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春の花粉の飛散が多い時は新型コロナ感染率も高まる」…31カ国の分析

2021年09月17日 06時01分04秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス

春の花粉の飛散が多いときは、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の拡散も拡大するという研究結果が発表された。 花粉が飛散するときは、人がいない静かな場所でもマスクを外すと大変なことになりかねないということだ。

3/11/2021

 ドイツ・ミュンヘン工科大学、フィンランド気象研究所、米国コロンビア大学などの国際研究チームは8日、米科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版に掲載された論文で、「昨年3月、北半球地域の新型コロナの流行時期が樹木の花粉シーズンと一致した」と述べた。


 研究チームは、アジアと欧州・北米・南米・オーストラリアなど5大陸、31カ国130カ所で気象観測データと花粉濃度、新型コロナ感染データを収集して比較した。 アジアでは韓国・ソウルとトルコ・イスタンブールなどが研究対象に含まれた。 

◆花粉増加すると感染者急増 研究チームは論文で、新型コロナ感染者が各国で急激に増加し始めたことと、4日前までの累積花粉濃度が統計的相関関係が明確だと発表した。 各国で感染者が急増し始めた日の中央値が2020年3月13日で、4日前(3月9日)までの累積花粉濃度が1立方メートル当たり1201個で大きく上昇したということだ。 特に、人口密度が高く、花粉濃度が高い地域ほど新型コロナの感染拡大が多く、人口密度が低い場所でも花粉の効果も現れた。

 ドイツの一部都市では、花粉濃度が一日最大500個/立方メートルを記録したとき、感染率が20%以上増加した事例も確認された。

 研究チームは、空気中の花粉濃度が気温・湿度と相乗作用を起こし、新型コロナ感染率の変動性の44%を説明すると強調した。 ロックダウン(封鎖)が解除された期間には、1立方メートル当たりの花粉の数が100個増加するごとに、新型コロナ感染率が平均4%上昇すると分析された。 ロックダウンが行われた地域では、似たような花粉濃度でも新型コロナ感染の数値は、ロックダウンが解除されたときに比べて半減した。 


◆花粉が免疫反応を弱体化 研究チームは、花粉と新型コロナ感染率の間に相関関係が見られることについて、空気中の花粉が人体の免疫反応を弱めるためと判断した。 

一般的に、空気中の花粉濃度が高い抗ウイルスインターフェロン反応を減少させ、季節性呼吸器ウイルスに対する免疫力を弱めることが知られている。 また、ウイルスを撃退するために必要な有益な炎症反応も花粉のせいで減少する可能性があるということだ。 

研究チームは、論文で花粉が免疫反応に影響を与える根拠に就学年齢の児童がオゾン・ウイルス・花粉など様々な季節の環境要因に同時にさらされた時、喘息が悪化するという韓国の車(チャ)医科大学の研究論文(2019年)を示した。 

研究チームは、このような免疫反応との関連性のため、花粉への露出と新型コロナ感染率の間に平均4日ほど遅れて効果が現れると説明した。 研究チームは、「花粉が新型コロナ感染の進行を調節する要因として感染率を10~30%向上させることもできる」とし「マスクを着用すると花粉も避け、新型コロナウイルスも防ぐことができるため、花粉が多い季節にはマスクの着用に気を使うべきだ」と忠告した。 ただし、花粉がウイルスの粒子を運ぶ媒体になるという証拠はなく、人の間の接触自体が存在しなければ、新型コロナは移らないと付け加えた。

 ◆花粉が新型コロナを防ぐという主張も 

オランダのエラスムス・メディカルセンターの研究チームは、昨年6月に論文事前公開サイト(medRxiv)に発表した論文で、「秋が来て花粉濃度が減れば新型コロナウイルスが拡散する」という相反する主張をしている。 オランダの研究チームは、アレルギー性鼻炎を引き起こす花粉が、ウイルスが感染する鼻の部分を先に占めるため、インフルエンザや新型コロナなどの感染が減少すると判断した。 

また、アレルギーを起こさない花粉の場合は、人体の免疫を活性化する効果も持つ可能性があり、花粉自体がウイルスを抑制する特性も持つ可能性があるというのが研究チームの説明だ。 オランダの研究チームは、新型コロナ状況に対する直接的な分析なしにインフルエンザ診療回数と花粉症検診回数が反比例するという事実だけに基づいて類推したという限界がある。 現時点で花粉が新型コロナ電波を促すというドイツの研究チームに信頼を付与するほかないが、ドイツの研究チームも認めたように、カビの胞子など他の粒子、気象要因、大気汚染物質など新型コロナ感染率との間の複雑な相互作用についてさらなる研究が必要だ。 


◆花粉の季節が始まった 新型コロナのためでなくても花粉への注意は必要だ。 済州(チェジュ)大学環境保健センターは9日、春のアレルギー疾患を引き起こすスギ花粉に対する注意を呼びかけた。 春に発生するスギ花粉は抗原性が強く、アレルギー疾患を引き起こす主な原因として挙げられる。 センターは、スギ花粉濃度が今月最高値を示すものと予想した。また、来月初めまでスギ花粉が継続して飛散するものと見通した。 

2015年に韓国国立生物資源館が出した花粉カレンダーによると、マツ類・カエデ類・クルミ類・オーク類は3~6月にかけて、オオバコ類・アカザ類のような草花は6~9月、ヨモギ類・ブタクサ類は7~11月にかけて花粉が飛ぶ。 月別ではハンノキは2月から、スギ・ヒノキなど9種が3~4月にかけて、イチョウ・イブキ・ニレなど5種は4月に花粉が飛ぶ。 マツ・モンゴリナラ・プラタナスなど21種は4~5月にかけて、5月にはアズサとリギダマツの2種、5~6月にはダケカンバの花粉が飛ぶ。


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