答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

釜石の桜

2012年03月31日 | ちょっと考えたこと

              青木さん撮影

 

これほど「哀しい」桜を、私は見たことがない。

現実にこの場に存在していた人たちの気持ちはいかばかりか。

こんな美しい桜の下でガレキを処理する人。

それを写真におさめる人。

私の中の乏しい語彙からは、「哀しい」という言葉しか出てこないのである。

そんな中途半端なことなら載せるのをやめとけよ、と別の私が謗(そし)るのだが、

私は、Facebookで見かけたこの写真を、私に対する「贈与」だと思うことにした。

(いつもの勘違いである)

だから私は私のブログという別の場所で、別の人たちにこれを贈る。

それが「贈与」に対する「返礼」となるかどうかはわからないが、皆さんにもぜひ見てもらいたかったのである。

 

 

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ふと思ったこと

2012年03月30日 | ちょっと考えたこと

 

 

北川奈半利道路の高架下、県の資材置き場のアスファルト舗装を破って伸びてきた木。

「モネの庭をつくった男(のひとり)」を自称しているくせに、植物に関してはまるでど素人である私には、なんという名前の木なのかさっぱりわからないのだが、

そのたくましさに、思わずシャッターを押してしまった。

「かくあらねばならぬのだぞ」と、私に語りかけているような気がしたからである。

しかしこれ、この場所このシチュエーションでこそ輝くのであって、

ところを変えれば、まったく違う意味合いを持ってくる。

そして私もまた、「私の環境」とセットにしてはじめて私なのであって、

そこんところもまた、キチンと腹に入れておかねばと、改めて思う今日3月30日の金曜日。

来週から新しい年度なのだ。

 

私は私と私の環境である。そしてもしこの環境を救えないなら私も救えない。

                     (オルテガ・イ・ガセット)

 

 

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そのうち何とか

2012年03月29日 | ちょっと考えたこと

「宮内さんに悩みなんてあるんですか?呑んでも出さんじゃないですか」と言われる。

私のつながりにとって、かなり高いランクにある人である。

「皆んなでワイワイやりゆうときは、そりゃ言わんぜ」と私。

 

じつは、大震災の被災地のある写真を、皆さんに見ていただきたくて、撮影したかたにも了承を得て、

きのうのブログは、それにしようと決めていた。

もちろん、当事者でない私がアレやコレやと訳知り顔で語るつもりもなく、

その写真の持つ意味だけを知ってもらいたい、と思ったからである。

 

それが、である。夕方、書き始めたがどうもダメなのである。

一枚の写真に込められた様々な意味に対して、私が書く一つひとつの言葉のなんと軽いことか。

書けば書くほどヘタレな私が浮かび上がってくるだけなのだ。

そしてまたそれが、己の日常の悩みとリンクして、次第にそちらのウエイトが大きくなってきて、

今度はそっちへシフトチェンジしようとしたが、どうにもまとまらない。

 

「書くんならポジティブにだ」

「どうしてもポジティブになれないときはどうするんですか?」

「そんときゃ書くな」

 

何度も書いているように、桃知さんにもらったこの言葉が私のブログ作法である。

・・・ということで、書けなかった昨日。寝つけない夜。

ま、長いあいだやってりゃあそんなこともあるわなと、開き直る今日。

動いてりゃ「そのうち何とかなるだろう」(植木等)なのである。

ノウテンキに過ぎるかも知れないが、陰々滅々となるよりはるかにマシ。

花は紅、柳は緑。これでいいのだ。


 

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ふくいんげんしょう

2012年03月27日 | 土木の仕事

「幅員減少」と書いている工事看板を見て、ふと考えた。

「ふくいんげんしょう」である。

はて、幅員を「ふくいん」と読める人がどれだけいるのだろう。これを読めない土木屋は、ど素人とバカにされるのだろうが、一般の人は案外読めなかったりするんじゃないかいな、と考えた。

さらに車を走らせると、通行制限時間を記入した工事看板。内容と時間が羅列されている、どこにでもあるものだ(ウチのもそう)。

「これって、伝えようとしているのか?」という疑問。

「出してますもんね~」という、いわば「アリバイづくり」の範疇にとどまっている。

エラそうにそういう私は、「情報を発信せよ」などといいながらも、工事看板という情報は軽んじてきた。

「出しゃあええってもんやないやろ」

何度もそう言って技術屋さんに文句をつけたことはある。

しかし、それ以上のアプローチはしてこなかったのが事実である。

誰が対象なのか?何を伝えたいのか?

