新古今和歌集の部屋

小倉山百人一首 紫式部源氏物語を作りし事


図 之 水 湖 山 石

   紫式部源氏物語を作りし事

紫式部は人皇六十六代の帝一條院の御后上東
門院の官女にして初の名は藤の式部とかけるが
幼なきより和哥の道にこゝろざしふかく名哥の誉れ
多き中に千載集に撰ばれたる哥に
   水鳥を水のうへとやよそにみん我もうきたる世を
すぐぐしつゝ。かやうの名哥をよみ給ふ其ころ斎院より
珍らしき原紙物がたり御覧ありたきよし仰ありしにより
式部に物がたりを作らしめ給ふ○○八月十五夜の事なりし
とぞ石山寺の観世音に○心○し式部は湖水を眺て
源氏物がたりの執向をおもひ出て五十四帖を書さらね
給ふ其中にも若紫の巻ことに面白く書たりとて
誉給ひしより紫式部と呼れけるとなん又ある説に
式部は一條院の御乳母の子なり門院なりける時に
ゆかりある者なり哀とおぼしめさせよとありし○にゆかり
の色といふ心とりて藤の式部とも又紫とも云と也

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