JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

大友愛選手

2012-09-05 23:21:46 | 選手紹介
・基本情報
背番号11番、184cmのセンター

・スパイク
主にブロードでCワイドとLから打つのを得意とします。スパイクの特徴と言えば、速さ、高さ、強さ、打ち分け能力、ブロックをかわす能力、トスが乱れたときの処理能力などがあると思います。例えば同じセンターの荒木絵里香選手は強さでしょうし、杉山祥子選手なら速さと言えます。大友選手は、どれか特定の特徴があると言うより、全ての特徴が平均を上回っているタイプ。そのため、どんなタイプのブロッカーやレシーバー相手にも僅差で上回れるのが、決定力の源と言えます。大友選手がブロードに走れば、必ず相手ブロッカーを引きつけてくれるので、レフトの選手は楽に打てるようになります。ただ、AクイックやBクイックはやや体の軸が曲がった状態からトスの落ち際で強打を試みる感じなので、マークが付けば通りません。全体的な攻撃力の高さを買えば表センター向き、ブロードという特徴を買えば裏センター向きと言えます。また、アテネ時代は山口舞選手のようにライトに入り、後衛からも普通のバックアタックやLのバックブロードを打っていました。

・レシーブ
センターなのでサーブレシーブはしませんが、たまたまサーブレシーブをしてしまっても絶対に攻撃に入ってくれます。スパイクレシーブは機会が少なく、上手いという印象はありません。

・トス
時折2段トスを上げます。大体はレフトオープンに高く上げるようです。球質は可もなく不可もなくだと思います。高橋みゆき選手のようにクイックやブロードに上げることはありませんが、杉山祥子選手や大村加奈子選手のようにドリブルをすることも少ないです。

・ブロック
センターなので本職のはずが、上手いと思ったことがありません。一つ一つのブロックも形が揃わなかったら片手が剥がれたり。またバンチリードのふりをしつつ、最初から誰をマークするか決めていて、その選手以外が打つとリードのはずがついて行けないこともあります。

・サーブ
ブロード助走からジャンプフローターを打ちます。良いのは球速だけ。大事な場面のミスが多く、狙いもいまいち分かりません。

・JMが選ぶ思い出のシーン
やはりアテネの中国戦のバックブロードでしょうか。前衛でも高橋みゆき選手が同じようにライトに移動していたので2枚つきましたが、ブロックを吹き飛ばしました。あのシーンで高橋みゆき選手がCクイックに入ればもっと面白かったと思います。

佐野優子選手

2012-09-05 22:59:24 | 選手紹介
・基本情報
背番号10番、159cmのリベロ

・スパイク
リベロなので打ちません。対人練習を見ていると、手首で打つタイプのようです。

・レシーブ
リベロなので本職です。サーブレシーブの安定感は素晴らしく、スパイクレシーブもコースに入れば綺麗に上げます。スパイクレシーブは、やや脱力して力を逃がし、セッターに良い形の球質で繋ごうという意志が感じられます。フェイントカバーも良いです。ただ、あらかじめ自分の守備範囲と決めた範囲以外に落ちるボール以外には無頓着なこともあります。また、ブロックされたボールのこぼれ球のカバーは、かなり悪いように見受けられます。

・トス
全日本では、竹下選手がレシーブした際にトスを担当しています。アンダーでレフトかバックセンターに上げることがほとんどです。ロンドンではアンダーからライト平行に上げていました。しかし、どのトスも高さや場所が悪く、アタッカーは苦労していました。佐野選手のアンダートスの乱れのため、直接失点に繋がったシーンもありました。オーバーでセッター並みのトスを上げ、縦Bやパイプにも自在に上げるブラジル男子のリベロのサントス選手と比べると、かなり見劣りします。

・ブロック
リベロなので跳びません。

・サーブ
リベロなので打ちません。

・JMが選ぶ思い出のシーン
コンスタントにファインプレーのある選手ですので、なかなか特定の試合を選ぶのは難しいです。敢えて選ぶとすれば、WC2011のブラジル戦とアメリカ戦のプレー全般は素晴らしかったです。この2試合、ライトはサーブレシーブの悪い山口舞選手、そして表レフトは出来るだけ攻撃に専念して欲しい木村沙織選手。そのため、サーブで狙われる山口舞選手と木村沙織選手の守備範囲が狭くなるように、佐野優子選手は広い範囲をカバーしていました。その結果、山口舞選手や木村沙織選手に飛んでくるサーブはピンポイントを狙うサーブになり、とりあえず重心そのままで受けられていました。これがなければ、山口舞選手はサーブを返せなくなり退場し、木村沙織選手はさらに崩されていたはず。すると、裏レフトへのマークを減らす山口舞選手の特殊な動きがなくなり、木村沙織選手をマークするはずのブロッカーまで裏レフトについてしまうため、江畑幸子選手まで潰れたはず。こんなところにまで佐野優子選手の守備が影響しているのです。「目の前ポトリ」もありましたが、それを上回る活躍でした。