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忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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そんなに声優が嫌なのか

2005年05月13日 | 業界四方山話
「声優は色が付き過ぎていて使い辛い」

と言ったのは宮崎駿であるが、
最近はゲーム業界でもこの動きが活発だ。
特に顕著なのがスクウェア・エニックスであろうか。
6月16日発売の「DRAG ON DRAGOON2」も
8月4日に発売の決定した「グランディア3」も
基本的に声優は起用しないという。
(18日、公式サイトにて声優も起用するとのコメントあり)
理由はというと、
やはり「声優は色が付き過ぎていて使い辛い」かららしい。

果たして本当にそれだけなのであろうか?
「声優を使わない=非マニア向け=大作(感)」
という流れなだけという気がする。

最近の声優が女子アナ化している
(本業とは別の部分での需要が高い)のは私も常々感じている。
グラビアに出たりDVDを出したりする声優と、それを支持する人間の増加が
声優の一億総「放課後のクラブ活動」的素人臭さを
増長しているのは確かだが、
だからといって世間の声優全てがそうであるとも思わない。
そもそも、「色が付いている」のは声優だけではあるまい。
このところジブリ作品に連続して出演している我修院達也などは、
声を聞いただけであの繋がった眉が浮かぶのは私だけか。

昔、TVで放送された「タイタニック」の吹き替えで
レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットを
妻夫木聡と竹内結子が演じたことがあったが、
あまりの下手さにタイタニック号が沈むより先に私が溺れそうになった。
キャシー・ベイツの小林幸子が上手く聞こえたぐらいだ。
これは、妻夫木と竹内の演技力以前に、
声優業に合っていなかったという事の方が大きいように思う。

結局、声優にしろ俳優にしろ選び方なのだ。
適材適所でなければ単なるギャラの無駄遣いになりかねない。
「グランディア3」などは
キャラクターのグラフィックや世界観などから察するに
「豪華声優陣」を謳ってその筋の方々にPRした方が
売れるタイプのソフトではないかと思うのだが・・・

【5月19日追記】

コメント欄にて指摘があったので追加を。
ゲームアーツのサイトにて
本件についてのコメントが発表されたようだ。
詳しくはリンク先のコメントを読んでいただくとして、
「声優『も』起用している」と書かれておるので
本記事アップ直後の「一切起用しない」という
表現方法が誤りであることは間違いなく、
多くの方に誤解を与えてしまったことをお詫び申し上げる。

記事ごと削除すべきかとも考えたのだが、
今回の内容はあくまでも「声優ではなく俳優を起用する意図」
についてのものであり、「グランディア3」は
近々発売になるソフトの中で
サンプルケースとして挙げただけなので
問題箇所の修正という形にとどめさせていただいた。
コメント (60)
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任天堂は宇多田ヒカルとの契約を終了してはどうか

2005年05月07日 | 業界四方山話
本当は「今週のまとめ」に入れるつもりだったのだが
混ぜ込むには少し長文のため
こちらでも単独記事として掲載することにした。

宇多田ヒカルからのメッセージより。

私は彼女が日本で売れ始めた頃から
粗雑な話し方や目上の人間に対する
ぞんざいな態度が気になって仕方がなかったのだが、
まぁそんなことは本業(歌)とは関係のないこととして
CDも何枚かは所有する程度に彼女の紡ぐ楽曲のファンでもあった。

が、

今回ばかりは軽率にも程があると思う。
コメントを求めたMTVのスタッフはただの無知としても、
安請け合いをしてカメラに向かってコメントを放つ
宇多田の非常識は
「ごめんなさい、、、ひー!」で許される次元の話ではない。
アメリカナイズという名の彼女の数々の無作法は
「まぁ日本で育ってないから」
「でも売れてるから」という2点の理由で
見て見ぬ振りをされてきたのだと思うが、今回はCM契約である。
DSの広告塔として相当な金が動いているはずなのだ。

