JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「いんび変態若妻の悶え」

2013-06-28 | 映画(DVD)
「いんび変態若妻の悶え」 OP映画 監督:荒木太郎

太宰治の「きりぎりす」を原作とする。
無名の画家に臨んで嫁いだ資産家の娘。
つつましい生活は、彼の作品が売れるにつれて変わってしまい・・・。

倉庫隅の絵画を見詰める恵理。手のひらで触れ、くちづけし衣服を脱いで行く…。両親の反対を押し切り駆け出し中の画家・井伊六輔の妻になって三年が経っていた。資産家の娘として生まれた恵理が貧乏画家の妻になる事を決めたのは「彼がどうしょうもない男で、この世の中でお嫁さんになれる人は私以外、誰もいない」と感じたからだ。それがあの絵を見た瞬間に受けた運命的な衝撃だった。

引き続き上野オークラ劇場
この日2本目の淡島小鞠主演作。
2009年公開作品でこの年は太宰治生誕100年ということで太宰原作の映画がいくつか公開されていましたね。ピンク映画の方でもちゃんと作ってたんですね。
新潮文庫の「きりぎりす」は引っ越しの際に処分してしまった。
内容も憶えていないので再読しようと、
とても短い作品なのでネットで全部再読できる。

脚本も三上紗恵子、つまり淡島さんで、監督が荒木太郎。これはちょっと危険な香りがすると心配したが、思いのほか良いのです。
原作から大きく脱線することなく脚本が安定していて破綻を来す事が無い。変に作家性を押し出してくるのが気になる荒木監督の作風も今回はとても良い按配で嵌ってる。
例によっての8mm映像の使用もなかなか効奏。

 

 

この日で一気に淡島小鞠のファンになりました。

白縁眼鏡の資産化令嬢。
売れない画家の夫との貧乏生活に幸福を感じる役がドンピシャ。
貧相なヌードでいかにエロを醸すかに成功してる。
8mmでの結婚式シーンでは夫の画家友達らに車内で凌辱されながら「この人と結婚して良かった」と呟くシュールさが面白くてよろしい。
ニンジン食べるシーンもシュール。

新潮文庫の「きりぎりす」を読み聞かせしてもらうのが好きな夫。
本格のエロ担当は助演のあすか伊央でふくみ綿のなかみつせいじとの映画館バックヤードでのシュークリームプレイがエグく、ちゃんと太宰作品をピンクにまとめた。

売れてしまって俗物になった夫に幻滅して夫の失敗を本気で願っている。こんなはずじゃなかった。というテーマはマイナー好みの者に共感を呼ぶ。

ダメ男だけど苦労を共にした妻への愛を不変とする夫、六輔さんだが・・・
見てないけど生誕100年で公開された「人間失格」「ヴィヨンの妻」「パンドラの匣」あたりよりこっちの方が傑作だろう。きっと・・・。

主演だというのにポスターのメインビジュアルを助演のあすか伊央に奪われる、というか譲っている所がいかにもな淡島さんです。



荒木監督自作の100円パンフレット売ってたんだ。買えば良かった。

この日のオークラ三本立、ロマンポルノも含めて水準がかなり高く満足。
こんな感じならもっと見に来たいものだ。
衰退の道を辿るピンク映画を影ながら応援します。

上野オークラ劇場

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