JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

背番号13番レフト石田瑞穂選手のコンビ

2012-09-28 21:49:58 | 全日本女子 コンビ
石田瑞穂選手は、残念ながら、2012年は控え中心のWGPでしか出場機会がありませんでした。そのため、この記事はやや少ないデータを元に書いています。かなり昔の試合も参考にしていますので、石田瑞穂選手の最新のコンビを反映していません。

・セッター
石田瑞穂選手はセッターがノリノリの時にダイナミックなスパイクを決めます。逆に、仕方なく上がってくるオープントスはブロックにぶつけてしまうことがあります。バックアタックは非常に速く、竹下佳江選手の低いトスでも強打できます。バックアタックは打てるスロットが非常に多く、セッターとかなりコンビを詰めているのが分かります。

・表レフト
木村沙織選手とは、乱れる高いトスは木村沙織選手が打ち、高速トスは石田瑞穂選手が打つ、という役割分担が出来ているかのようです。

・ライト
ライトがかなり決めている状況では、石田瑞穂選手の決定率も上がります。逆に、ライトが決まらないと、石田瑞穂選手も厳しくなります。そのため、石田瑞穂選手投入のタイミングはライトの調子を見て判断する必要があります。

・センター
前衛では、あまりセンターとの効率的なコンビをしません。後衛では一応パイプ的なバックアタックをしますが、センターにコミットしたブロックの落ち際を意図的に狙って打っているようには見えません。個人の速さと力で、打つコースを開拓しているような感じです。また、石田瑞穂選手は、センターが上手くワンタッチを取ったスパイクのレシーブは良いですが、掠ったようなスパイクはレシーブできません。

・リベロ
チーム事情でサーブレシーブに入ったときには、かなりリベロにカバーされます。

背番号12番ライト新鍋理沙選手のコンビ

2012-09-28 21:19:21 | 全日本女子 コンビ
・セッター
新鍋理沙選手には、「こんなトスを上げてはいけない」というタブーなトスがありません。そのため、レシーブの返り方に関わらず、セッターは戦略的に新鍋理沙選手を使えます。新鍋理沙選手の打数が少なくても印象が強いのは、戦略的に使えるためです。また、新鍋理沙選手は竹下佳江選手のぶん投げるような低くて速い平行トスを嫌がりません。ロンドンでは、高橋みゆき選手を彷彿とさせるBクイック並みのレフト平行からのブロックアウトなど、まさに竹下佳江選手がやりたいバレーボールをしていました。本来はバックライトを打てますが、竹下佳江選手のバックライトのトスは打てなさそうです。新鍋理沙選手は低くても堅実なブロックなので、新鍋理沙選手の後ろを守る竹下佳江選手はコースを絞りやすいです。また新鍋理沙選手が後衛時には、竹下佳江選手の上を通過するスパイクのレシーブを担当します。この時にコースに入るのは苦手ですが、コースに入れれば綺麗に上げます。また、新鍋理沙選手はAパスを量産するので、セッターを楽にしています。

・表レフト
木村沙織選手とはサーブレシーブでコンビがあります。新鍋理沙選手は守備範囲が広い上に返球率も高いため、木村沙織選手の負担を軽くしています。また、新鍋理沙選手は木村沙織選手によく2段トスを上げますが、この球質は非常に打ちやすそうです。

・裏レフト
新鍋理沙選手は、タイミングがズレていれば2枚ブロックでも楽に打つため、センターは新鍋理沙選手に近づくようにブロードに走ります。そのため、裏レフトが1枚ブロックで決めるパターンが増えました。

・センター
オーソドックスなクイックやブロード囮のセミや平行はもちろんですが、さらにいくつかのパターンがあります。センターのCワイドの内側に切り込むCセミ、センターのLの内側に切り込むDセミ、センターがCワイドで新鍋理沙選手がCセミに切り込むように見せかけてライト平行まで斜めに戻るパターンです。最後のパターンは、山口舞選手の真似で、山口舞選手ほどの幅や速度はありませんが、これをこんなに短期間で完成させたのは凄いの一言です。また新鍋理沙選手が入ると、Aパスが増えてセンターの打数が増えます。

・リベロ
新鍋理沙選手はリベロ並のサーブレシーブをできます。そのため、佐野優子選手は木村沙織選手のカバーに集中できます。