稲城の図書館サポーターみんなのとしょかん Neo

東京都稲城市で「市民の力になる図書館」の発展をめざして活動している市民グループです。

授業を止めても学習を止めない~中国教育現場のコロナ対応

2020-07-24 11:40:28 | ご存知ですか?
新型コロナ感染症の流行状況が心配な今日このごろ
夏休みが短くなる!など学校ではその後の対応に苦闘が続いています。
そんな中「また学校が休校になったらどうする?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

先日ご紹介したHON.jp News Blogに、興味深い記事が掲載されました。
「コロナ禍を受け中国教育現場がオンライン授業にどう対応したか? 」北京大学・馬場公彦氏による中国レポートです。

前編は小中学校、後編は大学の状況を紹介しています。
興味深かったのは小中学校編
以下本文を引用しながらご紹介します。
まず日本では・・・
「日本では残念ながら、遠隔授業用のコンピュータやソフトが十分に開発・普及されておらず、教員の技能は不十分で、家庭のインターネットやデバイス環境もバラバラであるため、オンライン授業がほとんど普及していない。」
「文科省は2019年末、萩生田文科省大臣がGIGAスクール構想を発し、ICT教育実現のために児童向け1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの整備を提唱した。だが同省による4月21日時点の公立学校の調査によれば、同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習は5%しか実現できておらず、GIGA教育環境の整備が全くなされていない実態が明らかになった。」

という状況ですが、中国ではどうだったのでしょうか。

2020年1月末「停課不停学(授業を止めても学習を止めない)」という教育方針が中国全土に向けて表明されます。
その後着々と対策がすすめられていきます。
2月12日に、教員のオンライン指導と生徒の在宅学習による具体的措置の通知
2月17日に 小中学校のクラウドネットワークのプラットフォームが開通
2月24日に 改良が施され、順調に実施

「元来、中国では基礎教育における情報インフラが整備されており、教育部の発表によると、全国小中学校の98.4%で通信ネットワークが完備され、90.1%でマルチメディア教室が設置されていた。」
「今回のオンライン教育のプラットフォーム構築においては、教育部の他、工信部と国家放送テレビ総局の連携のもとで、通信ネットワークの拡充と、テレビ放送によるカリキュラム編成がなされた。ある地方では小学校から高級中学までの12年生分に12のテレビチャンネルを振り分け、学習番組を提供した。」


なんだかすごすぎてため息が出てしまいます。

外国と日本の教育環境を単純に比較することはできませんが、日本の現状を文科省の調査で見る限り、第2波が来たらやっぱり前と同じなんじゃないか、と心配になってしまいます。
「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた公立学校における学習指導等に関する状況について 」文部科学省
同時双方向型オンライン指導を実施した学校は、4月時点で全体のわずか5%にすぎません。
6月時点での調査でようやく8%になっています。

授業をとめても学びはとめない!

これって普段の学習にも言えることですね。
稲城の学校はどうなっているのでしょう?

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稲城市立図書館の「おすすめ資料」

2020-07-18 17:27:10 | ご存知ですか?
なんかおもしろい本ないかな~ と考えながら、
図書館の本棚の間をブラブラするのが大好きです。

最近お天気が悪いので、外へ出るのもおっくうになってしまって、稲城市立図書館のホームページを見ていたら、あるじゃないですか「おすすめ資料」!

とても目立たない“ⅰブラリブログ”に、「おすすめ資料」という記事があります。
本だけじゃなくて、映画も紹介されています。
しかもみんな図書館で借りられる!!
自分の好みで選んでいると、いつも同じジャンルや作家の本ばかり選んでしまいますが、
このバラエティ豊かな「おすすめ資料」は新たな出会いのきっかけになるかも。

ちなみに一番新しい記事で紹介されているのは
タイトル:『手紙は憶えている』
監督:アトム・エゴヤン
出演:クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー 他
資料コード:630308460
請求記号:D7BH/テ

なかなか渋いオススメです。

残念なのはホームページの作り方がいまいちで、ダイレクトに「おすすめ資料」へのリンクがご紹介できないこと。
これは改善してほしいです!

“ⅰブラリブログ”
一度クリックしてみてください。
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読書アシスト~大日本印刷の実証実験

2020-07-12 12:01:49 | ご存知ですか?
日頃インターネットでページを読んでいて、
「読みにくさ」を感じることはありませんか?