その昔、焼き肉のタレのCMに出ていた女優が
菜食主義者であることをバラエティ番組で告白した途端に
CMを降ろされたということがあった。
「タレ自体は美味しいから焼き野菜に付けて食べてますけどね」
というフォローを入れたにも関わらず、である。
これは極端な例だと思うが、
広告業界における企業とタレントの関係は
だいたいこういう形であろうと思われる。
商品(企業)のイメージを背負うというのは
簡単なことではないのだ。

これが「以前契約していた」というだけで
現在は契約が切れているならどうでもいい話なのだが、
宇多田の出演している「nintendogs」のCMは
まさに今、大量オンエア中である。
今回の宇多田のとった行動は、
コカ・コーラの新商品の発表会に
ペプシマンが花束を持って現れたようなものだ。

契約時からは想像もつかないほどに
太った現在の体型だけでも充分契約違反モノだが、
挙げ句の果てに競合他社商品の発表会に登場では
任天堂も正直やってられまいな。

猿回しの猿にすら成り切れないなら
いっそ野(国外)に放て、人里(国内)に近づけるな。

*念のために断っておくが、
 宇多田が元々ソニー陣営のCMに出ていたとしても
 私の感想は同じだ。
コメント (86)
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ナムコ・クロス・バンダイ

2005年05月02日 | 業界四方山話
出張所でも取り上げたのだが、
やはりそれなりのビッグニュースなのでこちらでも取り上げてみる。

*以下出張所からの転載。

バンダイとナムコが経営統合(日経新聞)

セガとの婚約解消以降、それなりに勢いを取り戻し、
もう嫁取りは不要かと思われたバンダイと、
長年友人関係にあったセガに告白するもフラれてしまったナムコ。
脛に傷持つ者同士というイメージがあるせいか、
思ったより意外性の低いカップルである。
同じ男を奪い合った女同士が酒場で男の悪口を言い合っている間に
意気投合してしまったような印象を受ける。
「一年戦争」の大ヒットを見届けてから、
という絶好のタイミングを想定してのこの時期の発表かと思うが、
「一年戦争」がこの有り様ではあまり景気付けにならないのが残念なところだ。

アルゼ×SNKやセガ×サミーのように、
どちらがどちらを呑み込んだかが明らかな形ではないので、
パターンで言えばスクウェア×エニックスに近いのかも知れない。
「セガだけは嫌だ」と明言していたバンダイ社員達が
何故ナムコならOKなのかについては
やはり「合併ではなく統合だから」であろうか。

小学生でもわかる合併と統合の違いはこちら

*転載終了。

きっかけは「ガンダム」(毎日新聞)

この記事が載った同じ2日の毎日新聞で

ジョイポリス転落死事故で立ち入り検査

が最新記事として並んでいるのは何とも皮肉な話だ。

私が引っかかったのは、上の記事にある

>しかし、統合の“象徴”となったガンダムゲームも手放しで喜べない状況だ。
>ゲーム雑誌の評価では高得点がつくなど出来はよいものの、
>発売1カ月もたたないうちに半額に値崩れを起こしており、
>小売店が悲鳴を上げている。
>「年末のドラクエ8のもうけを全部吐き出した。
> 今後のゲームソフトの売り上げにも影響するかもしれない」(関係者)と、
>コンテンツビジネスの舵取りの難しさを指摘する声もある。

という部分だ。
多数の品余りが引き起こした値崩れであることは事実だが、
「ドラクエ8」の儲けを全部吐き出すほどとなれば
確実に仕入れた方も悪いだろう。
読め無さ過ぎである。

さぁ、あとはカプコンである。
誰かおらんか。



追記。

ダメだ、書かずにいられない。

出張所で書いていた時の
最初のタイトルは
「新社名はナンダイか、バムコか」だったのだが、
さすがにフザけ過ぎかと思い変更したところ、
さいばーぷらねっと(オープンβ2)様のブログ
(いつもTB感謝)
でも「バンナム」などと書かれていた。
考えることは皆同じである。

それだけなのだが。
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パクるならもう少し頭を使ってパクれ

2005年04月22日 | 業界四方山話
私はキャラゲーやギャルゲーを十把一絡げにして
「丸ごとダメ」と断ずるほど乱暴な人間ではないのだが、
最近のギャルゲーの大半はキャラクターデザインを誰にするかと
初回特典を何にするかにしか頭が働いていないように「見える」。

