続・トコモカリス無法地帯

うんざりするほど長文です。

先週観た映画1本目(七つまでは)

2011-10-24 23:49:42 | 映画の感想

さて観た映画の2本目。
「七つまでは神のうち」
http://nanagami.com/


ホラー調ミステリ系ホラー映画。区分はしにくいようなそうでないような。
見せ方はホラー、内容はミステリー、でもオチはやっぱホラー、みたいなー。

毎回のネタバレ感想です。
前半、1人のお母さんと、3人の娘の話がそれぞれ順に独立して進みます。
ある家庭の子供がいなくなるイメージの場面から始まり、それはひとまず置いといて、本編に入ります。
レンタル屋で不審な車を見つけた主人公Aがその車を追跡すると返り討ちに遭うのが、話その1。主人公Bが家庭教師に行った先の家で不気味な日本人形に翻弄されるのが、話その2。映画ロケで山中の廃校に入った主人公Cが謎の現象に遭うのが、話その3。時系列の説明が無いのでこのあたりの繋がりに混乱しますが、しょせん映画は二時間程度の長さなので、脳の一時記憶フォルダになんとなく収めておけば大丈夫です。
ここまではホラー調。


後半、3つの話が一つにまとまり3人の主人公には共通点があることが分かります。それは皆同じ小学校の出身だったこと。勘の良い人なら先読みが効くかもしれません。小学校時代に何かやって、今酷い目に遭うような因果関係といえば、おおかたイジメだろうと。その通りでした。主人公3人は昔つるんである女の子を虐めてたのです。その子は3人組との遊びから事故に遭い結果行方不明になり、時は経ちそれぞれ別れ、あー事故?そんなこともあったかな状態で生活していたのですが、ある日突如拉致られてしまったのでした。犯人は事故死した虐められっ子のご両親。生前の娘の絵日記でイジメを知り復讐することにしたのです。
後半はミステリー推理ものっぽく。

そういうわけで主人公達は報いを受けるのです。バールを持った作業服のおっさんがジェイソンのように迫り、幽霊のようなおばさんが暗い調子で語りかけてきます。これで両親が娘の無念を晴らそうとしていることがわかります。実は復讐の話だった、謎のオバケによる無差別恐怖現象ではなかったという気がしてくるのですが、さらに展開があります。

序盤のホラーパートで死体が出てきます。不審車の助手席にミイラが乗っているのです。ミイラですから死体です。髪型と服装はお母さんのもの。つまり既にお母さんは死んでます。森の中に放置された件の不審車、一瞬ですが練炭の映像が映ります。お父さんも練炭自殺した模様、助手席にお母さんの死体乗せたまま。お父さんが死んだ時期は作品中言及がありませんが、ひょっとするとずっと以前に死んでいて、主人公達を追い詰めたのは彼らの怨霊だったのかもしれないと、解釈できなくもないのです。なのでやっぱり幽霊ホラー映画なのかなとも思えるのです。

この映画は登場人物は誰も幸せになりません。まったく救いがありません。
誰にも感情移入せず突き放した傍観者視点で見るのが良いです。



さて、こんな地味で知られて無い映画、札幌で公開された期間は僅か二週間でした。その頃私は具合悪すぎて映画どころではなく、結局観損ねてしまったのですが、たまたま東京行った帰りに千歳空港に寄ったところ、そこで上映されていたのです。
今、千歳空港にはいろんな施設がくっ付いていて、食べ物屋ばかりでなく浴場や映画館もあるのです。ちなみに映画館の名前は「じゃがポックルシアター」実に北海道らしく可愛い名前です。スクリーンの数は3つと昨今の大型劇場と比べると少なめですが、設備は素晴らしいものでした。中段の座席はなんとリクライニングできます、背筋伸ばしてゆったり座れます。そして座席の間隔も広い、荷物置きの棚が付いているのです。素晴らしいです。こんなに良い設備は札幌にも無いと思います。割と新しいJRタワーの映画館でもこうは行きません。
しかしこのマイナー映画、お客さんが全然入っていませんでした。観客私一人だけ。空港には山ほど人がひしめいていたのに、その一角の上映室には誰も居らず貸切状態です。私たまにあります、こういう独占状態。経験上「タオの月」「イップ・マン」など、いまひとつ宣伝力が足りないとこんな事態になってました。



