伊藤ハムや大手食肉卸「フジチク」(名古屋市)グループによる関税法違反事件が摘発された後、冷凍豚肉の輸入量が減少している。関係者は「不正輸入をしていた業者が、手控えている」と指摘。一方、原料調達に危機感を強める加工会社側からは、差額関税制度の見直しを求める声が強まっている。
輸入豚肉の冷凍品は主に、ハム、ソーセージの原料となり、「大半が脱税肉」(食肉関係者)といわれてきた。
しかし、六月の輸入量は前年同月比39・9%減の四万四千八百三十トンと急減。七月も同12・9%減の七万四千五百二十八トンだった。
食肉輸出入の業界団体幹部は、「業者が不正輸入を手控えているためだろう」と説明。取引正常化を歓迎しつつも、「国内在庫がなくなり、正規に差額関税を支払った高値の肉に頼らざるを得なくなれば、加工メーカーは打撃を受ける」と不安を隠さない。
食肉輸入会社の社員は「不正がなくなるとは思えない」と話し、「表に出たのはごく一部。もっと摘発されないと、まじめな業者は損をする」と訴えた。
農水省は伊藤ハムが起訴された後、将来の制度見直しを視野に入れ、関係団体から意見を聴取した。生産者団体が差額関税制度の維持を求めているのに対し、加工会社や商社側は重量や価格に比例した税額を課す関税制度に改めるよう要望が出ている。
FujiSankei Business i. 2005年9月10日
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輸入豚肉の冷凍品は主に、ハム、ソーセージの原料となり、「大半が脱税肉」(食肉関係者)といわれてきた。
しかし、六月の輸入量は前年同月比39・9%減の四万四千八百三十トンと急減。七月も同12・9%減の七万四千五百二十八トンだった。
食肉輸出入の業界団体幹部は、「業者が不正輸入を手控えているためだろう」と説明。取引正常化を歓迎しつつも、「国内在庫がなくなり、正規に差額関税を支払った高値の肉に頼らざるを得なくなれば、加工メーカーは打撃を受ける」と不安を隠さない。
食肉輸入会社の社員は「不正がなくなるとは思えない」と話し、「表に出たのはごく一部。もっと摘発されないと、まじめな業者は損をする」と訴えた。
農水省は伊藤ハムが起訴された後、将来の制度見直しを視野に入れ、関係団体から意見を聴取した。生産者団体が差額関税制度の維持を求めているのに対し、加工会社や商社側は重量や価格に比例した税額を課す関税制度に改めるよう要望が出ている。
FujiSankei Business i. 2005年9月10日
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