続・トコモカリス無法地帯

うんざりするほど長文です。

D&D4版キャンペーンシナリオに参加失敗した話 3

2017-12-23 00:49:12 | D&D4版 キャンペーン回想
ゲーム期間も数ヶ月空き、キャンペーンシナリオ内の時系列も10年ほど経って、それぞれが社会的立場を固めてから再会して世界の危機に立ち向かうという流れ。その間にキャラクターの身の振り方を考えとけってことです。困った。

そこに助け舟出してくれたのがPLのぱーるおぶぱわーさん。PCではなくPLなのがポイント。PCの性格だったらこれは勧めないだろうから。

「ハービンジャー・オブ・ドゥーム」(破滅の先触れ)

別に前職レンジャーに限らず、誰でも選べる加入条件の緩い神話クラス。何やるのかつーと他人も自分も破滅させる歩く凶兆。うわーかっこいいー、こういうの大好きです。固有能力として命中判定ダイスに1の目が出たら振り直せます。ルール上攻撃時1の目は絶対失敗なのだけど、この能力のおかげで攻撃において大失敗は起こり得なくなりました。十分な命中修正値を稼げたなら必ず攻撃を当てます。そこに偶然の失敗はありません。すごい殺意。殺すと決めたら準備を重ねて、あとはただ刃物を振り下ろすだけです。努力も我慢も気合も根性も前提化しました。それらを積み上げたら、最後にスイッチ入れる作業のような攻撃になりました。
ホロブンはいつも無言だから内面変化がわかりませんでした。周囲も自分もいつも通りだと思ってました。でも殺傷行動に偶然が挟まる余地が無くなって、破滅の肩書が周囲に危害を加えることへの疑問も消してしまいました。これアカンやつだ、絶対バッドエンドしか行けないルートだ。
いいじゃない、目先の殺傷力のためならバッドルート選びます。8年の苦労も代償に差し出します。そもそもハービンジャーオブドゥームなんて、徹頭徹尾他者に危害を加えるための能力しかありません。素がヒールな私はそんな嫌われ疎まれ憎まれ役は得意です。みんなで不幸せになろうよ。


シナリオ規模が大掛かりな分、ハウスルール処理が増えてきました。他メンバーもイベント由来のアーティファクトをぽつぽつ入手し始め特殊能力が使えるようになってきます。アーティファクトてのは劇中1個しか取れない手作り特注強アイテムです。金銭では値段が付けられない超貴重品。そういうのがホロブンにはなかなか宛がわれませんでした。
理由は私の出席率が悪かったこと。アイテム与えようにも対象がその場に居ないのでなんとなく後回しでした。その上、戦闘以外に働かないので役職や発言責任が伴なうアイテムは宝の持ち腐れ確定です。そして戦闘時も全てのスキルを同時に重ねることで瞬間火力を叩き出すのに特化してるので、援護や牽制に割く小技を撃ってる暇はありません。つまり単純な高火力武器以外不要でした。

そんなところに船を入手する機会がありました。シナリオ規模が大きくなったので、全員まとめて広大なエリアを高速移動する手段が必要になっていました。
スペルジャマーシップという魔法で飛ぶ宇宙船みたいのを次元界の暗礁宙域で拾い、そいつを修理して使うことに。見た目は帆船ですが中身は良く分からない魔法技術が詰まってます。ホロブンはこいつのメンテナンスを任されました。ドワーフ製の工具でないと扱えないんだと。
GMから渡されたのは船用キャラクターシート。いろいろパーツ換装することで、高速輸送船から飛行戦艦までこなせる高性能機に見えました。実際使うと器用貧乏でたいしたことなかったのですけど。
そのパーツ内に一つ面白い奴があって、船のメイン管制システムに「人工知能HOPE」てのがありました。乗組員3人分の働きをするそうです。でも重要なのはそっちじゃない。昔からお喋りな船のメインコンピュータは定番です。ホロブンにもこいつを付けよう。

来歴不明のスペルジャマーシップHOPEには知性がありました。人工知能とありますが、それが合成された意識なのか、封じられた魂なのかは不明です。ただ、この人工知能をフルスペックで動かすには、船に搭載している旧型機材の容量では明らかに性能不足でした。修復改装するホロブンにHOPEが持ちかけた話は「頭脳の半分を貸してください」この魔法万能世界でも生体脳の性能を再現する技術はありません。普段から頭を使ってないホロブンは、良く考えずにこの提案を承諾しました。以降、ホロブンの脳にはHOPEが間借りし、ホロブン本人はメモリ半分で行動していますが、斧を振り回すだけの仕事ならそれでも十分すぎる容量が残りました。
ここからホロブンの頭の周りを、アイウーンストーン状の小さな石がくるくる飛び回るようになりました。この石が振動することで音声を出すのです。能力はただのスピーカー。しかしこれで、PLが何も考えない話さないキャラに封じ込まれず、世界観を見ながら発言する手段を得ました。
「みなさん初めまして、スペルジャマーシップを管理する人工知能HOPEと申します」
常に敬語で話すので礼儀正しいように見えますが、口を開けば何かぶっちゃけてるダメな大人がそのまま船になったような、やや不謹慎かつ無責任な性格です。一応性別は女性らしいです。船だし。



