2024年9月5日発行の
国会図書館カレントアウェアネス-E No.486 に、飛騨市図書館が紹介されていました。
丸ごと業者に委託したり、PFIを活用する公共図書館が多い中、飛騨市は敢えて市直営の道を選んでいるそうです。
記事タイトルは「15周年を迎えた飛騨市図書館:「直営」がもたらすもの」執筆しているのは2015年に正規職員司書として採用された西倉幸子(にしくらさちこ)さんです。
それまで同市の図書館司書は臨時職員のみでしたが、雇用期限があり、募集しても司書が採用できない年が何度もあったそうです」。
そこで飛騨市は図書館の持続と経験豊富な司書の安定雇用を図るために正規職員として西浦さんを採用することとしたのです。
正規司書を採用したら何が変わったのでしょう?
それまでは所蔵図書の貸出返却と読書推進事業にとどまっていた事業内容をどんどん拡充していきます。
まず取り組んだのが、市庁舎との複合施設であることを生かした行政連携
政策指針や重点施策のキーワードを拾い出し、特集展示や市主催イベントの関連図書の展示などを自主的に実施したそうです。
市の特産品である薬草を使ったワークショップは「魔女の集い」というイベントタイトルで評判となりました。
自主イベントでは、司書全員が企画を担当し、多彩なイベントを考案していきます。
記事では、こんな企画が紹介されています。
飛騨市図書館のホームページには、
「飛ぶ図書館」図書館から離れた地域での出張貸出サービス
「Library Concert」
ボードゲームの貸出
地元の高校生発案による「図書館カフェ」の開催
おしゃべりしていい「みんなのじかん」の設定
面白い仕掛けが満載!
こんなにやって忙し過ぎない?と心配になってしまいます。
こうした積極的な事業が評価されて、「市民に活用され生活に根付いた図書館は、このまちにしかない財産を後世に伝える博物館や美術館などと同様、公共の施設であるからこそ市が責任をもって専門職を配置し、維持・発展させることが重要」との方針が採用されます。
今では正規司書が4名に増えました!
2024年7月には開館15周年を迎え、さらに使いやすく、みんなが楽しめる図書館となるために、さまざまな改革をスタート。
すでに6月から
①おしゃべりOK!
②飲み物の持ち込みが全フロアOKに!
③グループ学習席ができました!
④情報発信室の利用がフリーに!
開館15周年のポスターにはひと言
「図書館で会おう。」と書かれています。
このフレーズ、しびれます
稲城市立図書館でも正規職員として司書が配置されています
中央図書館の運営を担っているいなぎ図書館サービス株式会社のスタッフも司書資格を持つ方々です。
可能性は無限大、というかその兆しは昨年度の図書館開館50周年や、2022年の中央図書館開館15周年のイベントに現れている!
運営形態は違っても、図書館の目指す目標「市民のための図書館」は同じです。
飛騨市図書館のこれからと稲城の図書館のこれからに注目です