悪性脳腫瘍に対するレーザー治療

悪性脳腫瘍で苦しんでおられる患者様、および御家族に、私が開発したレーザー治療の有効性、安全性を紹介します。

PDTによる爪熱傷

2014-10-25 18:33:07 | 日記
PDTを本年4月から開始して、10例目を終了しました。極めて安全性の高い新規治療であることを実感してはいるのですが、残念なgら1例に爪熱傷が生じてしまいました。この有害事象は8年前に東京医科大学で臨床研究を行った際にも1例経験しており、レザフィリン投与後の持続的酸素飽和度モニターは行わないこととしてきました。今回、保険適応となり、ガイドラインや講習会のテキストにも、酸素飽和度は間歇的装着にて測定すると記載しています。今回は、病棟看護師とICU看護師の申し送り不足が原因であり、術後、約12時間モニタリングされてしまいました。患者様本人が、付けていていいのかなあ?と疑問に思ったそうです。写真の様な爪熱傷が生じ、チリチリとした違和感があったとのことです。直ちに皮膚科、形成外科の診察を受けられました。局所クーリングと軟膏処置がなされ、経過観察となっています。その後、熱傷は瘢痕化し症状も消失しました。我々は十分意識していたことなのですが、我々の監視不足も否めません。患者様にはすぐに謝罪し、ご理解されました。二度とこの様なことが生じない様、病棟およびICU看護師を再教育しております。

東京医科大学PDT9例目

2014-10-25 18:22:39 | 日記
東京医科大学における悪性脳腫瘍に対するPDTも順調に症例を重ねています。本年4月からスタートし、1例の悪性髄膜腫、9例の悪性グリオーマ症例となりました。今回は60歳代、男性の右側頭葉から島回に進展するグレード3症例でした。島回摘出中に運動誘発電位の低下を認めたため、同部には残存があります。90%の摘出となりました。PDTは海馬体部、海馬傍回、島回など3箇所に施行しています。術後経過も良好であり、遮光期間も2週間きっちり行いました。すでに放射線照射とテモダールの内服レジメに入っております。PDT開始から半年が経過し、再発したのは視床~視床下部~中脳へ進展しているために、摘出度が低かった1例のみです。同例も再発後にアバスチンを投与し、徐々に状態も改善してきています。有害事象とよべるものも皆無と言えるのですが、1例だけ、看護側の申し送りが悪く、ICUで酸素飽和度モニターをつけっぱなしにしていた患者様に爪熱傷が生じてしまいました。注意すれば避けれられたことであり、反省しきりです。患者様には謝罪しました。今後も予定が詰まっており、安全、確実なPDT施行をめざしていきます。