諏訪マタニティークリニックの根津先生が受精着床学会で発表される演題が話題になってます。この報道を聞いた当事者、そして当事者以外の方はどのように感じられたか知る術もありませんが、絶対に忘れてもらって困るのは、義理の父から精子提供を受けての治療を行うまでには計り知れない苦悩と葛藤があるということです。ただ単に興味本意でとらえてほしくないという思いは強いですが、多くの人にすべてを理解してもらうのは大変難しいでしょう。しかしながら、無精子症と診断され、確率が低いがこれしか手段がないと選択肢をつきつけられ、一縷の望みをかけて、治療に挑んだものの、希望叶わず、現実を理解した上で、ご夫婦そして家族皆で悩みつくした上での選択なのです。簡単にとらえてもらっては困るし、軽薄な言葉で侮辱されるのもどうかと思います。
男性不妊治療が最近メディアに取り上げられることも増えました。テレビや雑誌では成功例ばかりを取り上げます。絶望の中にかすかな希望が見えるという意味では、悪いことばかりとは思いませんが、実際は成功しない症例のほうが遥かに多く、その術前後には一人一人全く異なったドラマがあります。私は術者の立場でしかご夫婦に関わっていませんが、少しでもつながりがある人間として、今回の発表に大きな違和感を感じています。産まれてくる子供の福祉が最優先されるのは当然のこととして、当事者の苦悩がないがしろにされているような気がして、とても残念な思いです。この世の中は他人にはわからない(理解してもらえない)悩みをかかえている人ばかりだと思います。思いやり、そして多様性を認める社会であって欲しいと切に願います。雑感でした。
男性不妊治療が最近メディアに取り上げられることも増えました。テレビや雑誌では成功例ばかりを取り上げます。絶望の中にかすかな希望が見えるという意味では、悪いことばかりとは思いませんが、実際は成功しない症例のほうが遥かに多く、その術前後には一人一人全く異なったドラマがあります。私は術者の立場でしかご夫婦に関わっていませんが、少しでもつながりがある人間として、今回の発表に大きな違和感を感じています。産まれてくる子供の福祉が最優先されるのは当然のこととして、当事者の苦悩がないがしろにされているような気がして、とても残念な思いです。この世の中は他人にはわからない(理解してもらえない)悩みをかかえている人ばかりだと思います。思いやり、そして多様性を認める社会であって欲しいと切に願います。雑感でした。