今回は、平成16年度の問題を研究してみましょう。
【平成16年度】
高規格幹線道路に休憩施設を設置する場合の留意事項について、下記の観点から、あなたの意見を述べよ。
⑴ 複数の休憩施設の配置
⑵ 個々の休憩施設の位置決定
⑶ 個々の休憩施設の全体構成及び駐車場の規模決定
■【Ⅲ.9-4-5】「休憩施設」からの出題です。
この問題は、教科書だけでは書けないと思います。
・高規格幹線道路の休憩施設に限定した問題ですから、まず、パーキングエリア(PA)とサービスエリア(SA)の定義について書く必要があると思います。
(※一般道路の休憩施設は「道の駅」です。)
★ PAとSAの違いって何? ★
------以下引用------
サービスエリアは、概ね50㎞おきに、パーキングエリアは概ね15㎞から20㎞おきに設置されている休憩施設です。
エリアの施設としては、サービスエリアが、駐車場・園地・トイレ・無料休憩所の他に、営業施設として、レストラン・給油所・売店等の施設を、パーキングエリアが、駐車場・園地・トイレの施設をそれぞれ設置しており、必要に応じて売店・給油所等が設置されております。
ただし、売店・給油所等の営業施設は、交通量・エリアの立地条件・エリアの間隔・車の立ち寄り率などを総合的に判断し設置しており、東北地方において、秋田自動車道の八郎湖サービスエリアは、交通量等を総合的に判断した結果、現時点ではトイレのみの設置となっています。
なお、サービスエリア・パーキングエリアともに道路標識として、統一的な表現方法であるパーキングの「P」という表記で施設をご案内させていただいており、施設に売店・レストラン・給油所等を併設している場合にはそれぞれに対応するシンボルマークを追記し、お客様がご利用可能な施設情報を提供させて頂いておりますので、ご参考にされ、快適なドライブをお楽しみ下さい。
[東日本高速道路(株)東北支社 広報課]
------引用終了--------
【論文の要旨】
・道路利用者に安全・快適なドライブをしてもらうためには、休憩施設はどうあるべきか!「道路利用者の視点」に立った、あなたの意見を聞いています。
・休憩施設は、山間部や殺風景な市街地より、やはり風光明媚な景勝地がいい。
自動車運転手の疲れも取れて、気分もリフレッシュでき、疲労や居眠り等による交通事故の防止にも寄与できる。
・道路設計の観点から考えると、土工バランス、建設発生土の残土捨場(有効活用)、経済性、用地取得の困難度などを総合的に検討した上で、休憩施設としての適地を選定する。
■【Ⅲ.1-1】
・道路の区分(第1種、第2種)によっては、休憩施設の役割や目的も異なる。
・地域の特性や実状に応じた休憩施設を考える。
・もちろん、将来交通量の予測や休憩施設の需要見込みが重要な要素になる。
■【Ⅲ.9-4】
・駐車場の規模については、PAとSA間の距離が関係するし、建設費とのバランス、いわゆるB/Cも考慮する必要がある。
・自動車運転手の疲労度、例えば、トンネルや道路橋など構造物が連続する区間は、土工区間に比べると疲労度も増す。つまり休憩施設も単純に区間距離で配置するのではなく、疲労度に比例して配置する考え方もあるのではないか。
・休憩施設の配置は、個々の道路という「線」で考えるのではなく、ネットワークとしての「面」という観点からも検討するべきである。
・今後、道路利用者の利便性に配慮したスマートICが増えてくれば、従来のような設置間隔も見直しが必要になると考える。
★★おまけ★★
恐らく有り得ない話ですが……。
遠ーい将来、高速道路が無料になったら、PAやSAは不用になるでしょうね。
なぜなら、料金という縛りがなくなり、どこでも好きなインターチェンジで乗り降りできるから。
以上、取り留めないことを思いつくまま書いてみました。
[次回へつづく]
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