団地小説短編集を歩く

団地小説短編集の舞台を歩きながら団地や地域の魅力をお伝えします。

小説多聞小唄 3 新多聞団地春爛漫 集約型団地再生事業へ(人口減少社会の到来)

2018-04-13 06:00:03 | 日記
       小説多聞小唄 1 吉祥山多聞寺 観華會(お花見)法要(2017.5.26)

       小説多聞小唄 2 多聞六神社(最強御利益セット 多聞八神社?)秋祭り(2017.10.27)


       に続いて3回目にして新多聞団地の登場です。

  総戸数2904戸、現存する兵庫県下の都市機構の団地では武庫川団地総戸数5643戸に次ぐ二番に大きな団地です。大き

 すぎますのでまず地図でご覧下さい。小説多聞小唄 2 多聞六神社から見えた254号棟14階建は「現在地」の少し北になり

 ますが今回は出て来ません。

       

  看板に収めるために少々変形していますが、左が100号棟台の住区、中央部が200号棟台のセンター地区と400号棟台

 の住区、右が500号棟台の住区となります。地図よりも南北方向にに起こした感じの団地です。

      100番台の住区        

       

  春のこの眺めを思えば毎日の階段の上り下りは苦になりません。上階に行くほど素晴らしい眺めです。

   

  桜並木を歩いて行くと‥‥

   

  写真 左 公園に着きます。

  写真 右 学が丘1丁目からの緑道の歩道橋の突き当たりも桜で演出がされています。

       400番台の住区         

  400号棟台の住区は南北に桜並木が縦断しています。東西方向にも枝分かれしていますが、今回は紹介出来ませんでした。

   

  最初の地図にあります南北の遊歩道です。南から進みます。   

   

  上からも写しました。緩やかな登り道をドンドン進んでもうすぐ頂上です。

       

  頂上は給水塔があって公園になっています。水道の水圧が上がったので五階建の中層団地は全て水道管から直接給水している

 ので今は給水塔は使われていません。現在は休水塔です。

   

  道は下りになります。鉄柵で囲まれた小さなプールのような物は何でしょうか。

  全く見た通りの子供プールです。新多聞団地・落合団地・ひよどり台団地・鈴蘭台第五団地・花山東団地・志染団地に作られ

 無料で利用できましたが、今は全て使われていません。少子化の影響もありますが、衛生上100パーセントの安全が確保でき

 ないからだそうです。プール熱などが原因でしょうか。関東では川口芝園団地の「じゃぶじゃぶ池」が人気と動画で見ましたが

 「プール」は管理責任が問われますが「池」で遊ぶのは自己責任(親の責任で)と言うことでしょうか。とすれば「子供プー

 ル」改め、「カッパ池」「アメンボ池」などいろいろ考えられますね。

   

  公園が見えてきたらこの先で終点です。

       500番台の住区            

   

  500番台の住区の地図と地区の写真です。南東の角が高くて北と西が低くなる三角形の敷地の団地です。全棟階段室型の

 5階建の35棟874戸の住区です。(建設当初の戸数は950戸でしたが2戸の住宅を1戸の大型住宅に改造工事が行なわれ

 76戸の4LDK住宅が作られたため建設当初から住宅戸数が76戸減っています。)

   昨年(平成29年)12月に次のようなお知らせが配られました。


     新多聞団地(500号棟~534号棟)にお住まいの皆様へ   

                         独立行政法人都市再生機構 西日本支社

  新多聞団地にお住まいの皆様には、日頃より当機構の業務にご理解とご協力を賜り深く感謝しています。


  さて、当機構は、少子・高齢化、人口減少社会の到来など社会状況の変化を踏まえ、また地域社会の再生等を目指し、平成

 19年12月に、平成30年度までの方向性を定める「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」を策定・公表しました。

  同方針において、新多聞団地は「団地再生(集約化)」に位置付けられており、お住まいの皆様にお知らせしてきた所です。

  このたび、同方針に基づき、「集約型団地再生事業」※の検討を進めておりますことをお知らせしします。

 
  同事業に関する検討状況については、適宜お知らせしますので、引き続き、皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしく

 お願い申し上げます。

                                                以  上

                       問い合わせ先 省略

  ※集約型団地再生事業とは

   お住まいの皆様の居住の安定に配慮しつつ、団地の一部の住棟を除却し、周辺と調和した土地利用を誘導します。また、残

 りの住棟については、引き続き継続管理し、良好な住環境を維持します。



  つまり簡単に言えば、新多聞団地500号棟から534号棟は平成19年12月に公表した方針に基づき取壊しますとのお知

 らせが来たわけです。

  しかし10年前から言ってますから、取壊しますと言われても、そんな話があったのかと探してみたらありました。

    都市再生機構の役割について  平成25年10月18日 国土交通省  ネットでこのままの入力で検索出来ます。

       4ページにありました。

       

