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JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「非行少女ヨーコ」

2009-05-23 | 映画(DVD)
緑魔子伝説

「非行少女ヨーコ」1966年 東映 監督:降旗康男

実話を元にした降旗康男監督のデビュー作。家出して新宿を彷徨うヨーコは、予備校生のジロウと知り合う。ヨーコに惚れていながら、なにもできない気の弱いジロウに苛立つヨーコ。そんなヨーコの夢の土地、それはジロウと一緒に観た映画に出てきた太陽が強烈に照り付けるサントロペだった。ある日、父親から貰った三十万円を持ってやって来たジロウは、サントロペへ行こうとせがむヨーコに負け、二人はヨーロッパ行きの貨物船に乗り込むのだった。

またオープニングからやられちゃいました。
上下2分した画面に緑魔子の鼻から上のアップ。音楽がフリージャズ。
なんと八木正生,渡辺貞夫,日野晧正,富樫雅彦という日本を代表する面々によるフリーフォームが聴けるだけでもすごい。



ジャズクラブを中心に睡眠薬でラリってるヨーコの仲間たち。カメラが天地ひっくりかえったり、縦になったりする映像にフリー・ジャズ。
新宿に確かにこのような時代があったのですね。
これが「今でも新宿あたりに行くといるよ」と川柳川柳が言い続けている「今でも」なんですねガーコン。
当時の新宿の風景を堪能できます。

緑魔子(ヨーコ)はまたしても田舎から出てきた娘。
彼女を犬ころように拾い玩ぶのが岡田英二。
このニセ紳士は田舎もののヨーコをマイフェアレディのように綺麗な服を与えメイクを施しモデルのように変身させておきながら酒をしこたま飲ませて自分のマンションに連れ込んだとたん・・・
「ここへ来た時の服に着替えろ」と命令します。
髪をおしゃれにアップにしたまま、元の服に着替えたヨーコに欲情して襲い掛かる。
これ、良くわかるんだわ。そのぐらい今回終始着ているパンツルックの緑魔子がキュート。
東野孝彦(オキ)と知り合いボーリングする緑魔子のヒップに釘付け。

物語はあれほどフリー・ジャズで決めていた音楽が後半ややなりを潜めサントロッペ(いなかっぺというようなイントネーションで)の映画音楽中心になっていくあたりから違和感があるのが残念です。

どう考えてもヨーロッパに旅立つ2人(緑魔子と谷隼人)に明るい未来が約束されているとは思えないのに、めちゃくちゃ明るく旅立ち、親からも祝福されて行ってしまう・・・

緑魔子はボンボンの多い非行仲間が次第にまともになっていく事に苛立ちます。これも一つのパターンのようです。やたら尖がっているので勝ち負けに拘っています。

脇を固める人たちでは後の亭主石橋蓮司がここでも光る。おねぇ言葉を使う美容師役のなよなよっぽさ。

大原麗子のやさぐれぶり。

非行仲間に交じったボクサーを目指す東野孝彦(オキ)の佇まいがカッコ良いのです。さすが荒垣副隊長。でも、ヨーコはジロウが好きで、オキは友達でしかないみたい。残念。

寺山修二のカメオ出演も見逃せない。若者にはラジオ体操を・・・

シネマヴェーラ渋谷

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