思い返せば旧名ホロビンよりも、ホロブンの名前のほうがしっくりくる程の長い付き合いになっていました。
神話級開始してからホロブンの殺傷力は目覚ましく上がりました。20レベルを超えるとW数が倍に増えるのです。通常攻撃が12面ダイス2個、それを両手で12面ダイス4個相当。伝説級初期での1日1回必殺攻撃力並です。しかし、やはり命中ブーストは1ラウンドしか効かないので出番はすぐ終わりのままでした。
これはクラス設計の根幹問題で、キャラ運用やロールプレイでどうにか出来るものではありません。高い攻撃力を無駄打ちせずに最大効率で命中させるには、スキルを一斉に重ねてブースト時間内に使い切る性能にする必要があります。幅広い戦法を取るには違う局面毎のパワーを用意しないと使えません。瞬間火力と継戦能力とは両立出来ないのです。
流石に神話級高レベルでは敵の防御も硬く、極端に振り切らないと攻撃があたりません。命中判定ダイスの出目の都合上、素のまま戦うと攻撃命中率が30%以下もざらでした。
なので、1日1回の強攻撃だけ目いっぱい命中率上げて当てたらその日の出番は終了です。他の攻撃などまともに当たらないので賑やかしにすらなりません。だからゲーム中やる事ないしやっても無駄だし暇だし退屈だし、待ち時間が長すぎてますます「4版世界で自分がやれることなどない」という印象が固まってしまいました。今でもそう思ってます。4版での戦闘は丁々発止の派手なアクションの応酬が楽しいという評価も聞くのだけど、処理の重いバフ・デバフ・牽制パワーをみんなして重ねるからすごく中だるみしてるようにしか見えませんでした。ゲーム内時間6秒の出来事を処理するのに60分以上かかるんだよ。毎回そうだったんだよ。レンジャーはその間暇で暇で。




シナリオ進行も佳境でした。キャラクター達も各々の事情で動きにくい部分が現れ、ロールプレイにも悩み、その分シナリオ世界も連動して変化がはっきり現れて行きます。そこでGMから面白いネタ振りがありました。

「こいつ魂が常人の半分もないぞ」
よし、いい感じでバレた。神話級へ移行する間にホロブンのキャラクター造詣を詰めておきました。
薄い性格と過剰な攻撃力。ちぐはぐな理由をこじつけた自信作の設定です。

ホロブンは人造体である。
旧世界の人造ドワーフで、最強片手武器のドワーブンウォーアクスを素で使いこなせるようドワーフ型フォーマットで作られた。記憶喪失ではなく元々記憶するほど長く生きてないだけ、人格が薄いのは最低限の人格モデルしかインストールされていないところに、エラーで1体だけ起動してしまった欠陥品だから。3.5版世界で少しだけ稼働した後に、別のドワーフの戦いに巻き込まれ(そういう描写が昔のゲームキャンペーン中にあった)4版世界に飛ばされて再構成の過程で他人と混ざり、さらに意識の混乱が増した。
ちなみに混ざった他のドワーフというのは3.5版シナリオに登場する「インペラゴン」という悪いドワーフで、そいつもこの世界に来ており、南方でやさぐれた勇者をしている。多少の不品行はあるが彼は4版世界で真当な成り上がり勇者であり、破滅の先触れと化したホロブンのほうが影となる世界の害悪である。
人造ドワーフを作った旧世界ドワーフも、いまだこの世界に存在しているが体感時差が百年以上あり、ホロブンの同型機は全て廃棄済み。

ホロブンはシナリオ空白の10年の間に、自分の造物主に会いに行ったが、本来の参加予定だった計画は既に終わったことを知らされ、存在理由を失い、処分を頼むも過去の個体と差異が大きく、不正処理と見做されサポートは得られなかった、という経緯を設定しました。今のマイクロソフトにMS-DOSの話持ち込んでもサポート終了してるでしょ。そういうことですよ。違法コピーだし、サポート終了してるし、メーカーも関わりたくないわな。

