悪性脳腫瘍に対するレーザー治療

悪性脳腫瘍で苦しんでおられる患者様、および御家族に、私が開発したレーザー治療の有効性、安全性を紹介します。

PDTの技術料向上

2020-02-10 14:37:30 | 日記
久しぶりの投稿です。このところ2020年医療保険改訂に関しての情報が急激に流布しています。未だ、厚生労働省の最終決定版はまだ出ておりませんが、2/7に中医協の上申書が公開されました。私は日本脳神経外科学会、日本レーザー医学会の各学会の保険委員会を務め、さらに日本外科系学会連合の複数の委員を務めており、外科系(手術や処置など )の医療行為に対する、適正な医療保険価格の設定に貢献してまいりました。この数年は、自分が開発した悪性脳腫瘍に対するPDTの保険価格設定における、厚生労働省への情報提供などを行ってきました。PDT は悪性脳腫瘍の治療に用いられる保険適応治療の中で、現在最先端の技術であり、その治療効果、安全性は世界で最高のもの(初発悪性グリオーマのデータ)であることが示されておリます。しかしながら、PDT を開発した本邦においても、この治療が普及しているとは言い切れない現状があります。治療成績が飛び抜けて良好でありながら、多くの医療機関がその施行に二の足を踏むのは、この保険価格の問題があるのです。簡単に記すのは難しいのですが、現行の保険制度では、PDTをしようがしまいが、医療機関が国に請求できる治療費は同じであり、手術手技料としてPDTを行なった場合の方が12万円を追加請求できますというものなのです。本ブログをご覧になっている方でしたらご存知と思いますが、PDTを行うためには、レザフィリンという薬剤(光感受性物質)を用いる必要があり、さらにレーザーを発振するPDレーザーBTを購入する必要があるのです。正直、12万円のみの加算では、薬代もレーザ機器(減価償却5年)もとても賄えません。PDTを行うたびに医療機関は自腹で薬剤を購入し、高額なレーザ機器を用いなければならなかったのです。つまり国産の世界一の治療を行う上で、毎回病院は赤字の医療を行わなければならない状況があり、とてもPDTを開始しようと思ってくれる医療機関が増える状況では無かったのです。そこで、PDT の技術料の向上と、PDTを行う症例を、通常の悪性脳腫瘍の手術枠(DPC枠)と一線を画し、独自の保険点数を定めて欲しいと、この2年間活動を続けてきました。平日の午後に、一生懸命資料を作成し、たった5分間のプレゼンテーションを30代前半の若い厚生省審議官の前で行う。時には、予定手術の時間をずらしてまで、プレゼンテーションに出掛けておりました。そして、今回の中医協の情報公開を拝見し、技術料の5割アップが成されたことを確認しました。私の2年間の活動は、中医協-厚労省委員の心に少しは響いたことが確認できたのです。あとはDPC新枠の設定がどうなるかです。もしPDT枠が新設されるならば、PDTの施行に手を上げてくれる医療機関が一気に増えることが予想されます。今月末には公表されるとの噂を得ております。何とか、悪性脳腫瘍に苦しむ日本の患者様に、一筋の光を届けたく、今後も活動を続けてまいります。