先週観た映画1本目(とある飛空士)

2011-10-24 23:46:49 | 映画の感想
先週は映画を3本観ました。その内の1本です。
「とある飛空士への追憶」
http://hikuushi-tsuioku.com/


内容はいたってシンプル、王女様を守って傭兵が戦う話。いや、そうでもないかも。というのはこの映画かなり薄口です。ジブリ映画っぽい、具体的にはラピュタやナディアを5倍くらいに薄めた感じ。あんまり危機感が無いのです。主人公の腕の良い飛行機乗りが、本国へお姫さまを極秘に輸送するために、三日かけて敵警戒網を突破して大洋を飛んでいく話です。途中、幼少時の主人公とお姫さまの係わりの描写があったりしますが、そんなフラグは特に後で結ばれるわけでもなく、なんとなく盛り上がりません。最大の問題は予定調和。たぶんこうなるんだろうな、という観客の予想をまったく裏切らず、それ以上でもそれ以下でもない、無難な進行。淡々としてます。序盤に主人公は作戦を指示されますが、立案者が優秀だったのか作戦のトラブルは全て予測範囲内に留まり、予定どうりに遂行されて終了です。
「なにか問題は?」
「おそらく大瀑布付近の警戒ラインの突破かと」
作戦指示シーンでこんなやりとりがあるのですが、話はやっぱりその通りで、大瀑布というエリアで敵のエース機と戦って、主人公の機体には武装が後ろ向きの機銃一丁だけなのですが、やっぱりそれを使って撃退して、お姫様は予定合流地点で本国戦艦に引き取られ、主人公はそれを見送り飛び去ります。途中ちょびっと葛藤やら交流みたいなものはあるけれど浅いし軽い。なにより序盤で作戦が説明されて全てその通りに進んで終わってしまうのですから、驚きというものがない。

作戦というのは失敗するのがセオリー、お約束なのですよ。基本のサプライズです。私は深読みして、お姫様迎えに来る艦隊も敵にやられて、主人公が急所作戦変更して本国まで無理矢理飛ぶのかなーとか勘繰ったりしました。というか私が作者ならそうする。そうして主人公の凄いところをアピールします。でもこの話はそうはならない。小さいトラブルはあるけど危機は無い。全て予測範囲内。ああやっぱりで終わります。何度も言います。物語中での作戦は失敗してからがナンボです。
例えば有名なエヴァンゲリオンの「ヤシマ作戦」。日本中の電力かき集めて極大射程超火力使徒ラミエルを狙撃しますが、そんな後の無い切羽詰った状態なのに1発目を外します。そこで、やばい!どうする!やるしかねえ!まだまだー!と盛り上がるわけです。名シーンですね。作戦はコケてからは現場の裁量と力量が見せ場になります。
2発目のエネルギー充填までの間、敵の攻撃を零号機がシールドで防ぐのですがそれすら強度が足りず、消し飛ぶ中でシンジ君がぶれる焦点をギラギラした目で見つめ、合ったところで相打ち上等の2発目の射撃で仕留める展開。コミック版はまた熱くて、零号機がシールドが吹き飛んだあと身を挺して射撃準備状態の初号機を庇い、それでもなお持たず崩れ落ち、それを初号機が抱き抱えるように受け止めながら2発目を撃つのです。このくらいの表現は欲しいです。

この映画、とてもあっさりしていて、空戦バトルも恋愛描写も歴史劇的はったりもいまひとつ足りません。それほど満身創痍ボロボロになるわけでなく、お姫様を略奪愛するわけでなく、史実的な大転機になるエピソードでもなく、主人公は無名のまま歴史に消えたと説明が出てお終い。終わってみると敵機「震電」のパイロットの声がやたらカッコよかったことくらいしか印象に残りません。

ここまで文句言えば当たり前ですが私の評価は「イマイチ」です。
ヒロインを抱え孤軍奮闘するなら最後までもっと壮絶な戦いを演じて欲しかった。主人公の役目は輸送の運転手さんで、護衛の戦士ではありません。隠密行動するために乗機「サンタ・クルス」は武装のほとんど無い高速偵察機です。だから本来はバトル分を期待してはいけない話なのかもしれません。結果だけみれば敵大艦隊の包囲網をぬけ敵戦闘機部隊と交戦し切り抜けているのですが、基本的に逃げてばかりなのであまり爽快感はありません。シューティングゲームのようにはいきません。



