稲城の図書館サポーターみんなのとしょかん Neo

東京都稲城市で「市民の力になる図書館」の発展をめざして活動している市民グループです。

シンポジウム「学校司書の社会的地位の向上をめざして」

2023-07-30 14:27:06 | ご存知ですか?

2か月前のイベントですが、学校図書館にとって重要な催しなのでご紹介します。
2023年5月27日、学校図書館法公布70周年記念事業としてシンポジウム「学校司書の社会的地位の向上をめざして」が開催されました。
<シンポジウム紹介ページ>
学校図書館法は、図書館法の3年後、1953年(昭和28年)に公布され、翌年4月に施行された学校図書館に関する基本法です。
そんな法律があるなんて、知ってる人は少ないですよね。

法律の目的は第一条に高らかにうたわれています。
第一条 この法律は、学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実することを目的とする

第三条には、「学校には、学校図書館を設けなければならない。」と設置義務があり、第五条では「学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない。」と司書教諭を置くことが定められています。
ところが、「学校司書」についての条文は当初の法律にはなかったのです。
2014年の改正で、第六条に規定が設けられました。
第六条 学校には、前条第一項の司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員(次項において「学校司書」という。)を置くよう努めなければならない。
国及び地方公共団体は、学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

この改正が行われた際、「国は、学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであることに鑑み、この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」として附則に検討事項が加えられたのですが、いまだに明確な「措置」が見えない状況です。

また、司書教諭についても同法の附則に除外規定があるのです。
(司書教諭の設置の特例)
2 学校には、平成15年3月31日までの間(政令で定める規模以下の学校にあつては、当分の間)、第五条第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる。

政令で定める規模は、学級数11以下の学校です。
たとえば一学年一クラスの小学校は司書教諭を置かなくてもいいということ。

学校に図書館・図書室があってもそれを管理・整備する「人」がいなかったら、機能しないですよね。

そんな厳しい状況について問題提起したシンポジウムです。
当日配布された資料や、シンポジウムの動画も公開されていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
シンポジウム「学校司書の社会的地位の向上をめざして」>文字・活字文化推進機構HP
動画へのリンク
動画は3時間と長いので、以下を参考にしてください。

24分    基調講演 片山善博氏
1時間28分 シンポジウム「学校司書の社会的地位の向上をめざして」(90分)
 コーディネーター 鎌田和宏氏(帝京大学教授)
パネリスト報告
1時間30分 田村 修氏(神奈川県立鶴見高等学校学校司書)
1時間42分 宮﨑伊豆美氏(東京学芸大学附属竹早小学校・附属特別支援学校司書)
1時間55分 生井恭子氏(東京都立鹿本学園司書教諭)
2時間5分  稲井達也氏(大正大学附属図書館長)
コメント
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