通常流通している通し柱の材木は、6mが基本だそうです。
通し柱は、二階建ての一階と二階を貫くので、当り前ですね。うちの場合は4m半くらいでいいのでちょっと損です。
それはともかく、最初は通し柱をもっとたくさん入れるつもりでした。
そのために、5寸角6mの杉材をたくさん注文していたのですが、
途中で、立てる時に大変じゃんと思い直し、要所以外の通し柱をやめてしまいました。
なのに、注文をキャンセルするのは忘れてたんです。
そんな訳で、5寸角6mの杉材が余ってしまってます。。。高かったのに・・・
そんなある日、管柱の一本を刻み損ねてしまいました。
どうしたもんかと考えてますと、そこらに1m半程度の通し柱の端材が転がってます。
以前ネットで見た宮大工さんの仕事の記憶がよみがえりました。
昔の腕利きの棟梁は、遊び心で目立つところの柱を一本、ワザと継いで使ったりしたそうです。
それも箱根細工のような、複雑で外し方が分からないような継ぎで。
そんじゃ、俺もやってみようかと挑戦しました!!「四方アリ継ぎ」です。
これは四面がアリ継ぎになっていて、一見どのように入れたか分からないものです。
種明かしをしますと、斜めにスライドさせていれます。
このスライド部分の加工が大変難しいです。
丸ノコをアクロバティックに使用し、

その後をノミで奇麗に整えるのですが、

やはり難しすぎました。上の写真では笑って持ってますが、
実際はガタガタで柱にするには、ちょっと怖いものが出来てしまいました。残念。。。
そこで気を取り直して、端材をもう二本使用して、「金輪継ぎ」に挑戦しました。
これは棟梁の遊びというよりも、痛んだ柱の修理や、梁の継ぎなどに昔からよく使われているもので、
加工は難しいですが、名前の通りたいへん頑丈な継手です。
刻みはこんな感じです。

これを組み合わせて、

真ん中の穴に栓を入れます。

すると大変頑丈な柱の完成です。

びくともしません。これなら柱の使っても大丈夫でしょう。
玄関を入ってすぐの、目立つところに立てようと思ってます。