       一部拡大です。

       
        
       一部拡大です。

       

  下から3行目に 住宅団地については、需要動向(入居の見込み)等をふまえつつ、再編。と書いてあります。

  500号棟台の住区は他に比べて空家が多いようです。しかし、対策として、二戸を一戸の大型住宅に改造、和室の洋室化、

 住宅のLDK化、高齢者向け優良賃貸住宅への改造等、ずいぶんお金をかけてきました。機構の努力に応じて入居して頂いた

 お客様は誠に気の毒な結果になってしました。

  そう言えば平成28年にはMUJI住宅も出来ました。

    MUJI住宅については

    連載小説AKB 26 第25話 工事安全日記 新築工事着工 附録 明舞団地にMUJI登場(2018.2.9)

    にも記事があります。     

   

  写真は500番台の住区の住宅ではありませんが新多聞団地の住宅の一例です。また家具は含まれていません。

  若い人の好みに合わせた住宅です。500番台の住区でのMUJI住宅建設は連絡ミスでしょうか。それとも担当者も知らな

 かった晴天の霹靂、まさかの取壊し決定なのでしょうか。

  神戸市と明石市にある団地では新多聞団地の他、明石舞子・有野・大久保第二・大久保第三の団地が「団地再生(集約化)」

 の指定団地ですが今のところ「検討開始のお知らせ」は来ていないようです。

  このブログの「番外編」の高尾団地(姫路モノレール大将軍)

  ゲタバキ住宅(市街地住宅)については、共有のため改修が困難であり、家賃収益が見込めないことから赤字が恒常化。こ

 のため、土地所有者等と活用方策について協議を実施し、速やかに処分等の策を講じる。
の方針により施設(店舗・駅)の所

 有者であり土地所有者である姫路市に、高尾団地を全戸退去の後譲渡したものです。その後、姫路市が解体しました。

  また次回予定の 小説六甲団地(グリーンヒルズ六甲)1 プロローグ(2018.4.20予定)は団地再生(全面建替)となった

 六甲団地を舞台とした離別と再会の物語です。(但し、平成19年の方針以前に実施されたものです。)

       

  500番台の住区の桜は混植されていて緑色も混じって吉野山の一目千本の趣です。

   

  桜並木も楽しめます。        

   

  しかしこれはなんでしょうか。ゴルフ場の近くの道で見たことがあるようなネットです。擁壁の上にも大きなネットが。

    

  上に回ってみますと、こんな横断幕が。神戸国際大学附属高等学校です。そしてさらに回ると運動場があり野球の練習中でし

 た。方向から考えると、ホームランではなく三塁のファールフライを受けるネットのようです。このネットの部分は学校で買っ

 て頂けるかも知れません。

  余計な心配かも知れませんが跡地は何になるのでしょうか。国土交通省の資料では「再編に伴い生じる敷地を活用し、介護、

 医療等のサービス機能を積極的に誘致」とありますが新多聞には大きな病院もあります。日本住宅公団の区画整理事業地区内

 ですので、道路も広く公園も整備され緑がいっぱい。団地集約で防災公園を作る必要などまったく無縁の良好な環境です。

  災害の多い日本、住宅の缶詰のような技術を開発し長期間住宅を保存することが出来れば、「大規模災害即応予備団地」など

 どうでしょうか。建物を取壊すことなく活用できます。首都直下型地震や南海・東南海地震では百万戸単位の仮設住宅が見積も

 られています。建替のため空家になっていた六甲団地が阪神淡路大震災で被災者住宅として一時使用された例もあります。

  それが可能なら、4・5階のみ「大規模災害即応予備団地」も考えられます。空家になれば順次指定すればよいのですからこ

 れなら居住者が引越す必要もなくなりますし、中規模・小規模災害にも対応出来ます。空家問題の言い訳かも知れませんが、公

 団の空家は大規模災害に対する備えと言う理論?が昔からありました。阪神淡路大震災はこの説を実証する機会でありました

 が、当時の社会党村山首相の思いつき?建設省の言い方が悪かった?公団や地方自治体の聞き方が悪かった?真相は不明な部分

 もありますが、被災者ほったらかしで数ヶ月に渡り公団や公営住宅住宅の募集が出来ませんでした。この事件?については別の

 機会に記録に残したいと思います。


            UR賃貸10の団地と10話の物語

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