団地小説短編集を歩く

団地小説短編集の舞台を歩きながら団地や地域の魅力をお伝えします。

小説キャナルタウン 87 初代県庁館(兵庫県立兵庫津ミュージアム)

2021-12-10 06:41:18 | 日記
 
 令和3年11月3日兵庫運河祭・兵庫津武将祭と同時開館した初代県庁館ですが、

   小説キャナルタウン 84 2021兵庫運河祭・兵庫津武将祭 ジャズ&五国マルシェ(2021.11.12)を御覧下さい。

   

 10時から開館記念式典、13時から一般見学開始となりましたがいつまでたっても長蛇の列。日を改めて行って来ました。

       初代県庁館パース

  

 設計図からのコンピューターグラフィックスだと思いますので非常に正確です。

       配置図 平面図

  

 兵庫勤番所絵図と比べると正確に復元されていることがわかります。敷地は東・北・西側で一回り狭くなっていなす。

       兵庫勤番所絵図

  

 大坂町奉行配下の勤番所の時代は右側の平面図が書き込まれている建物のみが役所でした。兵庫津は江戸中期で人口2万人、

海運・商業・宿場町・漁業で栄えたの町でしたが北浜・南浜・岡方の三方に分かれ自治が行われていましたので大坂町奉行所の出

先機関は非常にコンパクトなものであったことがわかります。(当時の尼崎の町方人口が約1.6万人で武家人口を含めてもおそら

く3万人程度、兵庫津と同じように陣屋がおかれていて西宮勤番所になった西宮の人口が1万人弱でした。)

 尼崎藩の陣屋の一部を利用していますが尼崎藩時代に比べて体制は大幅に縮小しています。尼崎藩時代は兵庫津は重要財源とし

て大切に保護育成しました。これに目を付けた幕府は西宮・灘五郷・兵庫津等1万4千石を上知、代わりに播磨国で1万9千石を

与えます。石数は米の名目上の取れ高、商業や酒造業による運上金は含まれません。藩の格付けは上がりますが幕府への役務も増

えます。尼崎藩にとっては実収入が下がって支出が増える踏んだり蹴ったり、この後藩の財政は急速に悪化します。

 幕藩体制の中では藩は独立国ですが、大坂町奉行所支配下になることにより大坂中心体制の中、兵庫津は大坂商人の干渉・妨害

を受けることになります。前菅総理の不当介入により維新の会の斎藤知事が誕生した兵庫県は歴史を繰り返すような事がないよう

に十分警戒する必要があります。

       工事中です。

    

 外見は純和風の木造建築ですが実は主要構造は鉄骨造です。強度と経済性の問題だと思います。

   

 写真 左 現在は仮設塀に囲まれて見えない西側部分です。

 写真 右 兵庫津ミュージアムひょうごはじまり館の工事と共にもう見られなくなった東側からの立面図です。

   

 兵庫勤番所つまり県庁舎の玄関と庭です。木造建築と庭園、現在の公共建築もまた戻ってきました。

  

 玄関に「初代県庁館について」のパネルがあります。

 復元施設初代県庁館と隣に建設中の展示施設ひょうごはじまり館と一体のものであり展示は最小限です。ゴーグルを付けてバー

チャル体験が出来ます。

 織田信長の時代の天正8年(1580)池田恒興によって兵庫城が築城され尼崎藩時代はその本丸部分が陣屋となります。明和

6年(1769)幕領となり大坂町奉行の配下の兵庫勤番所になります。兵庫勤番所絵図は寛政元年(1789)江戸表への書上

の書類の添付図面として作成されたものです。

 兵庫城跡については

   小説キャナルタウン 43 兵庫津ガイドツアー 兵庫城跡・真光寺・清盛塚・能福寺他(2019.7.19)をご覧ください。

 北西約200m現在は新川運河、兵庫運河祭・兵庫津武将祭の経ヶ島舞台あたりになりますので現地での再建は出来ません。

   

写真 左 官員執務室(旧勤番同心詰所和室部分)広さは6畳と8畳の板の間です。

     官員執務室はもう一部屋(旧名主中詰所)8畳があります。勤番所時代は北浜・南浜・岡方から名主・年寄が一人ずつ6

     人が詰めていました。

写真 右 知事執務室(旧勤番与力詰所)広さは8畳です。

 県庁には内国方(市中取締)と外国方(外国とのやりとり)がありましたが手狭なため外国方は旧幕府の運上所(神戸税関)に

とどまり業務をしました。官員は旧同心も多かったようです。

   

写真 左 立派な風呂場があります。風呂釜はありませんので他で沸かした湯を運びました。夏場の市内巡視の後のシャワー代わり

     だったようです。

写真 右 吟味場。有名なお白洲です。

   

写真 左 左が船見番小屋、右が取次役所(旧同心屋敷)です。船見番小屋は和田岬の船見番の住宅(2戸)です。売店になる予定

     です。

写真 右 取次役所内部。取次役所は名主などの町役人が詰めて、訴訟の取次や取締りを行った建物でもと同心屋敷でした。

     現在は休憩所やカフェスペースとなっていますがカフェはまだ営業していまさん。

   

 同心屋敷で6畳3間の3Kで約50㎡で、敷地は約50坪です。江戸の同心の拝領屋敷が100坪と言われていますので狭めで

す。必殺仕事人の同心中村主水の屋敷はもっと立派でした。机がありますが集会所的な利用も考えられているそうです。

 3戸の同心屋敷はいずれも地付同心の住宅です。幕領になった時に飛騨高山の奉行所から兵庫勤番所・西宮勤番所に3名ずつ転

勤になりました。勤番与力・勤番同心は月毎に東と西の大坂町奉行所から交代で来ます。ガイドの方の推測ですが、有力商人の家

に下宿していたのではないかとのことです。

 配置図のイベント広場の図形は尼崎藩陣屋時代の建物跡(追記 代官の屋敷)で絵図作成時にはなかったようです。

    

 仮牢 二重の木柵で出口の前に牢番の番小屋があります。短期間の拘留施設だそうですが、冬は寒そうです。 


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