「ときめきメモリアル」や「サクラ大戦」が売れて
コンシューマー市場にギャルゲーブームが押し寄せてきた時、
もっと真面目にゲーム性について考えた後続のソフトが出ていれば
限定1万本生産を謳ったソフトが余って値崩れなどという
現在のような悲惨な状況にはならなかったはずなのだ。
一部では年齢制限による表現の規制が原因ではないかと言われているが、
「ときメモ」や「サクラ」がそこ(アダルト表現)を理由にして
売れたソフトでないことを考えれば、理由は別にあると思う。

何故私が今回の記事を書く気になったかと言うと、
6月にPS2で発売予定の「フタコイ オルタナティブ」というソフトを
見る機会があったからである。
登場するキャラクターが双子ばかりという設定は別に構わない。
サブタイトルと主題歌が大問題なのだ。
このソフトのサブタイトルは「恋と少女とマシンガン」となっており、
主題歌はフレンチポップを意識した、
懐かしの「シブヤ系」に仕上げられている。

「恋と少女とマシンガン」
「シブヤ系」

と聞いてピンと来る方がどれぐらいいるか分からないが、
私はすぐにピンと来た。
これはフリッパーズギターのあからさまなパクりである。
まさかと思われる方はここのページの3曲目にある
「恋とマシンガン」を視聴してみるといい(無料)。
メロディラインもアレンジもかなり似ている。
いや、似ていると言ってもレベルは遠く及ばないが。
とにかく、小山田圭吾に見つかったら
マシンガンで蜂の巣にされること確実の出来の悪いパクりだ。
現時点ではまだこの主題歌は一般公開されていないので、
公開されたら存分に驚いて欲しい。

フリッパーズギターの片割れであるオザケンこと小沢健二も
ソロになってから「あれは●●のパクりだ」とよく言われたものだが、
当時の雑誌のインタビューで

「確かに擦り切れるほど聞いたレコードの影響を
 受けた曲も中にはあると思うが、
 1曲まるごとパクるような真似はしてないし、
 そこに自分なりの味は付け加えているつもり。
 例えば『●●からのパクりだろ』と突っ込む人に
 『じゃあアンタ同じパクり方出来んのかよ』って言えば
 絶対に出来ないはずだ」
(一言一句同じではないが多分こんな感じだった)

と答えていた。
私がパクりかオマージュかを区別する時の決め手もまさにこれである。
そこに制作者なりの味や元ネタに対する愛情が見えていれば、
パクるという行為自体はさほど責められることではない。
「学ぶ」という文字は、昔は「まねぶ」と読んだぐらいだ。
しかし、自分の頭を一切使うことなく、
ただ手っ取り早いからという理由で「持ってきただけ」のパクりは
許されることではないと思う。
「フタコイ」におけるタイトル付けと主題歌は間違いなく後者だ。
「フタコイ」の主題歌の「作曲者」として
どのような名前がクレジットされるのか知らないが、
「ギャルゲー好きなオタクがフリッパーズなど知っているはずがない」
という思惑がそこに無かったか、是非聞いてみたい。

ちなみに、5月にはアイディアファクトリーから
「破滅のマルス」というギャルゲーが出る。
小説や映画に詳しい方なら、
ものの2秒で「破線のマリス」からパクったことに気づくだろう。
このタイミングでこのタイトル、まさか偶然ではあるまい。
「フタコイ」も「破滅のマルス」も限定版が出るのだが、
(「フタコイ」は9800円、「破滅のマルス」は8800円)
設定資料集だのアニラジCDだの特製BOX仕様だのと、
どちらも気合いの入った豪華な特典が予定されている。

ここで、今回の記事を最初から4行だけ読み返して欲しい。

ほらみろ、やっぱりだ。
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「腐っても鯛」より「活きの良い稚魚」

2005年04月14日 | 業界四方山話
ソニー陣営に先行したい気持ちは分からないでもないが、
次世代Xboxについてのマイクロソフトの発表が
今ひとつ的を外しているような気がするのは私だけであろうか。
参入メーカーを大々的に発表したと言っても、
主要どころに目をやれば