元は小説で、少年サンデーでコミック化されてもいるのですが、私は映画だけ見るのに留めておきます。



カンフー映画(イップ・マン)

2011-03-17 21:28:20 | 映画の感想
世間は地震で大変だけど、私に出来ることは多くないです。

なので映画を観てきました。
「イップ・マン」ブルース・リーのお師匠さまの話だそうです。あと、単発映画のようですが実は2作目らしい。1作目のほうは「イップ・マン~序章~」と付いてる別の作品だそうです。タイトルだけでは何の映画か分かりませんが、要はカンフー映画。宣伝に金かかってないのか知名度は低いようで映画館はガラガラ。というか私以外に客がいません。映画館側もそれを見越してか4番スクリーンという50人くらいしか入れなさそうな席の少ないちっこいスクリーン。マイナーな映画を観る時にはたまーにこういうことがあります。むかーし「タオの月」を観に行ったときも映画館の客が私一人だけだったなあ。とまあ、映画館一人占めという贅沢な時間を満喫してきたわけですよ。

映画自体はなかなかに面白い内容でした。香港+カンフー+CGといったらやはり荒唐無稽な映像が出てくるのです。冒頭で包丁持った20人(もっといたかも)くらいの暴徒と戦うシーン、中盤の丸いテーブルの上で各流派の師範と戦うシーン、そして終盤のボクサーと戦うシーン。私が満足する映画というのは簡単で、戦いまくってればそれで良いのです。前回の日記で「ドラえもん・鉄人兵団」にバトル分が足りないと嘆いた分、今回はハズレを引かないよう事前に調べて観に行きました。

カンフーブームがあったのは80年台のはずですが、今は2011年。殺陣も進化しています。最後の決戦では打突系だけではなく、投げやグラウンド技まで出てきます。格闘技ブームや対戦格ゲーで今の人は目が肥えてますからトリッキーな昔の動きだけでは通用しません。地味に感心したのは敵役ボクサーの役者さんの動き。実は欧米格闘技とカンフーという組み合わせは見栄え的に相性が悪いのです。リズムがぜんぜん違う。「バトルクリークブロー」という失敗作映画があるのですが、それを見るとよくわかります。もっさりした怪力組技系VS俊敏な香港カンフーアクションでは、ぜんぜん息があわず、組み技の鈍重さとカンフーの軽さとの、悪いところばかりが際立つ結果になります。カンフーのアクロバティックな動きは双方ともにある程度以上の速さと巧みさが必要とされます。よく言えば複雑、悪く言えばダンス。あのくねくねした動きにボッボッ、パシッパシッといった効果音を入れることで格闘に見せているわけです。

そして今回、ボクシング対カンフー(詠春拳)の戦いはそのリズムが崩れていませんでした。上手い上手い。というかボクサーの動きがボクシングじゃない。戦後まもなくが舞台だから今の軽快なボクシングやってはミスマッチかもしれませんが。サウスポーで右フックを連発する喧嘩殺法みたいなスタイルです。そして手の動きがカンフー並みに速い。常に足止めてラッシュ状態。それに突き蹴り投げの中国拳法で立ち向かうわけです。
終盤の戦いは熱いです。異なる思想を持ちながらも中国拳法の誇りを守るために戦って死んだ友人のために、イップ・マンは弔い合戦に挑みます。底なしの相手のスタミナに押されながらも確実にダメージを決めていきますが、ゴング終了後の不意打ちパンチやら、途中で急遽ルール改変して蹴り禁止やら、相手陣営は汚い。でも主人公はもっと大人気ありませんでした。最終ラウンドに敵ボクサーのパンチにカウンターを決め、相手の両肘を壊し、喉に肘を打ち込み(連打)急所のこめかみに突き(連打)そのまま顎を掴んでひねり投げ、首と脳に衝撃を与え、顔面めったうち(連打)と怒涛のラッシュを決めて勝ちます。いきなり最後でグラップラー刃牙の世界になります。それまでは速さと手数で勝負してた感じなのが肉体破壊描写になります。もちろん私は大喜びです。

