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地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

貨物天国四日市を歩く (1) DD51重連エチレン

2011-03-02 00:00:00 | 貨物列車 (四日市)


 去る1月に発売されたRP誌は「工場地帯の鉄道」特集ということで、書店にて中味も見ず問答無用でお買い上げと相成ったのですが、やはり載っていましたね……四日市! 狭い範囲に非電化の貨物線や専用線が密集 (?) し、しかも平日であればほぼ毎日律儀に運行され、色とりどりのDLやスイッチャーが日々活躍するところですので、私もその魅力に引き寄せられて関西出張ついで鉄の途中しばしば立ち寄っておりました (^^;)。当ブログで四日市の貨物シーンを扱うのは、2006年秋の出張ついで鉄の模様を少々扱って以来でご無沙汰ですが、このたび3月のJRダイヤ改正や荷主の事業再編を受けて大きな (?) 変動があるようですので、ここらで撮り貯めたカットのごく片鱗をアップすることで個人的な記録の整理としたく存じます。
 というわけで久々となる四日市貨物ネタ、まずは消えゆくエチレン輸送から始めることにしましょう……。今を遡ること確か9~10年ほど前でしょうか、近鉄海山道駅にて塩浜支線から分岐するM化成の専用線にて液化酸化エチレンコキの出入りが本格化し、以来鹿島臨海鉄道・奥野谷浜にある出荷元のM化成工場との間で、休日を除くほぼ毎日 (?) エチレンコキが運行されて来ましたが、このたび四日市周辺のエチレンユーザーをまとめて鹿島工業地域に誘致することになったとか。この結果、M化成としては特にエチレン供給先を失ったわけではないにせよ、少なくとも四日市との間でエチレンを輸送する必要がなくなることから、間もなく海山道の専用線そのものが休止されることになりました……。



 そしてこのことは、DD51重連+エチレンコキという濃いぃ組み合わせゆえに貨物列車ファンの間ではちょっと知られた存在である251レの消滅を意味します……(T_T)。海山道に出入りするエチレンコキは別に長大編成というわけではなく、塩浜支線で最もきつい勾配である大井の浜鉄橋の前後にしてもDD51単機で石油タキの長大編成を難なく牽引することが出来ますので、エチレンコキ数車にDD51重連というのは如何にもムダムダ感が漂うことは否めません。それでも、あくまでも運用上の都合で重連となったDD51が、超余裕な足取りで非電化の貨物線を迫って来る姿は……何度撮っても素晴らしい!の一言に尽きます (*^O^*)。しかも愛知機関区のDD51は原色機もそれなりに残り、重連の先頭に立つ姿は如何にも貨物黄金時代を彷彿とさせます……。もちろん、次位が更新色であったり、往年のようなタキではなくあくまでタンクコンテナコキであるという違いはありますが、この迫力に酔ってしまえばそんなことはどうでも宜しい!という感じです (^^;)。むしろ、2010年代になってもこのような光景を楽しめることの喜びを噛み締めるべきなのでしょう♪ あ、個人的には赤更新機も好きですので、1枚目のような暗い雲バックの重連シーンも自ずとガッツポーズです♪
 ちなみに、四日市駅から姿を現した251レは、到着地である海山道駅前ヤードで停止することなく一旦塩浜まで向かい、重連を解かないまま機回しをして再びエチレンコキと連結し、入換扱いの (?) 小運転で海山道ヤードに到着します。その後に展開する魅惑の光景はまた改めて……。

伊勢湾周辺鉄参り (6) セメントの聖地

2007-02-17 14:57:00 | 貨物列車 (四日市)


 三岐鉄道の東藤原駅からJR富田を経て、DD51に牽引されて四日市港界隈まで入線するセメントタキ列車は、日本国内ではもう本当に数少なくなってしまったセメント鉄道輸送のひとつですが、このDD51からタキを受け継いでセメント貯蔵基地まで連れて行く45トンスイッチャーの存在も、今や非常に貴重なもののひとつだと言えるでしょう! しかも、両者の受け継ぎ光景がなかなか絶妙……。DD51牽引の積車が可動橋をゆっくりと渡ってくる頃、貯蔵基地からも空車を連ねてスイッチャーが姿を現します。ところが、可動橋を渡ってすぐそばの位置にある港内の受渡線は僅か2線しかありませんので、2本の列車が同じ方向から入線して肩を並べれば、全く機回しが出来ません。そこで、一体どうするのか……と固唾を飲んで見守っていたところ、
 (1) 先にDD51牽引の積車が受渡線へ。DD51が機回しを行い、可動橋側に一旦待避。
 (2) スイッチャー牽引の空車が受渡線入り。空車にDD51が連結され、すぐに発車。
 (3) その後スイッチャーが機回しを行い、積車に連結し発車。
……という順序で、てきぱきと受け渡しが終了! ネット上で四日市港の地図をご覧頂いて、↑の手順と照らし合わせて頂ければ、それが実によく練られた技だということがお分かり頂けると思います (*^^*)。



