風に吹かれても!雨にうたれても!

桜田淳子さんの幸せを願うとともに、良き70年代の心を少しでも残したいと思います。

『窓』ー淳子さんの再生

2012-10-01 06:46:26 | 日記
1982年。淳子さんは、歌手生活も10周年の節目を迎え、7月17日はデビュー10周年記念「ようこそ10years」桜田淳子ハプニングショーが開催されている。

そして、名曲『窓』を発表する。

80年という軽い時代にそぐわない、メッセージ性の強い楽曲となっており、70年世代には、心に響く。

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歌:桜田淳子
作詞:犬丸 秀
作曲:犬丸 秀

あなたとあの人の 幸せの裏庭で
懸命に咲いていた 花があったの
ゆっくりと流れる 夢のようなロマンスを
目をこらし目立たずに 見守っていたの

あたためた恋心 庭のすずめ達が
聞きつけて悲しんで 風に知らせた
風達も涙ぐみ あの窓たたいた
窓…

あなたのあの窓の 向こう側から聞こえる
喜びのあの歌は とても大きくなっていた
気がつくと二人は 庭を通り過ぎて
あの人は無意識に 私を踏んでいった

※蹴散らされて くしゃくしゃになった私の愛は
咲く事が出来ずに 窓を見上げた
あの窓は変わらずに 曇りさえしなかった
窓…

吹きぬける時間は 私を見放して
虫達を引き寄せた 色は枯れてた
横たえたこの身に 話かける草もなく
ひからびた花びらは もうすぐ落ちる

(※くり返し)

窓…

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後藤啓子さんが、1981年にリリースしたシングルのカヴァー曲であり、曲調は、落ち着いたシャンソン風である。

歌唱シーンの印象は少なく、当時の淳子さんは、女優として、同時期の『はらぺこ同志』のイメージの方が強い。

しかし、感情の込め方は、女優としてのものであり、この時代特有の軽さとは、一線を画するものである。

淳子さんには、こんな歌も似合うのかと思わせる一曲である。

この年の5月、岩崎宏美さんが、『聖母達のララバイ』をヒットさせ、火曜サスペンスでは、歌は宏美さん、ドラマは淳子さんという組み合わせも楽しかったような記憶がある。


ここで、淳子さんのメッセージを紹介したい。

『故郷を離れる時に友達から渡された"寄せ書き"が、私の唯一の宝物でした・・・  
その宝物が今では数えきれない程になり、10年分の宝物となって山積みされています。
それが、歌であり、芝居であり、人です。  

10年で増えた宝物(財産)を、どうして行くかが、これからの私の課題ですし、多少背負いきれない荷ではありますが、それだからこそ又、がんばれそうな、そんな気がしています』

初心を忘れず、ひたむきに頑張った10年の集大成がこの曲なのだ。
そして、歌手時代の10年をステップにして、本格的に女優へと進んで行く。
このメッセージは、そうした淳子さんの決意表明なのだろう。

それにしても、芸術も解さぬ、淳子さんの心の葛藤も理解できない、不出来なファンであったことが、情けない。

『蹴散らされて くしゃくしゃになった私の愛は、
咲く事が出来ずに 窓を見上げた』
は、心に響く。

窓を見上げる風景が、『花物語』の最終章にしてはいけない。

せめて、背負いきれない『宝物』が、いつまでも光り輝くことを祈る。

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