とまあ、現実のイップ・マンさんがどれだけえげつなかったかどうかは私は知りませんが、わりと爽やかな顔のドニー・イェンがへんてこな手の動きでドカドカ敵をやっつけていくのは見てて爽快です。なのですが、これは宣伝してもアクション物としてウケなかったかもしれないとも思うのです。というのも主演の役者さんが脱がない。ブルース・リーのような病み上がりビキビキ筋肉、といったパッと見で分かる「なんかヤバげで底知れない東洋的肉体美」というのが無い。サモハン・キンポーも相変わらずデブのくせによく動いてますが、動いてるのを見て面白さが分かるタイプのアクション映画です。宣伝用スチール写真ではイマイチ迫力が伝わらないと思います。おっさん達がよく動くこと。さすが香港映画、役者の動きは安心して見れます。

それでも私は満足しました。DVDで出たらもう一回見ようと思います。映画館のスクリーンだとカット割りが細かくてよく分からないとこが多々あったので。


この程度

2010-01-31 17:19:35 | 映画の感想
映画「パラノーマル・アクティビティ」をみてきました。
おおまかにくくると「退屈」
低予算映画なのが分かってるので演出も予想がつきます。ドアが勝手に動いたりするていど。派手なお化けは出てこないし、お金ないから出せない。ブレアウィッチもそうだったけど、何かが出そうという雰囲気だけでずっとひっぱるのはつらいです。低予算だからどうせ何も出てこないのが最初からわかっているから。その点、低予算ながら最後にちゃんとキモイ化け物がでてきた「●REC」はよかったです。最後のシーンだけ音と勢いでちょっとビックリするけど、ビックリと恐怖は別物。アメリカ人は同じモノと捉えているようだけど。だから結論から言うと地味で退屈な映画でした。あと超常現象の原因は悪魔らしいです。残念ながら日本人て悪魔を怖がらない。宗教に無頓着だから宗教的な恐怖が理解できない。悪魔つーとゲームで悪魔合体させたりする、くらいの認識だから、途中から「これは悪魔が原因です」と言い出したあたりで冷めてしまいました。
いまんとこ映画では初代「リング」の貞子が出てきたところが一番怖かったね。アレ越えるのは無いね。


2本連続

2009-08-15 18:33:46 | 映画の感想
映画見てきました。2本。「サマーウォーズ」と「仮面ライダーディケイド」。
仮面ライダーのほうは当然ながら親子連ればかり。大人1人で見てる奴なんて私だけです。しかし映画の内容は私のようなおっさんにも喜んでもらえるような大サービス。昭和ライダーはみんな出てくるし、冒頭のアマゾン、終盤のシャドームーン、最後にはキングダークまで。平成生まれの良い子のみんなはおいてきぼりです。見に行ってよかった。
サマーウォーズも面白かったです、面白かったんですが、昔似たような話をデジモンの「ぼくらのウォーゲーム」で見たような気がします。ここはあんまりネタバレ感想書きたくないので今日はここまで。


映画館

2009-07-10 19:39:02 | 映画の感想
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見てきました。これで3回目です。そんなに気に入ったのかと言われるとその通りで、今回の劇場版を私はえらく気に入っています。でも内容について触れません。ネタバレしてはつまらないですから、特にこの映画の場合。

3回の内わけはスガイで2回にファクトリーで1回の観賞。実は同じ映画でも映画館によって見え方が違います
結論から言うと見やすかったのはスガイのほう。スクリーンがほどほどの大きさで全体が良く見えます。逆にファクトリーは客席多いし設備も豪華っぽいんだけど、スクリーンが大きすぎて端のほうがよくみえません。ただ、画面が大きいので小さなパーツまで見やすいという利点があります。2度目以降見るときのの細かい箇所の確認などには向いています。それでも、動きの大きい・速い場面だと目が付いていけず、なにをやっているのかよく分からないことが多々あります。
昔「トランスフォーマー」1作目を見に行った時は変形時に画面が大きすぎて、わけがわかりませんでした。元々わけのわからない変形をするのに余計に見づらい状態でした。ということで画面が大き過ぎるのも考え物だということが今回わかりました。あと、これは気のせいかもしれませんが、画面を引き伸ばしすぎてるのか、私の視力が悪いのか、画面がぼやける箇所か何度かありました。よって今後映画を見るときには、私はスガイ派になるでしょう。どうもスガイのほうが画面クッキリして見えた気がします。