日本の生殖医療を世界レベルに!

男性不妊症専門医が学術活動ならびに雑感を徒然と綴ります。

第57回日本生殖医学会@長崎

2012-11-10 21:48:41 | 日記
人生初めての長崎に行ってまいりました。
学会の内容は残念ながらもうひとつで、特に新たな知見はなかったように思います。

特にシンポジウムがどうしても普段あまり臨床をやっておられない先生が多く、自分のデータが非常に少なく、論文のreviewに終始している印象でした。日本の学会はどうしてもこういう傾向があり、昼間よりも、夜の懇親会の方が学術的に盛り上がるという、おかしな傾向があります。
その中でも特筆すべき点は一般演題の発表でした。私が豪州で研究してきたimmotile cilia syndrome精子無力症に関しての一例報告です。
富山の施設で、(こんな言い方をしては失礼ですが、、)ほとんどはじめて経験したであろう症例に対し、エビデンスを基に非常に見事に治療されており、妊娠に至っているケースレポートでした。
その発表は見事にまとめられており、質問に対しても非常に理路整然と答えられていました。
私も一言コメントをさせていただきましたが、こういう演題は本当にうれしくなります。
困難症例を妊娠に持っていくには、情報と知識と経験をすべて集結させて、さらに全力でやらないといけません。
たとえ、症例数が少ない地方でも、このような素晴らしい結果が得られているのには本当に頭が下がります。
いろんなことがあった学会ですが(テレビで見られてご存知の方もおられるでしょうが、、)、私の一番印象に残ったのはこのケースレポートでした。