JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

Vリーグ女子3決 見どころ NEC

2013-04-13 00:42:09 | 用語解説
NECは何といっても粘りのバレー。本来のバレーができ、そこにイエリズ選手のパワフルなスパイクが加われば、順当に岡山に勝てます。

・ブロックとレシーブの関係
NECのブロックとレシーブの関係は少し特殊です。普通は、リベロ等のレシーブが良い選手にスパイクが集中するように、レシーブの良い選手以外のコースをブロックで締めます。これが最も効果的なセオリーですが、逆に相手からするとブロックやレシーブの配置が打つ前から分かっていることにもなります。しかし、全員レシーブが良いのがNECの特徴。そのため、NECのブロックとレシーブの関係は、自シームの台所事情に制約されず、相手が一番嫌な形にできます。これはリーグでダントツなので、NECの勝ち負けに関わらずご注目ください。

・センターによるセミ
NECのセンター陣は、杉山祥子選手以外、きちんとセミを打てます。高いトスを打てるセンターと言えば、荒木絵里香選手やヤンヒョジン選手等の韓国女子の選手が思い浮かびますが、NECの両センターは、普通のライトの選手のような助走をし、その助走を活かして打っています。このセンターセミやライトセミが勝利を大きく左右するわけではありませんが、これは全日本的な視点からは大きな事です。全日本では、センター出身の山口舞選手がライト起用されて、センターらしさで全日本を牽引しましたが、高いトスが打てず、そのセミナーらしさが対策されて、通用しなくなってしまいました。同様にセンター出身ライトであるキムヒジン選手やチョウライ選手は、高いトスも打てます。そのため、センターで高いトスが打てれば、全日本でライト起用ができ、全日本の幅が広がります。NECはセンターによるセミに取り組んでいるので、そこにも注目したいです。

・岡山らしさを発揮させないためには?
岡山から岡山らしさを取り除けば、残るのはへなちょこスパイクだけです。しかし、取り除けなければ、セミファイナルの1、2セットのような展開もあり得ます。大切なのは、やはりサーブ。山口舞選手が前衛時には、山口舞選手のブロードの動線上に落とす。山口舞選手が後衛時には、とにかく強く打って崩してレフトを徹底マーク。これは一例ですが、このような意図のあるサーブが見られるはずです。とても楽しみです。

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