新年度になって息子は高校3年生になりました。
担任は偶然にも2年生のときの先生がなりまして
ちょっとクセのある先生だけど、息子の吃音のことを知っててくれてるので
それはそれでよかったかも。
でも、息子には最大の試練が待っていました。
自己紹介です。
普通の人にとってはなんでもないことだけど
息子にとっては一大事。
だって・・・下の名前がでないんです。
姓は言える。調子いいときはそのまま名前まで言えるけど
つっかかってしまったら、かなり苦労しないとでません。
まったく言えないときもある。
担任の先生はもともと「あえての自己紹介なんか必要ない」ってスタンスの人だったので
息子の吃音を伝える前から、クラスでの生徒の自己紹介なし、にしてたんですね。
だけど、教科の先生はそうでないので・・・
こないだから息子、そうとう苦労しているようです。
昨日の夜は久しぶりにツラい限界がきてしまって、涙をうかべながら
私と長女に現在の状況を話してくれました。
私も長女も受け止めることしかできなくて
そうだね、つらかったね
っていってあげるしかできませんでした。
しかし。
長女はけっこうシビアな面があるので
息子が
「なんで僕だけこんなに言葉のことで苦労しないといけないんだろう。吃音なんて普通の人にはない悩みじゃないか。なんで僕だけ」
っていったら、長女は。
「それはキミにしかわからない、他の人には理解できない悩みだろうけど、どんな人にだってそれぞれ悩みは苦労はあるんだよ。
私も今苦労してるよ。仕事先で『今なんでこの処置してるかわかる??』って聞かれるんだけどね、答えられないことが多くて、そのたびに『なんでわからないんだ私』って自己嫌悪に陥ったり『わからない私のこと、先生どう思ったかな』って思ったり。他の人にとったら「そんなのたいしたことじゃない」って思うかもしれないけど、私には深刻なことなんだよ。でもだからといって一日中「どうしてどうして」って悩んでるわけにはいかない。仕事のことは勉強するしかないし、気持ちの問題はひきずらないように家帰ったら切り替えるようにしてる。自分が今できることやって、ポジティブに考えてくしかないの。」
私もそう思ったけど、傷ついてる息子には言えなくて。
それを言える娘がすごいなと思いました。
娘が、強く、そして大人になってるんだなあと思いました。
そしてまだ息子は「どもっててもいいんだ」「吃音なんてどうでもいいいや~」の気持ちにはなれないようです
あーなんか上手く文章にできません。
そういえば押見修造さん原作の「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」が実写映画化しますね。
どういう仕上がりになるんだろう。
気になります。
https://www.amazon.co.jp/志乃ちゃんは自分の名前が言えない-押見-修造/dp/4778321804
amazonの作品レビューをついついみてしまう
映画の公式サイトはこちら↓
http://www.bitters.co.jp/shinochan/
この本も作者さんが吃音です。
息子が「この本むちゃくちゃ共感できる。自分が思ったこと感じたことがそのまま書いてある」って言ってました。
私も読みましたが、「ああ、息子はこんなつらい思いをしてたのか」って
感情、気持ちが文字になってるものを読んだら、いろいろぐっさり心に刺さりました。
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