そこまで踏み込まなければいかんのではないか。

結局行き着く先は同じということであるな。

 

 

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人は変化するのが当たり前だということ

2012年03月26日 | 読む・聴く・観る

「アイツは変わらない(変われない)」

いいやそんなことはない、と私は思う。

仕事を覚えるということは、「自分を変えていく」ことである。

もっといえば、そもそも「育つとは変わること」(養老孟司)である。

だから、渡る世間を生きていくということは、変わる術(すべ)を見につけながら生きていくということである。

しかし現実には「変わらない(変われない)」人、あるいは「と思い込んでいる人」が多数存在する。

そんな人に対して私は、「自ら変わらなければならない」と、よく熱弁をふるったものだが、ある時から、「あんまりそれを言い過ぎるのもなんだかなあ」と感じるようになった。

「変われ」「変わろう」「変わるのだ」と、言われる方も辛いだろうにと思うようになったからである(だから少しはつつしんでいるつもり)。

「変わらない(変われない)」人が、「変わらない」を是としているのか、はたまた「変わる」を恐れているのか、どちらでも良くはないが、この際おいておく。

いずれにしても、人は「変わる」のが当たり前だというアプローチから入ると、もう少し楽に考えられるのかもしれないかなと、

『養老孟司の大言論1 希望とは自分が変わること』(集英社)を読みながら考えた。


システムの安定性としての個心は、あるともいえるし、ないともいえる。いまだにそれを「客観的」にいうことはできない。それなら経験的にいうしかないが、生まれてから死ぬまで、「同じ人」などということが、あるわけがない。だから林郁夫の例を挙げたのである。それを端的にいうなら、「人は変わる」のである。自分がどういう面で変わり、どういう面で「変わらない」か、それはわからない。歳をとっても、本当にはわからないのである。そこには「個性」があるかもしれないからである。

 私はそれを希望と呼ぶ。希望とは、世界が変わるのではない、自分が変わるのである。その希望を押し殺すのが、「変わらない私」、個心である。

(P.228)


養老孟司の大言論〈1〉希望とは自分が変わること (養老孟司の大言論 1)

新潮社 



 

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モネの庭から(その132)-2012春

2012年03月25日 | 北川村モネの庭マルモッタン

 

じつに今年はじめての「モネの庭から」である。

この間モネの庭を訪ねてなかったわけではない。

仕事ではちょくちょくオジャマさせてもらっていたのだが、

オフに行ったのは今日が久しぶりのこと。

その感想はといえば、

「ああ、やっぱりモネの庭はいい」でしかないのであるよ。

 

 

 

 

 

モネの庭の桜は次のウィークエンドあたりが見ごろ(たぶん)。

 

 

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ミンナニノンダクレトヨバレ

2012年03月24日 | 食う(もしくは)呑む

奈半利町米ヶ岡の現場へ行く途中。

道端にタラ芽を発見。

 

 

当地ではタラの芽とは呼ばず、タラ芽という。

そういえば昨夜、お城下の料理屋で食したかき揚げには、タラ芽がひっそりと入っていたなと思い起こす。

日が変わってもなお痛飲したあげく、ごめんなはり線で朝帰りした今日。

やっと酒が抜けたかなと、思う間もなく今夜も酒宴。

タラ芽の天ぷらを肴にひとり冷酒呑む春の宵、とはいかぬのである。

 

 

  雨ニモマケズ 

 

  風邪ニモマケズ 


  冷ニモ熱イ燗ニモマケヌ 


  丈夫ナカンゾウヲモチ 

 

