悪性脳腫瘍に対するレーザー治療

悪性脳腫瘍で苦しんでおられる患者様、および御家族に、私が開発したレーザー治療の有効性、安全性を紹介します。

2014年最後の投稿

2014-12-26 18:16:30 | 日記
4月から開始した悪性脳腫瘍に対するPDTですが、13名の患者様に施行させていただきました。幸いなことに、PDT自体による有害事象としては全くありませんでした。1例のみ爪熱傷を経験しましたが、これも管理に問題があっただけでした。治療をさせていただいた患者さまは、皆様ご健在でして、幸い、亡くなられた患者様はいらっしゃいません。もちろん、PDTの方法論にはまだまだ不十分な点があり、十分な治療効果が期待できなかった患者様もいらっしゃいます。ただ、皆様がこの治療の有効性を信じていただけたのです。来年も一人でも多くの悪性脳腫瘍の患者さまの治療に貢献できる様、更なるPDTの技術革新を図っていきたいと思います。本、ブログを見ていただいた方々には、心から感謝申しあげます。来年もよろしくお願い申しあげます。

東京医科大学PDT13例目

2014-12-13 16:25:43 | 日記
PDT13例目は78歳の女性でした。右半身麻痺と右同名半盲で発症した、右側頭葉から視床にいたる7cm大の膠芽腫です。NavigationとMEPを用いて肉眼的に全摘出しました。視床の腫瘍の前縁を電気刺激(15mA)でMEPが導出され、Navigation画像との整合性があったため、同部の切除は止めました。後方は切除しました。最終的に同部を中心にPDTは4箇所に施行しました。術後のCTでは明らかな異常所見は認めていません。高齢者なので、ゆっくり麻酔から覚醒させる予定です。この患者様は元来肝硬変があり、レザフィリンを投与することを躊躇いましたが、肝庇護剤のローデイングを行うことで問題ありませんでした。術後も肝機能には注意していきたいと思います。医師主導治験のときの有害事象も、一過性の肝機能障害だけでしたので。患者様の経過が良好なことを祈っています。

日本脳腫瘍学会@舞浜

2014-12-01 23:16:36 | 日記
11/30~12/2に舞浜のTDLに隣接するシェラトングランデにて第32回日本脳腫瘍学会が開催され、口演1題とPDTのランチョンセミナーにて口演しました。当科の若手3名もポスター発表を見事にこなしてくれました。この学会は悪性グリオーマを主題とする会で、その道のプロ達が500名ほど集まる、大きな学会です。本学会のランチョンセミナーでPDTの話ができるなど、5年前には考えられないことでした。昨年9月に保険適応となり、その後の治療経験からも、如何に本法が安全で有効なものか、実感しております。聴衆の多くの先生方からも、非常に期待できるし、ぜひ始めたいと言われました。すでに京都大学が手を挙げてくれました。懇親会の写真を添付しますが、さすがにTDLだけにネズミさん達が大挙押しかけていました。最初は皆、冷ややかな感じですが、写真に収まるときは皆、笑顔です。すごいパワーを感じました。明日の午後2時まで、参加した後、大学病院を回診する予定です。