バンダイ
カプコン
アイドス・インタラクティブ
エレクトロニック・アーツ
フロム・ソフトウェア
コーエー
コナミ
ナムコ
セガ オブ アメリカ
テクモ

と、よくよく見てみれば現行のXboxにも
ソフトを投入しているメーカーばかりだ。
「どこが伸びるか分からないから一応乗っておこう」
というメーカーが早々と名乗りを上げただけではないか。
この中でどれだけのメーカーが
Xboxを本気で一番手に押し上げる心意気を持っているのかは疑問だ。

マイクロソフトが次世代こそ日本市場での成功をと
色々と画策していることは分かるのだが、
引っ張ってきたのがミストウォーカーの坂口氏、
キューエンタテイメントの水口氏、
ゲームリパブリックの岡本氏と聞いた私の第一印象は、

「松阪牛・・・のスジ肉」
「名古屋コーチン・・・の皮」
「薩摩の黒豚・・・の豚足」

という感じだった。
もちろんどれも美味しい。
工夫次第では究極のメニューにも成り得る食材だ。
しかし、やはり第一線を張るメイン食材にはならないと思う。
私のように焼き肉屋に行っても内蔵ばかり食っている人間には
そそられる食材ではあるのだが、
大半の人は焼き肉屋にカルビやロースを食いに来ているはずなのだ。

鴨などは、して1週間ほど経過し、
目から蛆が湧いてきた頃が食べ頃だと聞いたことがある。
「肉は腐りかけが一番美味い」というのは事実だ。
しかし、腐りかけの肉を店先にぶら下げても、
見た目だけで判断する客(ライトユーザー)は寄り付かないのではないか。
このお三方の名前に引き寄せられるようなコアユーザーでは
次世代Xboxを成功には導けないと思うのだが。

「腐っても鯛」を有り難がるのではなく、
「活きの良い稚魚」を見つけ出すことに目を向けてみてはどうか。
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廉価版と値崩れはどこが違うのか

2005年03月21日 | 業界四方山話
コナミが突出しているのでコナミばかりが叩かれてはいるが、
ここ数年、いわゆる廉価版のリリースが活発になっている。
発売当初は6800円だったものが
半年もせずに2800円、下手すれば1800円になるのだから、
ショップ関連のサイトで叩かれるのも無理はなかろう。

が、天の邪鬼な私としては
ここで少しメーカーの肩を持ってみたい。
廉価版を明確にブランドとして位置づけたのはSCEである。
「Playstation The Best」と題して
売り上げの好調なタイトルを選んで低価格で再リリースし、
さらなる拡販を狙うというのは素晴らしい発想だったと思う。
「みんなのGOLF」や「ぼくのなつやすみ」
「ことばのパズル もじぴったん」など、廉価版の販売数が
通常版に迫る(もしくは超える)成績を残す物も出た。

しかし、数年前からあからさまに在庫処分と思われる、
セールス的に苦戦したタイトルがラインナップに上るようになってきた。
売れなければ早めに見切るという、
ショップが行ってきた販売方式をメーカーが行うようになってきたのだ。

コナミの廉価版のリリースは確かに早くなってきている。
それは私も感じてはいるが、その事を指摘(非難)して良いのは
正規の料金で新品を購入したユーザーと、
中古ソフトを一切扱っていないショップのみだと思う。
メーカーが廉価版のリリースを早めるのは、
市場の中古価格より下回る価格でなければ意味がないからではないか。
中古訴訟に破れたメーカーが、相場以下の価格で
新品を再投入するのは自衛手段としては妥当な戦略だ。
中古販売を止めてくれと頼んでも「合法」を盾に押し切るというなら、
廉価版発売も立派に「合法」である。何の問題もない。

