潜水服は蝶の夢を見る
監督:ジュリアン・シュナーベル
【ジャン=ドミニク・ボビー】マチュー・アマルリック
【セリーヌ・デスムーラン】エマニュエル・セニエ
【アンリエット・デュラン】マリ=ジョゼ・クローズ
あらすじ
ジャン=ドミニク・ボビー(愛称ジャン=ドー)、42歳。ファッション雑誌「ELLE」の編集長として、順風満帆な人生を送っていたが、ある日、脳梗塞に倒れる。目覚めたとき、体は麻痺して動かず話すことも出来なかった。唯一動かせるのは左目だけ。やがて左目の瞬きだけで意思を伝える手段を身につける。
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『潜水服は蝶の夢を見る』を見てきました。
ジョニー・デップが出演を切望した作品ということももちろん、
ある日突然体の自由を失った男性が、唯一動く左目の瞬きだけで
本を書き上げたというストーリーにものすごく興味を駆り立てられました。
目覚めたとき体が動かなく 、話すことも出来ない。
動かせるのは左のまぶただけ。
やがて、アルファベットを読み上げてもらい、
まぶたで合図することによって意思を伝える方法を学んだが、
あまりの状態にジャン=ドーは、死んだ方がましだと思う。
映像の作り方が、ジャン=ドーの視線からのものが多く
彼がどんな世界にいるのかがストレートに伝わってくるようでした。
画面がにじむと、ジャン=ドーが泣いているのが分かる。
それはまるで自分が泣いているように錯覚してしまう。
体が動かせずしゃべれないなんて、とてもつらい状況だろう。
ときおり、潜水服を着て海の底に沈んでいるジャンの姿が映し出される。
海の底で、体を動かすことも出来ずに孤独でいる。
それが彼の心理状態をすごく表していて、抱きしめてあげたい気分になる。
けれどジャン=ドーは、
自分には「無限の想像力」と「豊かな記憶力」があることにきずく。
体は麻痺していようと、心は限りなく自由なのだと。
体が動かせないことはとてもつらいことだけど、
「想像力」と「記憶力」は人間にしか与えられていない、
そして一番「人間らしい」ものなのかもしれない。
映像は、ジャン=ドーが見ている世界そのままだ。
風景が、愛する人達が、空気までもがキラキラと輝いている。
とても綺麗だ。
唯一のこされた感覚、
「視覚」をジャンはとても愛しんでいるように感じた。
映像の美しさが圧巻だ。
ジャン=ドーが生きることに本当に目覚めたとき、
彼の想像力はイキイキと輝きだす。
ジャン=ドーは、麻痺した体を抜け出し、蝶のように飛びたつ。
体は動かなくとも、心の自由を存分に楽しみ、生きる。
その大切さに気付き、
なんと、20万回の瞬きによって自分の境遇を本にした。
だが次ぎの本の構想を考えているさなか、彼は亡くなってしまう。
いったい次ぎの本には、どんな想像力がちりばめていたのだろう・・・。
そう思うと、とても残念だけど・・・。
決して押し付けがましくない、
想像力の素晴らしさと、人とのふれあいの大切さが
しっとりと、心に染みるいい作品に出会えました。
ジョニーが出演を切望していた作品、私も絶対観たいです。
それに「20万回の瞬き」って、一体どのように表現したのか・・、とても興味深い!
『潜水服は蝶の夢を見る』というタイトルも素晴らしいと思いました。
ジャンの状況を、詩のような言葉で表してますね
私もつい最近ブログを始めました。
お知らせするのもお恥ずかしいのですが・・。
あぁ恥ずかしい。
コメントありがとうございます!
>とても素敵なレビューでした
ありがとうございますぅ。
いつも映画の感想記事は、文章力のなさに
ヘコむこと多いので、そう言って頂けると
嬉しいです。
『潜水服は蝶の夢を見る』
本当に、このタイトルだけでも興味をかきたてられますよね!
このタイトルからも、決して悲惨さを
訴えているのではなく、想像力の美しさと
素晴らしさを表現しているのだと思います。
独特の雰囲気のある作品なので好みはあると思いますが
是非、映画館でご覧になって観てくださいね!
ジャンと一緒に美しい映像を見ることが出来ますよ。