IC-705やFT-817/818などの『ポータブル機』とセットで購入される方が多い、コメット社の『HFJ-350M』という分割式のポータブル用アンテナ。これに、オプションの1.8MHz用コイルを買い足して『実践運用』をやってみた。また、2020年に1.8~1.9MHz帯のバンド幅が拡張され、FT8のDXもスプリット運用しなくても済むようになったのが、より身近に感じる発端でもある。
【写真:全長2mにも満たない超短縮アンテナだが・・・】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ポータブルアンテナ、なめてんじゃねーぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私自身、この手のアンテナは『そんなに飛ばない』と決めつけていた。
冬場を迎え、7MHz帯の国内も『日の暮れ』とともに、
みなさん、CL(クローズ)される。
まぁ、DX用の7.074MHzに移ればいいのだが、
こちらは、並み居るビッグガンのDXerが多くて、
我が家の貧弱なアンテナでは、簡単にエンティティも伸びない。
ならば、当面は夜間のDXは辛抱するとして・・・。
どうしたものかな、と思案していたら、
最近は『7・1.8MHz用ダイポールアンテナ』が発売されたり、
何やら『HFのローバンドが流行り』になっているようだ。
まずは、3.5MHz運用はうまくいったので、お次は1.8MHz。
これは、先週に試験運用した際のPSKレポートだが、
概ね、この範囲は『夜間はちゃんと飛んでいる』のがわかった。
となれば『やはり、QSO(交信)したい』ものだ。
まず、バンドの様子を見ながら『1.840MHz』に合わせFT8でCQを出す。
すると、7・4・5エリアと呼ばれ、最遠は秋田の局。
正直、2mに短縮されたアンテナで、
それも、パワーを25Wまで絞って、
東北・秋田県まで飛ぶってのに、仰天した。
1.8MHzの波長は160mもある。
電波を乗せるには1/4波長が必要で、
コイルなどを入れずに『フルサイズ』だと40mは必要。
7MHz帯の『1波長分』の長さがいる。
それを『95%も短縮した、たった5%の2m長』のアンテナ。
超短縮されたアンテナだから、飛ばないと思ってフルパワー入れると、
コイルを焼きつかせたり、コンデンサを吹っ飛ばしたりする。
メーカーの説明書でも『アベレージ50W』とか書いてある。
鵜呑みにして、50Wを常時ツッコむのは、やめておこう。
コイルやコンデンサを保護するには、
やはり、25W程度でとどめておく。
どうしても、交信成立が厳しいときだけ、
ちょこっと50Wまでアップする、そんな感じである。
なんだかんだ言っても『短波じゃなく、こりゃ中波だ』を再認識した。
QSB(フェージング)のアップダウンも中波そのもの。
落ち込んだ時、50Wくらいでは歯が立たない。
しかし、しばらくすると相手の信号が浮き上がってくるのがわかる。
ここは、永年の『中波BCL』の経験が活きて、勘どころがつかめた。
とはいえ、アマチュアが操作する出力なんて、
それも超短縮アンテナを使っているとなれば、
何級の資格を持っていようが、せいぜい50Wくらい。
放送局なんて、大阪の民放局ですら『50kW』も出ている。
まぁ、電波形式がAMの放送局と、
単に交信を成立させるだけのアマチュアが扱う、
FT8を同じ土俵に乗せるのも『どうだか』とは思うのだが、
まさか、自分が『中波の電波を公に認められて出せる』など、
思ってもいなかったし、さらに東北の局とラクに交信できるとは・・・。
1.9MHz帯の免許こそ、昔から下りていたが『単に見せびらかし用』だった。
160mBの1/4波長の40mも最低でも必要・・・という常識が崩れた。
もっとも、フルサイズが張れれば理想だが、
おおかたの局は、7MHz帯のフルサイズダイポールすら難しい、はず。
誤解を恐れずにいうならば・・・。
ダイポールアンテナは理想だが、
見方を変えれば『ダイポールアンテナは教科書の中でいい』のかも。
7MHz帯では、物置小屋2棟でRF-GNDが十分効いている状態を実感したが、
1.8MHzの160mBでもRF-GNDが効いているのは、本当にびっくり。
こんな『いい加減』なRF-GNDでも、
アンテナ本体の『微調整』を『きちんとやる』ことで、
ホンマに『おもちゃ』のようなアンテナでも、中波で遊べるのだ。
この冬の夜間は、3.5MHzと1.8MHzのFT8に、ハマりそう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※記事は、表現と言論の自由に則ったエッセイで、
公人を除き、登場する個人・団体名は全て架空のものです。
※時事問題については、筆者個人の考えです。
※無断でSNSなどの他サイトへリンクを貼ることはご遠慮ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright:(C)2021 Ota-Tadashi All Rights Reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※下記の広告は本記事とは無関係です。