ショップの人間からは
「正規料金で買ったお客様に申し訳ない」という声も出ているが、
それはどう考えても御為倒しであろう。
廉価版のリリースが早まることがお客様に申し訳ないなら、
発売から3ヶ月も待たずに半値に下がる商品についてはどうだというのか。
申し訳なくはないのか。
値崩れした商品も廉価版も、客からすれば同じである。
(廉価版を嫌うユーザーもいるにはいるが少数だ)
安い方が良いに越した事はない。
発売から3ヶ月で1800円で再リリースされる「コントラ」と
発売から3ヶ月で2000円台まで値崩れした「テイルズ・オブ・リバース」、
しかし叩かれるのは「コントラ」のみ。
新品の薄利を利益率の高い中古で補っているショップからすれば、
中古の利益すら奪いかねない価格設定での廉価版のリリースに
腹を立てる気持ちも分からないではないが、
ならば中古市場がメーカーの利益を損なっていることにも
目を向けるべきだろう。
(中古を止めろと言っているわけではない。念のため)
廉価版による金額調整ぐらい、
痛み分けとして受け入れても良いではないか。

正規の料金で購入したユーザーについては、
御愁傷様としか言い様がない。
私も同じ経験は何度もあるし、確かに悔しい。
iPodの5Gが5万したのもそんなに昔の話ではないし、
我が家のHDDレコーダーも、購入時の金額をかければ
今ならHDDの容量を倍にしてもお釣りが来る。
しかし、AV機器にしろDVDにしろゲームにしろ、
結局は買った時はその値段で構わないと思って購入したのだからと
自分に言い聞かせて諦めるしかないと思う。

いや、諦めきれないことがあるのは承知の上だ。
事実私も、、、う。
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拡がる市場規模、狭まる選択肢

2005年03月17日 | 業界四方山話
「パックピクス」28,000本
「メテオス」20,000本
「千年家族」15,000本

どれもネット上ではそれなりに話題になったソフトだが、
発売初週の売り上げはこの程度だ。
この結果を意外に思う方も多いかも知れないが、
BLOGやHPでは熱烈な支持を受けるタイトルほど、
表社会では案外売れていないものなのだ。

20万本近くの発注が集まったと言われている
「パックピクス」はかなり苦戦していると言えよう。
同じく初週は勢いのなかった「キャッチ!タッチ!ヨッシー!」は
任天堂らしい粘り腰で14万本まで累計を伸ばしているが、
「パックピクス」が同じ道を辿るかは微妙だ。
(3月18日の時点で3000円を切る特価案内が出始めている)

「千年家族」にしても、
出荷数はさほど多くないので値崩れはなさそうだが
もしこれが他のメーカーからの発売であれば
1万本はおろか、2,000本ぐらいであった可能性も高い。

「メテオス」も受注は5万本ほど集まったそうなので、
数字からして全国的な消化率はさほど高くなさそうだ。
ネット上でゲームを題材にしてBLOGなりHPなりを運営しているのは、
私も含めて「かなりの好き者」であり、
そこを訪れる方々も「ちょっと好き者」(失礼)だ。
当BLOGで「少し敷居が高い」と書いた時に
「それほどでもない」と書かれた方々は、
既に各地の体験会に足を運ばれたか、
店頭にDSを持っていきダウンロードした
「ちょっと好き者」な方々なわけで、
そういった方々にとっては大した壁でなくても、
『パズルと言えば「ぷよぷよ」』というライトユーザーには、
やはり敷居が高いと思う。
私は、良いパズルゲームの基本は

『10秒以内にルールの説明が出来て、
 その説明だけでプレイしても1分もあればコツを掴んでハマれるゲーム』

だと思っている。
「テトリス」「ぷよぷよ」は言うに及ばず、最近で言えば「Mr.ドリラー」や
(バランスに難はあったが)「直感ヒトフデ」などもこれに当てはまるだろう。
「メテオス」の面白さは遊び込んだ先に見えてくるものが多く、確かにハマる。
実際、私も今猿状態でプレイしている。
ただ、「好き者」が喜ぶバランス取りというのは、
やはり一般には広く受け入れられにくいものなのだ。

