わたしが所属する和太鼓チーム「北川村やまなみ太鼓」のレパートリーのひとつに『風花』(曲:山田瑞穂)という曲がある。言わずもがなのことかもしれないが、「かざはな」と読む。そのほとんどがオリジナル曲であるレパートリーのなかで、頻繁に演奏する曲のなかでは唯一、他人さまがつくったものだ。華やかな曲をつくるのが下手くそだという、考えようによっては致命的な欠陥を持つわたしにとって、重宝させてもらっている大切な曲である。
先月のある日、稽古のさなか、ふと思いついて「風花ってどういう意味か知ってる?」と、メンバーのひとりである国際交流員Michaにたずねてみた。案の定、知らないという。よし、じゃあオジさんが教えてあげようと身を乗り出す還暦過ぎの太鼓打ち。
「まず、粉雪が舞っているところをイメージしてみてくれるかい。
大量にではないよ、かすかに。
でもね、その場所では雪が降ってないわけ。
その雪は風に乗ってどこか別のところからやってきたものなんだ。
風に乗って花びらが舞う。
そんな雪のことを風花っていうんだ。」
全国こども電話相談室の無着成恭先生よろしく、やさしく意味を説き、ちょいと自慢げなオジさんに対し、メンバーのひとりのオバさんがひと言。
「え~?風花って桜の花が散ってる様子を言うんじゃないの??」
聴くなりとたんに脆くも自信がくずれ始めたオジさんは、小さな声でMichaに伝えた。
「人に言うときは、調べてからにしてね。」
風花(goo辞書より)
1晴天に、花びらが舞うようにちらつく雪。山岳地帯の雪が上層気流に乗って風下側に落ちてくるもの。
2初冬のころの晴れた日、風が吹き始める前などに、雨や雪がぱらぱらと降ること。
まったく、いつもどこでもエラそうなことを言いながら、肝心なところで自信を保ちつづけることができない気弱なオジさんをなぐさめるかのように、今度はアメリカ人がひと言。
「どっちにしても素敵。とても日本語らしい美しい日本語ですね。」
そうか、、、そうだよな、、、
美しい日本語をタイトルに持つ曲をあだやおろそかに演奏してはなりませぬぞ、、、
自分で自分にそう言い聞かせる、辺境の太鼓打ち。
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