JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

江畑幸子選手

2012-09-09 22:31:23 | 選手紹介
・基本情報
背番号16番、176cmのレフト

・スパイク
江畑選手は176cmと小柄ですが、ジャンプ力とスパイクフォームのおかげでそれを感じさせません。最後の2歩で前に突っ込み、体勢そのままで高く空中にジャンプし、右手を真っ直ぐのばした状態でボールにミートし、手首で重く打ち込みます。レフトからは強烈なストレート打ちかストレート側のブロッカーの右手に当ててコート外に真下に落とします。指先狙いは有効ワンタッチを取られがちです。バックセンターからの決定力もあり、セッターの竹下佳江選手のトスが低くなってもその分前でボールを捉えて打ち込みます。ライトからは2枚替え時のS1でのみ打ちますが、ライトからも同じような助走とスパイクフォームで、ストレートとクロスの間くらいに打つようです。またローテによってはバックライトとバックレフトからも打ちます。S1でライトの山口舞選手がBクイックやAセミ、江畑選手がバックレフトに入るコンビを頻繁に見せていました。

・レシーブ
裏レフトなのでサーブレシーブには参加しません。スパイクレシーブは、綺麗に上げることは少ないですが、守備範囲はかなり広いです。手が届かないように見える強打に対しても、ワンハンドで弾かれずに上げてくれます。そのため、後衛のバックセンターを守っているときには、守備範囲が広い選手がコート中央にいることになり、とても安心感があります。

・トス
あまり積極的に上げに行くことはありません。なぜなら江畑選手は2段を打つのが役割なので、セカンドタッチを回避しているからです。

・ブロック
スパイクジャンプは高いのに、なぜかブロックでは高さが活かされていません。また、横移動すると指先まで横に傾くため、ブロードに対するブロックは良くありません。しかし、通過点が低いスパイクに対するブロックは良いです。ロンドンの中国戦でも、レフトのオウイメイ選手のスロットがずれた安易な低いバックライトを1枚で真下に落としていました。

・サーブ
コート後方の中央~左からジャンプフローターを打ちます。ネットすれすれを通過して胸元をえぐるサーブとネットを越えてからストンと落ちるサーブの両方を使い分け、よく崩しています。

・JMが選ぶ思い出のシーン
WC2011のアメリカ戦の江畑選手は本当に凄かったです。持ち味をしっかりと活かしていただけではなく、前衛レフトからのクロス打ちなどでもしっかりと得点していました。

迫田さおり選手

2012-09-09 22:15:15 | 選手紹介
・基本情報
背番号14番、175cmのレフト

・スパイク
迫田選手はキレのあるバックアタックが持ち味です。素早くコートの最後方の助走開始地点に入り、スプリンターのスタートのような低い姿勢で滑らかな助走に入り、バネを使った前飛びで空中に上がり、空中移動してネットにかなり近い所から打点を活かして打ちつけます。この教科書的バックアタックを、ファーストテンポで打てます。バックセンターとバックライトがメインですが、セッターに技量があればそれ以外の場所からも打てます。前衛でも、空中移動をして打つ方が打ちやすそうです。そのため、レフトからはロングBセミに切り込んで、切り込んで斜めに飛ぶ分空中移動を長くしていることが多いです。ただ、前衛レフトからは普通のレフトセミやレフトオープンとロングBセミしかないため、下に打ちつける分だけブロックの危険性もあります。ライトからは、助走を長くしてバックライトのような攻撃をすることもあれば、逆に短い助走から真上にジャンプしてブロックの間や上から真下に強打することもあります。ただ、どこから打っても、レシーバーにまっすぐ行くと上げられやすい球質と言えます。

・レシーブ
裏レフトなので全日本ではサーブレシーブをしません。スパイクレシーブは、技術はあまりありませんが、身体能力の高さと気合いで食らいついています。ただ、後衛のラリー中でもバックアタックを打ちたがるので、バックアタックの助走開始地点から遠いところに落ちるボールに対してはあまりレシーブが上手くありません。

・トス
全日本では2段トスを上げません。

・ブロック
ジャンプ力があるので、175cmという身長を感じさせません。ただ、腕が細いため、止められるコースの範囲は狭いです。そのため、迫田選手の場合は、最低限のコースは必ず塞ぎ、後はワンタッチを狙いに行っているようです。空中での体のこなしが上手いため、ブロードに対するブロックは全日本のレフトの中では最も上手いように思います。

・サーブ
コートの後方から狙ったところに斜めに落とします。そのため、崩せるかどうかは狙った場所の的確さによります。2012年からは、延ばして揺らしたり、揺らして前に落とすようなサーブも打てるようになりました。

・JMが選ぶ思い出のシーン
ロンドンの韓国戦の第2セットの6-1の場面、全日本では久しぶりとなるライトからの高い強打で流れを変えてくれました。