これらの新規タイトルの合計販売数は6万本強、
今週最も売れた「真・三國無双4」は2週目ながら7万本、
PSPの移植タイトルがどれもそれなりの結果を残している状況からしても、
ゲームはもう想い出の反芻だけで充分、
というユーザーが増えているのかも知れない。
任天堂がDSで新たな層を開拓しようと模索しているのも、
業界に漂う行き詰まり感を強く感じているからであろう。

拡がりゆく市場規模に反比例するように狭まりゆく選択肢。
そこを打開していくのは容易いことではなかろう。
しかし、それでも、無責任なジジィゲーマーは
新たなヒーローの出現を待っているのだ。
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UMDで映画を観る日・後編

2005年03月10日 | 業界四方山話

■UMD:「バイオハザード II アポカリプス」


先日、実際に画面を見る機会があったのだが、
予想以上に綺麗で正直驚いた。
ポータブルDVDプレーヤーなどと比べても全く遜色はなく、
懸念材料であった字幕もとても読み易かった。
迫力の無さも吹き飛ぶほどの美しさに心が揺さぶられたのだが、
ではPSPを使って映画を観るとして、
それはいつ・どこで・どのようにしてかを考えてみると、

「通勤(通学)時に・車内で・ヘッドホンつけて」

・・・ぐらいしか思い浮かばない。
移動中に映画を1本観終えることが出来る人は少なかろうし、
家で観るならDVDで観れば良い。
話のタネとして1本ぐらい持っていても良いが、
「PSPで映画を観る」というのが新たな映画の楽しみ方として
定着していくのかと言われると、
懐疑的にならざるを得ないのが率直なところだ。

色々と話を聞いていて最も気になったのが容量だ。
UMDはDVDよりも容量が小さいため、
2時間を少し超えるぐらいまでの映画なら
音声も字幕もバイリンガルで収録されるが、
2時間半を超えるとキツいらしい。
「『ロード・オブ・ザ・リング』なんかは無理です」とのこと。
2時間半近くの作品の場合は、英語音声・日本語字幕の固定にして、
英語字幕や日本語音声を削るなどしてしのぐしかないようだ。
特典映像なども容量的に難しいものは収録されないらしい。
現在のDVD市場は、廉価版のリリースサイクルが
ゲーム以上に早くなっており、発売から3ヶ月程度で
「1枚買ってもう1枚プレゼント」などの対象になるケースが続出している。
その際、早期に購入したファンを考慮して
特典映像などは収録されないことが多いのだが、
UMDは価格だけDVDの初回版と同じで、
内容的には廉価版に近い物が続出することになる。
特典映像のボリュームで購入の優先順位を決める
貧乏性な私にとってこれはかなり痛い。

ソニーピクチャーズの営業はしきりに「手軽に楽しめます」と
アピールしていたが、DVDに比べデメリットの多いUMDに
敢えて手を出させるには、最初から廉価版並みの価格設定にするか、
レンタルに対応するかしかないと思う。
レンタルに関しての打診は既にあるらしいが、
現状導入する予定はなく、あくまでもセルオンリーで行くらしい。
もったいない話だ。
コレクター的な欲求が満たされないUMDには
レンタルのような「使い捨て感覚」が最も相性が良いと思うのだが。
このままでは、セルMDと同じ道を辿るような気がする。

*これらの意見は全て「映画」に限定されたものであり、
 映像作品全てについてのものではない。
 ミュージッククリップなどは方向としてアリだと思うし、
 録画したTV番組の持ち運び等には適していると思う。
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UMDで映画を観る日・前編

2005年03月09日 | 業界四方山話

■UMD:「スパイダーマン2」


PSPが発売されて3ヶ月、ようやく映像ソフトが動き始めた。
4月13日に同時発売となる「スパイダーマン2」「バイオハザード2」
「ヘルボーイ」(いずれもソニーピクチャーズ)を皮切りに、
(カプコンからも「バイオハザード」が発売予定)
今後参入各社のラインナップがリリースされていく予定だ。

