JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

背番号14番レフト迫田さおり選手のコンビ

2012-09-29 13:02:23 | 全日本女子 コンビ
・セッター
迫田さおり選手は、大体どんなトスでも打ちますが、最高のパフォーマンスを出せるのは一部のトスに限られます。バックアタックは、ロンドンOQTでは竹下佳江選手のトスが戻りすぎて強打できないシーンがありましたが、ロンドンでは修正されていました。レフトからは、ロングBセミに切り込みたがるので、セッターはそれを意識して使います。中道瞳選手は、苦しいときも苦しくないときも、迫田さおり選手にトスが集中してしまう癖があります。

・表レフト
木村沙織選手とはあまり直接的なコンビはありません。木村沙織選手が後衛でサーブレシーブが乱されると、そのトスはほぼ確実に迫田さおり選手に上がります。

・裏レフト
本来迫田さおり選手が裏レフトなので、コート上ではコンビはありません。しかし、ロンドンの決勝トーナメントでは、迫田さおり選手は同じ裏レフトでリザーブだった石田瑞穂選手のユニフォームを重ね着していました。精神面では切っても切れないコンビがあったのでしょう。

・ライト
迫田さおり選手は前衛レフトからは1枚ブロックで最高のパフォーマンスを発揮するので、ライトにマークが付くような状況でチームが上手く回ります。そのため、ライトは2枚ブロックをうまく抜くような技術が要求されます。また、ライトはバックライトを打たないため、ライトが後衛に下がるとライトが空になります。そこから、迫田さおり選手がバックライトを打つコンビがあります。

・センター
迫田さおり選手は1枚ブロックで打ちたいため、迫田さおり選手がレフトに居るときにはブロード、ライトに居るときにはBクイックに入ります。また、迫田さおり選手のバックセンターは、クイックの落ち際を狙うパイプになっているため、センターが決めている状況でバックセンターも良く決まります。

・リベロ
迫田さおり選手はバックセンターの助走が長いため、ラリー中もどうしてもコート後方に動いてしまいます。すると、佐野優子選手はバックレフトの前方を守ることになります。そのため、相手がブロードでバックレフトの長いコースを狙ってくると、レシーブできません。佐野優子選手は2段トスを迫田さおり選手のレフトとバックセンターに上げます。どちらも上手くトスが合いません。特に、本来は空中移動して打ちたい迫田さおり選手ですが、佐野優子選手のアンダーの2段トスは空中移動する余地を与えない2段トスですので、球質は合っていないと言えます。