 こうして東藤原から来たセメントタキは岸壁の貯蔵基地へと到着し、積み荷のセメント粉を一気にガーッと下ろして行きます。まずスイッチャーが岸壁スレスレの位置で切り離されて機回しを行った後、合計15〜16車ほどの編成を2分割し、分割したそれぞれの編成を1車ずつずらすように奥へと押し込んで行きます。1車分押し込んで荷役を行っているあいだに、スイッチャーはもう一方の編成の最後尾に移動して1車分押し込み……という作業を繰り返しますので、タキの数だけスイッチャーは行ったり来たり! その余りにも絶妙な作業ぶりは見ていて全く飽きません (^_^)。
 そして、ここのスイッチャーがこれまた役者揃い! 生え抜きのOD451は、形式名が合併前の小○田セメントにちなんでいることが一目瞭然です。そして、いかにも産業用スイッチャー然としたゴツい風貌に、貨車っぽいスタイルの台車の組み合わせが珍品らしさを漂わせています (^^)。
 ただ、ホンネを言えば、太○洋セメントオリジナルの白ベース塗装をまとったDD452 (かなりんDD55をさらに短くしたようなセミセンターキャブ機) や、名古屋臨海から譲り受けたNDD552 19が動いているところを見てみたかったですね〜。まあ、また挑戦すれば良いだけのことですが……今度はまた久し振りに出発点の東藤原にも行ってみたいな〜と思っているところです (4〜5年前に行ったきりですので ^^;)。

伊勢湾周辺鉄参り (5) 四日市港のDD51

2007-02-05 00:02:00 | 貨物列車 (四日市)


 少々ご無沙汰の伊勢湾岸出張鉄編、今度は近鉄アーバンライナーに乗って四日市へやって参りました。アーバンライナーは久しぶりに乗りましたが、いや~やはり私鉄特急の雄を感じますね (^^)。名阪乙特急は空いているだろうという予想は大きく裏切られ、名古屋発車時点で大部分の席が埋まっているのには大いに驚かされました……。
 四日市を初めて訪れるにあたり、ナローの近鉄内部線という超お楽しみはもちろん外すわけには行きませんが (後日改めてご紹介します)、取りあえず内部線は後回し。1時間に1本という閑散としたバスに乗って、四日市港界隈へと向かいます。目的はもちろん、三岐鉄道・東藤原からやって来るセメントタキ編成が、可動橋を通過して港湾エリアのストックヤードに入線するシーンを激写することです! しかも、この入換は平日であれば毎日数回行われるため、遠方から訪れた場合でも無理なく予定に組み入れることが出来ます (休日は未詳です。悪しからず)。
 そこでさっそく可動橋の傍らへ! 列車通過15分前あたりになると、それまで完全に開いていた橋が警戒ブザー音とともにゆっくりと閉まります。その一部始終を見届けて満足していると間もなく、四日市駅のヤードからいよいよDD51が登場! 合計16車ほどのセメントタキ長大編成を率いてゆっくりと可動橋を渡るシーンは、それだけでも産業遺産に指定したいほどです! (*^^*)



 但し、DD51はそのまま港湾埋立地のストックヤードに向かうというわけではなく、埋立地内の運行は太平○セメントのスイッチャーに引き継がれます。その引継を行う線路が可動橋を渡ったところにあり、DD51編成と相前後してスイッチャーに率いられた空タキ編成も到着、DD51は空タキ編成を受け取って再び四日市駅に帰って行きます。
 ふだん、こういう工場地帯の路線での小運転はといえば、DE10やDD13タイプ機関車が行っているのをもっぱら目にしている私としては、何やら余りにも巨大な機関車が現れたような気がして、思わず圧倒されてしまいました (^^;)。これこそまさに、DD51がD51に代わる非電化貨物の王者と呼ばれる所以なんですね……(*^^*)。