SCEが発表した参入メーカーは以下の通り。

アクアプラス
アスミック・エース エンタテインメント
アニプレックス
エンターブレイン
カプコン
コーエー
サイデラ・パラディソ
JSDSS(ジーダス)
GDH
小学館プロダクション
スクウェア・エニックス
スパイク
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ソニー・ミュージックエンタテインメント
デジタル・メディア・ラボ
東北新社
凸版印刷
トミー
日活
ハドソン
ハピネット
バンダイ
バンダイビジュアル
ポニーキャニオン
マーベラスエンターテイメント
メディアワークス

上記の中で劇場で名前を見かけるのは
アスミック・エース、東北新社、日活、ハピネットぐらいであろうか。
基本的には単館でよく見かける名前ばかりで、
いわゆる大手はまだ参入していない。
(映画の出来・不出来とは全く別の話)
ちなみに、日活と聞いてロマンポルノを思い浮かべる人もまだ多いかと思うが、
現在はシネ・リーブル系列として単館好きには知られている。
ゲームメーカーが多いのは、
SCEと歩調をあわせておく、という意味もあるのだろう。

私は月のDVD購入本数がゲームより多いのだが、
PSPを使って映画を観ようと思ったことは一度もない。
これはPSPが性能的にどうだというわけではなく、
大画面で楽しみたいからこそ劇場に足を運ぶというのに、
掌サイズなどで映画を観れるか、という気持ちからだ。
今回リリースされる「スパイダーマン2」などはその典型だろう。
同時リリースするのが全てアクション映画というのは
ソニーピクチャーズの映画にその手のジャンルが多いことや
PSPのユーザー層を考えてのことだと思うが、
3タイトルしかリリースしないのなら
「シークレットウインドウ」(DVDは4月22日発売)あたりの
違うジャンルを1本ぐらい混ぜても良かったと思う。

少し長くなったので続きは次回。
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久多良木、墜つ

2005年03月07日 | 業界四方山話

かなり多方面で取り上げられているが、
気になったニュースをふたつほどピックアップしてみよう。

<以下は引用>

新体制で“エレクトロニクスのソニー”復権へ(ITメディア)

中鉢次期社長については
「エレクトロニクスをずっとやってきた純粋なエンジニア」(出井会長)とコメント。
下馬評が高かった久夛良木健副社長兼COOではなく、
中鉢副社長を選んだ理由は「2人の比較はできない」とした上で

「ソニーは、さまざまな人の意見をまとめるのが大変な会社。
 中鉢氏はいろいろな人の意見をよく聞くグッドリスナーだ。
 若い人たちの意見を集約し、モチベーションを高める役割に向いている」


と話した。
久夛良木副社長は4月1日付けで取締役を退任し、グループ役員に就任する。

“プレステ”久多良木副社長「降格」に衝撃 後継の目も消え(ZAKZAK)

ゲーム機とDVDレコーダーを融合した「PSX」の不振や、
「社内に敵も少なくなく、やや人望に欠ける面もある」(関係者)
などのネガティブな評価はあったが、本命の地位は揺るがないとみられていた。

ところが、今回の人事で残されたのは古巣のゲームビジネスグループ担当のみ。
本体の取締役も退き、「グループ役員」というあいまいな肩書が残ることになる。

「新会長のストリンガー氏を除く社内取締役は総退陣となる状況で、
 業績不振の元凶であるエレクトロニクス部門を担当していた
 久多良木氏の責任も免れられなかったのだろう」(ITジャーナリスト)

「新経営陣で業績回復できず、なおかつ次期プレステが大ヒットすれば、
 再び久多良木氏が脚光を浴びる可能性も残されている」との声もある。

<引用はここまで>

太字にした出井会長のコメントを裏読みすれば、
中鉢氏の「いろいろな人の意見を聞く」という部分が
久多良木氏には欠けていた、ということなのだろう。
ユーザーやショップの声に少しでも耳を傾けていれば、
こんな発言は出てこなかったはずだ。
今回の人事がSCEにどのような変化をもたらすのかはまだ分からないが、
「不良」を「仕様」で押し切るような、
ユーザー軽視の体制が改まることを切に祈る。

SONY社内にもまだ自浄能力が残っていたことが分かり、
私としては嬉しいニュースであった。
PS初期のような、アグレッシブなSCEにもう一度会いたい。
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