  欲ノナスママ 


  決シテキラサズ 


  イツモシヅカニノンデヰル 


  一日ニ純米酒四合ト 


  豆腐ト少シノ漬物ヲタベ 


  アラユルサケヲ 


  ジブンノカンジョウノママニ


  ヨクノミテカタリ 


  ソシテワカレズ 


  駅裏ノ路地ノ場末ノ 

 

  小サナ軒ノ酒屋ニヰテ

 
  東ニ悪酔イノトモアレバ 


  行ツテ介抱シテヤリ 


  西ニヨッタオレタ女アレバ 


  行ツテソノ靴ナドヲ拾ヒ

 
  南ニ酔死シソウナ人アレバ 


  行ツテコノママネテオレバイヽトイヒ 


  北ニケンクワノヨッパライガアレバ 


  ツマラナイカラノモウヨトイヒ

 
  ヒデリノトキハビールヲナガシコミ

 
  サムサノナツニハヌルカンヲノミ

  
  ミンナニノンダクレトヨバレ

 
  ホメラレモセズ 


  クニモサレズ

 
  サウイフモノニ 


  ワタシハ

 
  ナリタイ


       『雨ニモマケズ望酒詩』淀風庵作

 

 

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わからないけどやる、わからないからやる

2012年03月23日 | ちょっと考えたこと(仕事編)

「自分の無能を認めて許せよ」(橋本治)。

そうしなければ、陰々滅々の悪循環に陥るばかりである。

出来もしない反省ほど、自分自身にとって無益なものはない。くよくよと反省ばかりしてしまいがちな私が言うのだから間違いがないのだ。

わからないものはわからない。いくらそれをわかろうとしても、そしてわかったうえで事を始めようとしても、どだいそれには無理がある。

私は、「わからないけどやる」「わからないからやる」を肝に命じている。

いつものように、私オリジナルの知見でも何でもない。模倣である。コピーである。いやコピーアンドペーストである。

 

 「わからない=恥」 ー誰もがこの日本人的な美意識に従ってしまうとどうなるか?「ぐずぐずしているだけでなにも始まらない」という、いたって日本人的な膠着状態が出現する。しかも日本人はずるいから、そのぐずぐずしているだけの自分達のていたらくを肯定するために、生贄さえをも選び出す。みんなが「わからないからやらない」という「恥」の美意識の中でぐずぐずしていると、ここに時として、「じゃ俺がやる」というおっちょこちょいが飛び出したりもする。これが生け贄である。

 「わからないからやらない」派は、自分達の保守的な美意識が正しいことを示さんがために、「やめておけ」などという消極的な制止の声を出すが、「わからないけどやる」のおっちょこちょいは、その声を聞かない。聞かぬまま、果たして失敗をしてしまうのである。その結果に対して、保守派の断定するところが、「ほーら、言ったじゃないか」とか「そーれ見ろ」であるのはもちろんである。

 かくして、「わからない=恥」を前提とする、「わからないからやらない」という日本人的な美意識は確固としてしまうのだが、この予定調和的な「なんにもしない状況」は、どのようにすれば打破できるのか?結局のところ、「バカと言われることを顧(かえり)みない度胸」だけが、二十世紀病に冒された日本社会の膠着を突破するのである。

(『「わからない」という方法』橋本治、集英社新書、P.26~27)

 

「バカと言われることを顧みない度胸」などど一口に言うが、なかなかおいそれとは身につかないことである。

(私のように「バカと言われることがイヤでたまらないが、結果的にバカと言われている小心者」は別として)

手始めに、「自分の無能を認めて許せよ」。

そして「わからないけど(から)やる」。

少しばかり覚悟がいるが、こいつなら出来るはずだ。

そして、「わからないけどやる」「わからないからやる」のその先で、あっちへこっちへ右往左往しながら、気がついてみたら何が何だかわからないうちに、それが己の成長に結びついていたり、思いもしなかった成果が上がっていたりする。

それでいい。私はそう思っている。

 

 

