
「赤い天使」1966年 大映
名コンビだけあって、今回の特集選りすぐって観た作品は若尾文子特集といった感じ。
若尾文子のナース・プレイの評判で期待して観たのだが、
これは実に秀逸な戦争映画でした。

あらすじはgoo映画などで確認してくださいね。
岡部軍医(芦田伸介)が西さくら(若尾文子)に静かに語る科白の一つ一つが戦争の悲惨さ、無意味さを表わしていて印象深いです。
忘れたい事が多すぎると苦悶する西看護婦。
モルヒネ中毒の岡部軍医はモルヒネを必要とする事を兵隊が「お国のため」という言葉でごまかして前線に突入する心理と重ね合わせたような言葉を発していました。
でも、何と言っても白衣の天使、若尾文子です。
自らをレイプした一等兵が前線に送られ戦死しそうになっている事に責任を感じ、岡部軍医に無理な輸血を頼んだり(軍医は条件付きで依頼を承諾したのは僅かに残った医師の心)
生命を守るため腕や脚を切断して片輪を作り続ける岡部軍医の苦悩を思い、両腕切断の折原一等兵(川津祐介)に看護婦以上の献身を見せたり(ここが若尾文子のナース・プレイ。凄いです。
)
それによって折原一等兵が自殺してしまうと、私が殺したと心を痛める。あくまでも天使の姿勢を貫きます。

その上この映画、若尾文子のコスプレの要素が素晴らしい。
裾がゆったり広がる白衣と白い看護帽、そして手術によって赤い血に汚れる白衣(モノクロが返って余計に血をイメージします)の姿はもとより、外出時の陸軍看護婦の制服がかっこいい。
あのコートは黒でしょうか。腕に十字の腕章、皮製の小物入れ付きベルト・・・武装して前線に赴く時には鉄兜(ヘルメット)まで被ってくれます。
また、岡部軍医との愛が成就した晩に岡部軍医の軍服を着て戯れる姿が可愛らしい。
戦時中の上官に対する独特な正しい言葉使いも手伝って、西さくらがますます可憐に見えます。
コレラ禍の中隊で慰安婦代わりに看護婦を襲った兵隊が岡部軍医に対して
「軍医殿はいいですなぁ。いつも綺麗な看護婦さんと好きな事ができて・・・」などと無礼な暴言を吐きますが、実際そのあと西看護婦といい事しちゃうんですね。
しかし、戦場という明日の分らない状況での2人の愛は応援したくなります。
互いの認証を胸部に記し(キスマークです)前線へ・・・
中隊壊滅状況の中、奇跡的に無傷の西看護婦。援軍の日本兵に対して
「近寄らないで!コレラが発生しています」そして的確な状況報告。
しっかりと任務を果たす陸軍看護婦西さくらでありました。
特別若尾文子のファンという訳ではないけれど、短期に集中して見ているとその魅力にやられます。美人とは思っていなかったけれど、この西さくらは美しかった。それもやっぱり看護婦という職業のせいでしょうか。怖い女ではなく健気な女を演じたためでしょうか。
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「赤い天使」今年観た中で最も衝撃的でありました。DVDもあるようです。未見の方は是非・・・
10月24日 池袋・新文芸座 「清作の妻」「赤い天使」
名コンビだけあって、今回の特集選りすぐって観た作品は若尾文子特集といった感じ。
若尾文子のナース・プレイの評判で期待して観たのだが、
これは実に秀逸な戦争映画でした。

あらすじはgoo映画などで確認してくださいね。
岡部軍医(芦田伸介)が西さくら(若尾文子)に静かに語る科白の一つ一つが戦争の悲惨さ、無意味さを表わしていて印象深いです。
忘れたい事が多すぎると苦悶する西看護婦。
モルヒネ中毒の岡部軍医はモルヒネを必要とする事を兵隊が「お国のため」という言葉でごまかして前線に突入する心理と重ね合わせたような言葉を発していました。
でも、何と言っても白衣の天使、若尾文子です。

自らをレイプした一等兵が前線に送られ戦死しそうになっている事に責任を感じ、岡部軍医に無理な輸血を頼んだり(軍医は条件付きで依頼を承諾したのは僅かに残った医師の心)
生命を守るため腕や脚を切断して片輪を作り続ける岡部軍医の苦悩を思い、両腕切断の折原一等兵(川津祐介)に看護婦以上の献身を見せたり(ここが若尾文子のナース・プレイ。凄いです。

それによって折原一等兵が自殺してしまうと、私が殺したと心を痛める。あくまでも天使の姿勢を貫きます。

その上この映画、若尾文子のコスプレの要素が素晴らしい。

裾がゆったり広がる白衣と白い看護帽、そして手術によって赤い血に汚れる白衣(モノクロが返って余計に血をイメージします)の姿はもとより、外出時の陸軍看護婦の制服がかっこいい。

あのコートは黒でしょうか。腕に十字の腕章、皮製の小物入れ付きベルト・・・武装して前線に赴く時には鉄兜(ヘルメット)まで被ってくれます。
また、岡部軍医との愛が成就した晩に岡部軍医の軍服を着て戯れる姿が可愛らしい。

戦時中の上官に対する独特な正しい言葉使いも手伝って、西さくらがますます可憐に見えます。
コレラ禍の中隊で慰安婦代わりに看護婦を襲った兵隊が岡部軍医に対して
「軍医殿はいいですなぁ。いつも綺麗な看護婦さんと好きな事ができて・・・」などと無礼な暴言を吐きますが、実際そのあと西看護婦といい事しちゃうんですね。

しかし、戦場という明日の分らない状況での2人の愛は応援したくなります。
互いの認証を胸部に記し(キスマークです)前線へ・・・
中隊壊滅状況の中、奇跡的に無傷の西看護婦。援軍の日本兵に対して
「近寄らないで!コレラが発生しています」そして的確な状況報告。
しっかりと任務を果たす陸軍看護婦西さくらでありました。
特別若尾文子のファンという訳ではないけれど、短期に集中して見ているとその魅力にやられます。美人とは思っていなかったけれど、この西さくらは美しかった。それもやっぱり看護婦という職業のせいでしょうか。怖い女ではなく健気な女を演じたためでしょうか。




10月24日 池袋・新文芸座 「清作の妻」「赤い天使」
おお、去年の新文芸坐でやってたんですね。二本立てですか。いいなあ。。。
若尾文子、喋り方、立ち姿からして美しいんですが、この時代の女優さんて、こういう人が多いんでしょうか?
発声の仕方が、妙にムードがある女優さんが多いように思うんですよね。
>互いの認証を胸部に記し(キスマークです)前線へ・・
ここ、グっと来ましたね。
認証で、死亡を確認するところも、やっぱそう来たか~って感じでしたね。
強烈な2本立てでしたっ!
2本とも時間を隔てて再見したいです。去年見たので今年の神保町はパスでしたが。
とらねこさんの所も増村作品中心に旧作邦画ネタが増えてきてこれからも楽しみです。
若尾さんの言葉使い、しゃべり方はどうにもこうにも魅力的でたまりませぬ。