ちょっと学会の方に出かけてた。
学会があった場所は昔住んでたとこの近くだったから
終わったあと、そこへ行ってみることに。
おれの記憶にある場所とはだいぶ変わっていた。
知らん建物や店があった。
畑は少なくなっていた。
見た目はもちろん変わっていた。
でもそれ以上にいろいろ記憶の場所とは違っていた。
住んでた家の目の前にあった大きな道路は、それほど大きくなかった。
遠くまでわざわざ遊びに行っていた公園は、歩いてちょっとの距離だった。
自分の身長の何倍もあった滑り台は、おれの身長より小さいくらいだった。
てっぺんまで登って得意になっていたよく木登りした大きな木も、それほど大きくはなかった。
きつかった小学校までの坂も、今ではあっさり上れた。
通学路にある自分の背丈くらいあった塀も、今では向こう側が見える程だった。
思った以上に町は狭かった。
おかげで1時間くらいで行きたかった場所を全てまわれてしまった。
駅のトイレのちり紙の自動販売機は機械は、まだあったが終了になっていた。
電車に乗るときに偶然見つけた広告で知ったのだが、
小さい頃に親によく連れて行ってもらった博物館はもうすぐ閉館になってしまうらしい。
広告に書いてあった「まだかえりたくないと君が泣いた場所です」という言葉にジンときた。
些細なことも含めていろんなことで懐かしさや切なさを感じた。