばかりで運転している自動車みたいだ。
稽古では、
「事を錬るは、事を省くの簡なるにしかず」
と、教えていただいている。
足し算で何かを加えるのではなく、引き算で無駄を省け。
ということだ。
無駄と余計に満ちている自分の無学に、気づけ。その場面・その場面、もっとも無駄の無いあり方に達したところに、美もあれば武もある、
初心忘れるべからず
と言うも
学んで己の無学を知る
と言うも全て同じ技芸の境地。毎回の稽古で受ける教えである。
あー!道は遠いなー?