風に吹かれても!雨にうたれても!

桜田淳子さんの幸せを願うとともに、良き70年代の心を少しでも残したいと思います。

SONY『スタジオ1700』の思い出

2012-08-19 12:03:55 | 日記
ソニーの『スタジオ1700』を知っていますか。ラジカセですが、中々の名機でした。発売は、淳子さんデビューとほぼ同じ1973年春です。

『スカイセンサー』を思わせるチューニングダイヤルに人差し指をかけ聞いてたことを思い出します。

あれは、中2の晩秋でした。

新人戦も終わり、部活も休みが結構あった時です。
暇があれば、スタジオ1700相手に格闘してました。

聞こえる周波数をさがしては、歌番組を待ちました。

ラジオ局が、遠いため、時々電波が途切れると、ラジオの向きを変え、手に汗してアナログのチューニングをしていました。

そして、ラジオが電波を捉えるのを息を潜めて待っていました。
アナログてすので、少しづつ、電波のウェーブがあってくる感じです。そして、だんだん雑音より声の比率が高くなってきます。

目当ては、『花物語』です。

『この花は私です。』

曲が流れると、頭の中は、赤のミニのワンピースで、マイクを両手で握りしめ、一所懸命歌う可憐な少女のイメージで一杯でした。
そして、こちらに向かって祈るような目線を感じるのです。

レコードを再生しているだけという次元とは違います。電波がくることに意味があったのだと思います。
淳子さんが、走ってやって来るのに似たドキドキした感じです。

ゲストで迎えられると、録音ボタンを押しながら、電波が途切れないのを祈りました。

これが、思春期を迎えようとする多感な僕の記憶に刷り込まれた桜田淳子です。

ラジオの音声を聞くたびに、何度も蘇ります。ラジオだからだったかもしれません。

ラジオのランキング番組では、大たい10位くらいのスレスレだったので毎週ヒヤヒヤした記憶があります。

2分程度のために費やすエネルギーたるや。

今、考えると、驚くべき滑稽さです。今の子供たちと、比べると自分でも『けなげだったなぁ』と思います。

淳子さんは、この年の新人賞を総ナメにしますが、私的には、『わたしの青い鳥』ではなく、間違いなく『花物語』が、聞きたかったのです。

『わたしの青い鳥』の売上は、他の新人賞歌手に比べて際立つ数字ではなく、関係者は、これでもダメかと嘆いたと聞きます。

『花物語』は、淳子さんの演劇的センスを見越して阿久悠さんが作詞したと伝えられています。

この何気ない曲のヒットは、持って生まれた才能の開花としか思えません。

レコード大賞最優秀新人賞は、レコード売上上位の浅田美代子さんでも、アグネスでもなく、淳子さんだったのは、この曲に秘められた魔力だった気がしてなりません。

今、平穏に待てるのは、あの時期、ひたすら待つことに飼いならされたお陰かもしれません。
そして、イメージすることに妙な快感があるのかもしれません。

アイドルにけじめをつけ、最後の紅白で、過去の持ち歌を歌わなかった淳子さんの精神によって、今の私の持つイメージは、冷凍保存されていたのでしょう。
鮮度を失うことなく。


追伸 中断しようと思いましたこのブログ、いまだにアクセスがあります。つられて、見苦しいですが書いてみました。

私の不思議体験、思いあたる人が多いと思います。

イワタヤイセタン