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自分は天才じゃない」藤井聡太叡王が将棋に求めるものとは

2024年08月30日 03時03分47秒 | 文化と芸能

自分は天才じゃない」藤井聡太叡王が将棋に求めるものとは


8/8(火) 16:40配信2023


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ひふみ投信シリーズのファンドマネージャー藤野英人氏が率いるレオス・キャピタルワークスが運営するYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」から、藤野氏と、現在七冠を達成した藤井聡太叡王の対談を2回に渡ってお届け。後編は藤井叡王と将棋という仕事について。※対談中の情報は2022年5月15日動画公開時のもの


【動画で見る】藤井叡王「自分は天才じゃない」と語る真意とは


「勝ちたい」から「いい手を指したい」へ



左:藤野英人 右:藤井聡太
藤井聡太叡王が常に最善の手を導き出せるのは、その分析力のなせる技。いったいどのように将棋と対局をとらえているのだろう。大の将棋好きであるひふみ投信シリーズのファンドマネージャー藤野英人氏が、前編に引き続き、質問を続ける。


――将棋は藤井さんにとって仕事ですが、プロになっても将棋は面白いですか?


「プロになっても将棋を指すということ自体は、変わらず楽しいですね。正直、将棋を指すということ自体が仕事だという意識はあまりありません。ただ、勝ちたいという気持ちから、どんどん、いい手を指したいという気持ちに変化してきているところはあります」


80%を超える勝率、誰がどう見ても強い藤井叡王は、けれど度々言われる「天才」と言う呼び名をきっぱり否定する。


「私は子どもの頃から抜きん出て強かったという訳ではありません。同年代で強い子はたくさんいましたし、今でも自分が天才だとは思っていません」


では、日々闘い続けている藤井叡王にとって、将棋の魅力とはどんなものなのか。すこし考えてからこう話し始めた。


「駒を自由に使って戦える面白さ。将棋はとった駒を再利用するルールがあるので、中盤から局面が進むにつれてさらに複雑になっていくのが大きな特徴です。それがとても楽しいです」


これを受け、大の将棋ファンである藤野氏も、自身なりに思う将棋の魅力を語った。


――将棋は9×9の81マスしかないけれど、その中であらゆることが起きますよね。81マスの中にすごくドラマがあります。それにその人の個性がすごく出る。守備的な人、攻撃的な人、バランスがいい人……。


「そうですね。『棋は対話なり』という言葉がありますが、将棋を通して対戦相手の性格や考えていることは伝わってきます。それも将棋の面白さのひとつですよね」


――将棋の駒は相手の陣地に行くと役割が変化しますよね。歩が金に、角が馬に、飛車が龍に……。そうやってトランスフォームするのも将棋の面白さのひとつかもしれません。


「玉と金以外は、あらゆる駒が『成れる』ということですよね。確かに面白いですね。元は同じ駒だったのに価値が反転していく、将棋のダイナミックさのひとつですよね。


あとは、幅広い世代の人と楽しめる。とても自由なゲームです。今でこそAIを使って研究していますが、本質的にはすごく自由なんですよ。盤上だからこそ自分が思い描いた構想が実現できる。シンプルですが、それが魅力だと思います」



セオリーのないものを対局中に発見できた時の喜び
ここまで、藤井叡王は何度も「自由」という言葉を使った。確かに藤井将棋は型に囚われない自由さを持っている。


「棋士になるとセオリーというものがそれぞれ身についてきて、なかなか自由な対局は難しくなります。だからこそ、セオリーのないものを対局中に発見できた時の喜びは、プロになってからの方が大きいのかもしれません」


しかし一方で、将棋には相手がいる。相手の手を読み、相手の動きに対してどう指すか考えることが必要だ。そしてそれは将棋だけではなく、ビジネスにも必要な思考法。投資家として多くのビジネスパーソンを見てきた藤野氏は、ビジネスパーソンこそ将棋をすべきだと考えている。


――ベストな手を常に考えて、自分勝手ではいけない、ものごとを誰かとともに作り出すためには、とても大事な考え方が詰まっています。


「将棋は自分が描いた構想があっても、当然相手に阻まれてしまうこともある。しっかり戦略を考えつつ、相手に合わせた戦術に修正していくことが必要になります。確かにビジネスに応用できるかもしれません」


相手を見ながら、無数にある手を読み、冷静に闘い続ける。棋士の生き方、そして闘い方は実は日々ビジネスパーソンが目指すべき働き方そのものなのかもしれない。


藤野英人/Hideto Fujino
早稲田大学法学部卒業後、国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任。2003年レオス・キャピタルワークス創業。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネージャーとして豊富なキャリアを持つ。投資信託「ひふみ」シリーズ最高投資責任者。


藤井聡太/Sota Fujii
2012年10歳で奨励会に入会、6級でデビュー。2016年に14歳、史上最年少で四段昇段後、29連勝し公式戦最多連勝の新記録を樹立。その後数々の最年少記録を塗り替え、現在段位は九段、在位中タイトルは竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、、棋聖。












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