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新古今和歌集の部屋

歌論 無名抄 貫之躬恆勝劣事




貫之躬恒勝劣
俊恵法師語云三条の大相国ひゐの別當とき
こえけるとき二条の帥とふたりの人みつねつらゆき
がをとりまさりを論ぜられけり。かたみにさま/"\
ことばをつくしてあらそはれけれどさらに事切る
べくもあらざりければ帥いぶかしくおもひて
御け色とりて勝劣きかんとて白河院に御
氣色給はる。仰云われはいかでかさだめん。としより



などにとへかしとおほせごとありければともに
そのびんをまたれけるほどに二三日ありて
俊頼まいりたりけり。帥このことをかたり出て
はじめあらそひそめしより院の仰のおもむき
までかたられければ俊頼きゝてたび/"\うちうなづ
きてみつねをばなあなづらせ給ひそといふ。帥おも
ひのほかにおぼしてされば貫之のおとり侍か。こと
をきり給べきなりとせめけれどなを/\たゞをな
じやうにみつねをばあなづらす給まじきぞといひずれ
におぼしてことがらきこえ侍にたり。をのれがまけ



になりぬるにこそとてからきことにせられけり。
まことにみつねがよみくちふかくおもひいれたる方は
又たぐひなき物なりとぞ。
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