悪性脳腫瘍に対するレーザー治療

悪性脳腫瘍で苦しんでおられる患者様、および御家族に、私が開発したレーザー治療の有効性、安全性を紹介します。

2015年PDT7例目

2015-05-09 16:06:13 | 日記
昨日の手術は、再発腫瘍であり、一次運動野に完全に浸潤している腫瘍でした。患者様は左半身の軽度麻痺と、日に日に悪化してゆく左手と顔面の痙攣を訴えられました。一次運動野の腫瘍なので、症状を悪化させるリスクが高く、最初から全摘出は困難なため、腫瘍内での可能な限りの摘出(周囲脳が少しでも見えたら止める)を行いました。手術中に運動機能モニタリングを行っているのですが、手術開始早々に消失され、意気消沈しましたが、術前の予定通り、摘出周囲脳にPDTを5箇所施行しました。術中のナビゲーション画像では完全に錐体路に照射しています! 予想通り、術直後は左半身は完全麻痺でしたが、1日経って、急速に麻痺が改善しています。術後のCTでもほぼ腫瘍は摘出されていました。PDTでは周囲脳を損傷するリスクはほとんど無いため、浸潤腫瘍細胞をダメージすることで、急速に周囲脳の浮腫が軽快し、神経症状も改善することが多い印象を抱いています。本例の急速な改善も、PDTの効果を見ているものと確信しています。術後のMRIでの周囲脳の変化をゆっくり観察して行こうと思います。