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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu」

2016-01-13 | 映画(DVD)
「映画史上の名作14」

「吸血鬼ノスフェラトゥ Nosferatu」1922年 独 監督:F・W・ムルナウ HDデジタル

版権の問題で「ドラキュラ」が使えなかった事でも有名な初の吸血鬼映画であり、ドイツ表現主義映画の代表作。後のダンディなイメージとはかけ離れたグロテスクな風貌で、鼠を従え黒死病とともに現れるノスフェラトゥは、まさに死の象徴であり恐怖の体現者である。

ブレーメンの町に吸血鬼ノスフェラトゥが現れ、町にペストが蔓延する。美女ニーナは我が身を犠牲にして町を救おうとする。



ずっと見たかった初の吸血鬼映画。やっと観れました。
95分作品でありながら、しっかりOvertuが入る。この交響曲がなかなかカッコ良い。「吸血鬼ノスフェラートゥ 恐怖の交響曲」というタイトルで発売されているDVDもありますから。
95分鳴りぱなしの交響曲。最初の頃はカッコ良くて、フルオケ生演奏の上映会とか観たいなと思うぐらいですが、だんだん鬱陶しくなってきました。鳴りっぱなしは、どうも・・・
こういう無声映画は音が無いと味気ないけれど、案外、フィルム映写機のカタカタ音だけの完全無声で観賞すると、それはそれでカッコ良いかも。

後世のドラキュラものお約束シチュエーションはほとんど使われませんが、ここはなんと言ってもマックス・シュレックの長身痩躯のグロテスク造形が光ります。禿頭、尖り耳に発達した前歯。グロテスクでありながらスタイリッシュ。



ドラキュラと言えばベラ・ルゴシ、クリストファー・リーが定番ですが番外の王としてマックス・シュレックは外せません。
後に「マックス・シュレックは本当に吸血鬼だった」とする設定の映画まで作られてる(注)のですから、その怪奇ぶりは際立ってます。
ヨーロッパを死の淵へ落した黒死病とともに現れる設定もナイス。鼠を従え、まさに恐怖鼠男ノスフェラトゥです。(どうもねずみ男というと水木作品のビビビの印象が強くていけませんが)
ドラキュラ特有の犬歯ではなく、鼠のような前歯ですが、被害者の喉元には2点の傷跡。前歯で齧った後は残りません。前歯、邪魔にならなかったのか?

ノスフェラトゥが棺からすーっと立ち上るスタイリシュさや、シルエットとなって襲ってくる怪奇手法は既に確立されています。
昼日中に吸血鬼が自らの棺を抱えて街中を彷徨うのはなんだか滑稽ですね。



ドイツ表現主義的な良さ。難しい事は解りませんが、映像を眺めているだけでも魅力のある作品でしょう。
ただ、無声映画のレイト上映はどうしても睡魔との闘いになるのよね。鳴りっぱなしの交響曲がさらに睡魔を促す。ま、無音上映でも睡魔は襲ってきますけど。
今回もところどころ眠ってしまったので、そこはYOU TUBEで補完いたしました。





(注)「シャドウ・オブ・バンパイヤ」2001年
ベルナー・ヘルツォークのリメイク版「ノスフェラトゥ」1979年
は是非、観ておきたいですね。



シネマヴェーラ渋谷10周年記念

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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表現主義 (PineWood)
2016-01-15 05:14:37
サイレント映画の詩的な魅力ではジャン・コクトー監督のオルフェなどを連想しました。表現主義の舞台美術のセットのカリガリ博士やエイゼンシュテイン監督のイワン雷帝みたいな影絵のような手法、ゴシックロマンも!
返信する
Unknown (imapon)
2016-01-15 20:54:13
PineWood様、コメント感謝。
実はエイゼンシュテインの「イワン雷帝」は愚か「ポチョムキン」も観ていません。ジャン・コクトーも観なきゃいけないし・・・、まだまだ死ぬまでに観ておかなきゃならない作品が多いです。あくまで劇場鑑賞に拘りたいと思ってます。

また、よろしく。
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