歴史ある印刷会社、というより現在は幅広いメディアサービスを手掛けている大日本印刷が、日本ユニシスと共同で、先日ご紹介した青空文庫の作品を素材に、読みやすいページへの自動変換を実現する「読書アシスト」の実験を開始することを発表しました。
プレス発表記事はこちら
期間は7月10日から9月30日まで
読書アシストの紹介サイトはこちら

インターネットや普通の本もそうですが、単語の途中で改行されたりすると意味がわかりにくくなることがありますね。
読書アシストで表示すると、そうした意味の区切りが文字の配置や行の背景色に反映されて、区切りのよいところで改行したり、同じ行の中でも少し段差をつけて表示されます。
ちょっとおもしろい体験です。
ぜひ一度ご覧になってみてください。

読みにくさと言えば、ディスレクシアという言葉をお聞きになったことはありますか?
「文字」や「記号」を意味や音とともに認識することが困難な障害です。
wikipedia ディスレクシア
学校では、文字の読み書きが基本技術として学習が進められますので、ディスレクシアの子どもたちはおいてきぼりになってしまうことがあります。
彼らは、能力が低いのではなく、文字認識という点で困難を抱えているにすぎません。
トム・クルーズやキアヌ・リーブスなど大スターもディスレクシアであることを公表しています。

こうした子どもたちには、文字と音や絵を共に表示するマルチメディアの媒体が有効だと言われています。
障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(教科書バリアフリー法)や著作権法の改正により、デジタル化された教科書をそのまま音声化することもできるようになりました。
学校図書館や公共図書館でも、読みやすさを支援する簡単な文具が用意されています。
そうした媒体が豊富に提供できるといいですね。
それは障害の有無にかかわらず、すべてのユーザーにとって楽しい面白い図書館につながります

参考
ディスレクシア・ツールキット(公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター)
読み書きの支援に役立つ情報
魔法の定規
リーディングトラッカー キハラ
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こども本の森~図書館に託す安藤忠雄さんの思い

2020-07-05 11:24:18 | ご存知ですか?
昨日ご案内した「こども本の森 中之島」本日オープンですね。
世界的に有名な建築家、安藤忠雄さんの建築とあって、数多くのメディアに大きく取り上げられています。

多くの建築家が大学・さらに大学院へ進学して建築家の道を歩み始めるのですが、彼は経済上の理由で大学へ進学していません。
どうしても建築家になりたいという情熱をもって独学で勉強して建築士の資格をとっています。
(参照)東京大学平成20年度入学式辞

その彼が、いま子どもたちには「図書館」が必要だと語っているのです。

以下は朝日新聞の記事(2020年7月5日)<次世代、図書館で育む判断力 安藤忠雄さん提案・設計>からの引用です。
「1970年前後に有数の経済大国になり、90年代のバブル崩壊までは流れに乗ってきたので、日本は判断力を必要としなかった。教育も偏差値重視できちんとしたリーダー、指導者が生まれなくなった。成功は失敗のもとだったんです」
だからこそ、「子どものころから知識を養い、自分で物事を判断し、将来の日本や世界をつくってくれるようになってほしい」
そのための場が、子どもが本を読むための施設なのだ・・・


決してただお金と経験があるから図書館をつくって寄附するという、単純な話ではないのです。
自分の力を精いっぱい使って、学び取り、闘ってきた第一線の世界的建築家の思いがつまっています。

でも残念ながら、こういうすばらしい図書館に通えるのは、ほんの一部の子どもたちです。
子どもの一番身近にある図書館、近所の公共図書館や毎日通う学校の図書館が、魅力的でいきいきしていて、子どもが必要とする様々な本との出会いを提供できたら。。。
そういう出会いをみんとは増やしたいと思っています
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こども本の森 オープン!

2020-07-04 15:39:01 | ご存知ですか?
明日7月5日、大阪市に新しいこどもの本の図書館「こども本の森 中之島」がオープンします。
すでに報道でご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

大阪市出身の建築家安藤忠雄さんが設計し、自ら建築費を投じて建設、大阪市に寄附されました。
ホームページに掲載されている施設の外観は明るく開放的です。
施設の紹介ページはこちら
中央に大きな階段が配され、そこを登りながらさまざまな本の世界へアクセスできます。
ただ、管理者は歩行に障害があるので、この階段を楽しむことはできないのが残念!
車椅子とベビーカーはエレベーターをどうぞ、ということです。
ちょっとさびしいですが

ぜひぜひコロナがおちついたら行ってみたいです。
館のホームページはこちら
https://kodomohonnomori.osaka/

大阪では2009年末、当時の橋本府知事の打ち出した財政再建策の一環として大阪府立国際児童文学館(吹田市)が閉館しました。
現在は府立中央図書館(東大阪市)の一室に移転しています。
その大阪に新しい子どもの本の拠点ができたのは本当にうれしいことです。

近くには東洋陶磁美術館や、歴史ある府立中之島図書館もあります。
図書館ファンには行ってみたいリストに加えるべき一館ですね!


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