目的を再度無くしたホロブンは自己の能力をただ研鑽することを決心したが、それは異世界の破滅がこの世界へ侵食する突破口に繋がった。
その破滅とは「モスタリ」
異世界の世界機械が物理法則を書き換えるために、同じドワーフ型の生体でただひたすら精度を高めるホロブンの意識と同調した。やがて破滅は世界を一定規格に書き換えるためにホロブンを通して現れる。ホロブンの戦闘力はそのまま端末の基準として量産されるだろう。
モスタリてのは「ルーンクエスト」という他ゲームシステム内でのドワーフ所属世界。そちらのドワーフは一種のロボットで、D&D世界とは全く違う存在です。

過去のシナリオ展開も組み込んで、強大な敵も配置して、クラス特性に合った不穏な秘密も着けて、どうやっても良いこと無く死ぬフラグも立てました。
私こういうの得意です。


ここに一つ仕掛けがあって、ホロブンだとバッドエンド直行ですが回避方法もあります。ホロブン死ねば良いんだよ。自キャラ死んだらどうすんの。
新キャラクターに交替だよ。D&Dは昔からキャラ死亡なんて毎度のことで、前もってキャラクターシートを3人分用意するのは基本だと聞きます。ホロブンは昔にも一度リストラされた経験あるし、これも毎度のことですよ。こいつ死んだら既に勇者やってるインペラゴンを使います。
インペラさんもしっかり設定考えました。ホロブンが意識薄い分、こいつは我欲が強くて名誉も権勢も望みますが、世界を救う意識も強くて危機に立ち向かうには最適です。とても聖人とは言えないけど正直な人なので、敵対も協力も全力です。大いに笑って怒る人。そしてより多くの人を救うために戦う人です。多数派に靡くだけとも言えますが、清廉潔白聖人勇者など私がロールプレイ出来ません。性格の問題点にもなるべくしてなった悲しい理由があり、情状酌量の余地も多分にあり、今後の更正も見込めるように考えました。バイオレンスジャックという、昔の漫画に出てくる「スラムキング」というキャラクターを参考にして、性格を大分マイルドにした感じの、何より自分自身が使いやすい入り込みやすい人物にしました。

計画は決まりましたけど、決行は慎重に行う必要がありました。突然のキャラ変更、しかもいきなり主張の強いキャラが出て来るのですから、周囲の反応が芳しくないのは想定できます。でもやる。ホロブンのままじゃさっぱり動きが取れない。

GMへの打診も少し予定を繰り上げました。当初は盗り夫さんGM時に盛大に感情込めた展開を計画していましたが、それだと最短でも28レベルの時期。取り回しの変化は自分にとっても負担です。できれば早く操作感覚を掴みたい。なので、その前のomoteさんGM時にインペラゴンを出してもらい、さっさと交代劇を済ませておくことにしました。
ここでGMomoteさんに出した注文は「インペラゴンは超強く作ってください」でした。劇中でホロブンを正面からぶっ倒す理由と強さが必要ですし、何より私が3.5版と比較して4版に抱いていたシステム的不満も一因です。
元々の旧ホロビンはファイターで、物理面での高防御と高攻撃を両立していたキャラクターです。4版ではクラスの特性上、能力どちらか一択で攻撃力を選んだため、重戦車型キャラクターには出来ませんでした。でも1日1回の必殺技なら防御重視のファイターでも十分なW数があるし、現状のホロブンも1日1回フィーバーするだけの仕事なので、稼働時間に大差ありません。だったら装備は防御ガン上げで、パワーを瞬間攻撃力に充てたバランス型ファイターキャラでも良いんじゃないですか。もちろん慣れない防御役の設計を自分で上手く仕上げる自信など無いので、そこは個人要塞レイオットを作ったomoteさんにお願いしようと、そしてそれを丸パクリしようと、そういう算段なわけですよ。私って狡猾ですね。

盗り夫さんがGM時にぽつりと「レイオットは硬すぎて扱いに困る」と言ってたことがあります。なんで困るかというと、攻撃が通らないのがわかりきってるから、敵キャラでダイス振る労力も惜しくなるためのようです。心折られるってやつです。それ前衛の理想ですよ。戦意を喪失させる護身完成ですよ。私はそれがとても欲しいのです。

ゲーム前日、自分用に台本用意しました。ホロブンからインペラゴンに交替する場面でかっこいいセリフ言うために、一通り書き出して確認。よしOK。旧キャラを当て馬にして新キャラ出すと嫌われやすいのも十分理解してるので、ホロブンの事情も汲み取って、インペラさんがただの野心家ではないアピールも盛り込んでいます。人物性格の光と影が合わさって最強に見えます。


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