JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「怪談バラバラ幽霊」

2010-08-05 | 映画(DVD)
8月1日に閉館となった上野オークラ劇場クロージングイベントとして上映

「怪談バラバラ幽霊」1968年 大蔵映画 監督:小川欽也

父の大作がバーのホステスだった友子と再婚すると聞き猛烈に反対し、失意の果てに披露宴の夜渡米していた正子が父の死により帰国。友子と情夫の塚越。義姉とその恋人の伸二郎は大作の遺産を狙っていた。遺言書では遺産は全て正子に渡ってしまうが、正子は伸二郎に騙され遺産を捨て再び渡米することに。遺産を狙う4人は喜んだが真の遺言書が現れ、正子は遺産は貧しい子供たちに寄付すると言い出した、正子殺害を計画する4人・・・

娘の相続する遺産を狙っての醜い争いから殺人に発展して、娘が幽霊となって犯人たちを苦しめる。絵に描いたような怪談パターンをピンク場面を繋ぎながら進めてくれるのだから大蔵はホントに楽しいよね。

悪役の中でも椙山拳一郎と清水世津の後妻・情夫コンビが特に良いです。
財産を寄付されちまってこっちに回ってこないなら殺っちまおうと洞窟で犯したうえ殺害する塚越。馬乗りになって首を絞め留めを刺す友子。
その後、亡霊に襲われ反狂となった塚越が誤って友子の足を刺すと
「正子を殺したうえに私まで殺すつもりね」って・・・殺したのはあんたでねぇの?

殺人犯心理として共犯によるバラバラ殺人ってどうなんでしょう。
部屋で殺害したわけでもなく場所は洞窟。大の男も2人居るし、死体の運搬隠蔽には他にも方法があったような・・・あんな思いをしてバラバラにするのか?
でもバラバラにする時の嫌な鋸音ギコギコとか、バラバラパーツが宙を飛んで襲ってくるという見せ場のためには、そんな事気にしちゃいけないんだね。

女優陣は秋山玲子(正子)・清水世津(友子)・林美樹(澄子)60年代ですからピンクな彼女らもまた一段と猥褻感を上げてくれています。美人じゃないけどイヤラシさが最高。腋毛のエロス。

上映後、トークショー
小川欽也監督に5人の女優さん。
黄緑縞の浴衣姿の倖田李梨さん、最近オークラづいてるようですが、今、お仕事が楽しくってしょうがない感じが伝わるパワー。現役を退き(退く前から?)普通のオバサン伊藤清美さんとまだまだ現役バリバリで艶やかなしのざきさとみさん、ベテランで落ち着きのある佐倉萌さん、「ワン!」しか台詞のない作品が気になるスラリとしたAYAさん。

しかし、主役はあくまで巨匠小川欽也監督。また、9月に1本撮ることになったようです(ご本人初耳だったみたいです)監督としてまだまだ現役でご活躍。
ただ、しゃべりの方はさすがにお年寄りでほとんど聞き取れない(マイクが悪かったせいもあるけど、途中からマイクを変えても聞こえない)内容はラピュタのトークショーと似たようなもんだから、まあいいだろうと思っていると、出るわ出るわ昔話の面白さ。お元気なうちに誰かちゃんと聞き書きして残そうよ。

引き続きの上映があり、そのまま居続けられるのですが、劇場の冷房が効きすぎ。冷風直撃の席で、これ以上居座ると体調崩しそうなのですごすごと退散。

まがりなりにも怪談2本なのだから冷房は弱めにして、内容の方で鳥肌立たせて欲しかったんだが・・・無理ですか?

上野オークラ劇場

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-11-12 05:17:10
初めまして
「怪談バラバラ幽霊」 で検索してきました。
上野オークラで御覧に
私は今は亡き「伊丹グリーン」の特撮上映会で見ました。88年頃に。
まーっ、怖かったです。ロビーカードは見たことあるのですが、内容は全く知らず。
昔からバラバラ殺人はありますが、殺された娘が幽霊になってもバラバラ。。
こんな発想、普通できないでしょう。
冒頭、「大蔵映画」の王冠が出てくるとこは皆「おおーっ!」と(珍しいので)
本編が始まると白黒に
「わーはっはっは!」
途中、女の裸が出てくると急にカラーになるんで「どわっはっは!」
とマニアの笑えるところはこれまで。
(遊びはもうこれまでだ)
あとは、ひたすら陰惨なシーンの連続。
濃い特撮オタク達も黙り込んでしまいました。
最後、僧侶によって成仏するシーンで体が元に戻ってるのは唯一、救いのある場面です。
(もし、バラバラのままだったら、あまりにも可哀想)
もう、こんな映画は撮れないでしょう。
昔の映画人の方達に感服します。
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