5月からコロナが5類に引き下げられることもあり、医療機関や各老人保健施設などにおいても施設内への出入りがかなりスムーズに出来るようになった。それに伴い入院患者の他医療機関への通院・老人保健施設の外出やそれぞれへの面会等も徐々に緩和されて来ている。それに伴い今月初め頃から問い合わせや予約が連日入ってきており、もう一人でやれる限界に達した感が有る。そのためお断わりすることが多くなり、(これを断ったら次回から依頼が来なくなるのではないかなぁ…)と不安になる。私としては2名体制にするには、月の売り上げが粗で70万以上が見込める時点でと思っていたのだが、つい先日あるタクシー会社の会長さんから「どうかな?頑張っているようだなぁ。」と励ましのお電話を頂いた。実は福祉タクシー二郎丸を現オーナーと開業する準備を進めている時に「うちに来て介護タクシーを任せるからやってくれないか?」とのお誘いを受けていたのである。この会長さんとは非常に気が合い、以前勤務していたタクシー会社に在籍していた時、タクシー協会の管理者部会に出席する度に「うちに来いよ!」と非常に可愛がって頂いていた。
一人で限界を感じているのだが、人を雇うような財力も権限もないので今後の仕事の進め方を悩んでいることを打ち明けた。会長曰く「もう一人雇える位の売り上げが見込めるなら雇う…そんなに世の中は甘くないぞ。あんたが二人分の売り上げを死に物狂いでやれそうなら、経営者としてはわざわざ新たに人を雇うよりあんたに倒れるまで頑張らせればいいのだからな。経営というものは情なんて口先だけだよ。本当にこの事業に掛けているのなら、どこかの時点で勝負掛けて人を入れて二人でやってみる。それによってあとから結果がついてくるものだろう。そのためには、こいつならと思える人材を探しておく事だ。誰かいるのか?」
う~んかなり厳しい助言であるが、そうなのかもしれないので反論すら出来なかった。やはり協会の大御所と云われた人だけに凄いとしか言いようがなかった。「彼が来てくれたらという人物は一人います。」と言うと、「なんで来てくれと頼まないのか?」「まだ人を雇えるほどの売り上げにはなっていないので…」「そんなこと言ってたら一生雇えないよ。その人物と一緒にうちに来てやってみるか?」「それは勘弁してください。不義理なことはしたくないので…恩はちゃんと返してから考えさせてください。」「まあ、あんたはそんな人間だからな。もう少し待つとしようか 」「スミマセン… 」
どうしてこんな話しになったのかわからない。元々、私が以前いたタクシー会社がコロナの影響や人員不足・車輌関係経費の過大な負担増もあり5月末で廃業するということで古巣に誰かいい後輩はいないかという話しだったはずだ。私自身も16年間お世話になった会社がなくなるのはかなりつらい出来事ではあるが、そこの社長から数年前にいずれタイミングをみて廃業する気持であることを打ち明けられていたので覚悟はしていた。もちろんそれが私が退職してこの仕事に入るキッカケでもあったのだ。
私を望んでくださる方がいることを誇りに思い、弱音を吐いてはならないぞと自分に言い聞かせた。