団地小説短編集を歩く

団地小説短編集の舞台を歩きながら団地や地域の魅力をお伝えします。

連載小説AKB 8 第12話 明舞センターでお餅つき

2017-01-14 14:32:00 | 日記
  明   今日は明舞サポーター会議主催の新春餅つき大会だ。

  健   明舞サポーター会議は、明舞団地のみんなが、健康で元気に、楽しく明るく、安心して気持ちよく、便利で

     美しい、住みよい町を作るために色々なことをしているのだ。

  舞子  ずいぶん色々なことをしているのね。

  明   今日はとりあえずお餅つきをしている。

       

  舞子  もう始まっているわ。今年は松が丘ビルの1階のホールでやっている。

  健   明舞センタービルが立て替えで使えないし、いまにも雨が降りそうだから。

         

  明   あの燃えさかる炎が見られなくて残念だ。燃えさかる炎なんて火事と餅つきにしか見られない。

  健   危ないことを言うな。   

        

  明   餅つきの二重連だ。

  健   さすがすごい迫力だ。

  舞子  今年は、手袋に、マスクに帽子に完全防備ね。

  明   子供もつかしてもらえるから順番につこう。

       

               写真は物語の登場人物と関係ありません

  舞子  みんな10回づつついたよね。

  明   僕は11回ついた。

  健   どうして?

  明   1回は練習。

        

  健   食堂ででお餅をまるめて隣の台所でお雑煮を作っているんだ。

  舞子  「ふれあい食事処明舞ひまわり」は普段はお年寄りの方がみんなで楽しく食事をする所です。

  明   塩分控えめで地元の食材を使ったまったりとした結構なお味です。いつもお世話になっています。

  健   そんなわけ無いだろう。おまえは何歳だ。

        

  健   振る舞い餅が並んでいる。食べる所もお客さんでいっぱいになった。   

              

  舞子  おいしそうなお雑煮みんなで頂きましょう。

  健   明、この振る舞い餅を倍にする方法がある。やってみないか。

  明   そんなことは不可能だ。

  健   ジャンケンをして勝った方が全部もらう。

  明   健君、君は普段から、身を切る改革とか偉そうなことを言っておきながらそんなつまらない事しか考えられ無い

     のか。一方が得をして一方が損をする。決してお餅が倍になるわけではない。それは単なる賭博だ。賭博で活性化

     するなんて君の考えには国家の品格がない。

  健   身を切る改革なんて言ったことはない。品格が無いなんておまえからだけは言われたくない。明ならどうする。

  明   これ。

  健   いつの間に、引換券を2枚もらったんだ。

              

  健   「食べる前に加熱処理をして下さい」と書いてあるらしいがお餅をそのまま食べる人がいるのかなあ。

  明   ぜんざいなら生で入れるかも。

  舞子  生で食べるときはお医者さんの診断書が要るのよね。

  健   それは落語の「ぜんざい公社」の話だ。兵庫県住宅供給公社はまだあるけれども、公社も公団も随分無くなって

     しまった。だから「ぜんざい公社」の落語も最近は聞いたことが無い。

  舞子  要するに、念には、念を入れることね。念にはねん念をいれて今年も頑張りましょう。 


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