「わからない」という方法 (集英社新書)
橋本治
集英社

 

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リスタート

2012年03月22日 | ちょっと考えたこと(仕事編)

 

 

さて、もろもろの雑事からいっとき開放されそうな予感の今日、3月22日。私がまずしたことは、タスクの交通整理ボードの付箋のリニューアルだった。

さしあたって、「期限はないからおいおいお願いネ」と他所から頼まれていた様式づくりをかたづけることにしよう。今やっておかないと、またまた後回しにしそうだからである。

次に2011年度完成工事の分析をする。

その次は2012年度にどういう取り組みをしていくか、についてをまとめる。

最後のやつがメインであり、ここ何ヶ月かずっと考え続けてきたことである。

テーマは、「渋滞からいかにして脱け出すか」。

 

さて羽生善治が提示した高速道路論の難問とは、「素晴らしい高速道路はできたものの、高速道路を走り抜けた先には、「大渋滞」が待っているぞ、そんな時代に我々はどう生きればいいのか」であった。私なりに何年間か考え続けて出した結論は、次の通りである。

・・・大渋滞の存在にかかわらず、自分が好きなことについて目の前に高速道路が広がっているのだから、とにかく行けるところまで突っ走ってみよう。そして仮に大渋滞に差し掛かったら、その専門をさらに突き詰めて大渋滞を抜けようとするか(「高く険しい道」)、そこで高速道路を降りて、身につけた専門性を活かしつつも個としての総合力をもっと活かした柔軟な生き方をするか(道標もなく人道がついていない山中を行くという意味で「けものみち」と呼ぶ)、そのときに選べばいいじゃないか。

『ウェブ時代をゆく』(梅田望夫、P.101より)


我が社が少なからずとも高知県の公共土木の世界では、ここ数年先行者であったことだけは間違いがない。

そして今、走ってきたそのルートが先頭のほうで渋滞を起こし始めていること、その中でもどんどんと我が社の位置が下がってきていること、も間違いがない(というのが私の認識)。

先頭をきって走るつもりは毛頭ない。だが、渋滞から脱け出そうとするアクションを起こさなければ、惰性の中に埋没してしまう。

まずは、「渋滞のなかにある」のだという認識の共有から始めなければいけないのだが言うは易し。それがまた、なかなかの難問なのである。

「こんな簡単なことがなぜ認識できないの?」という問いは、認識できない人にとっては「簡単なこと」ではないから理解が出来ないのだ。

という前提に私が立って、高みから認識の共有を押し付けるということを止めること。これが肝要なのではないだろうか。

ではどういうふうにすれば良いのか?

何が良くて何が悪いのか。何が通用して何が通用しないのか。変えなくていいのが何で、変えなくてはならないのは何か。

そこから再スタートかなとは思うものの、それもまた、言うは易く行うは難し。

すると、「あ~、だからどうなのよ」と別の私がツッコミを入れるのだが、こんなこと今に始まったことでもない。

「わからないからやる」「わからないけどやる」が、いつもの私のやり方だもの。



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春によし

2012年03月21日 | 食う(もしくは)呑む

今日は完成検査が2件。我が社にとっては、本年度の最終である。

おりしも高知市では、全国のトップをきってソメイヨシノが開花したという。

その昔、私が専属の現場を持っていたころは、年度末の春は、自然と笑みがこぼれてくるようなイイ季節だった。 

当地ではちょうど桜が咲きかける時季だということも相まって、ウキウキとした気分にさせてくれたのだろう。

今の私はといえば、年がら年中のべつまくなく忙しいやら暇なやら、どうにも良く判別がつきかねるほどにごちゃまぜな乱戦模様の中を生きているのであって、

ことさら春だけが良いわけでもないのだが、習い性というのだろうか、春はやはり春、年度末はやはり年度末である。

とはいっても私の場合、とどのつまりはこういうことかもしれないが。

 

春によし 夏はなほよし 冬もよし 秋ことさらに酒こそよけれ

                      (住江金之) 


おあとがよろしいようで・・・・・・。



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