「呼ばれない名前は哀しい」
親も無く呼ばれるべき名前を持たなかった少女と、親を殺し呼ばれるべき名前を失った少年。片翅だけでは飛べない蝶が半身を求めるように惹かれあう二人。石に変えられた少年の涙でいっぱいになった涙石の伝説になぞらえた切ない物語の中にも思わず吹き出すユーモアが散りばめられる。
「切ないところは三枝健起監督のカラーで、笑いの部分が本来の今井雅子のカラーなんです。」
今井雅子さんといえば「パコダテ人」をはじめイルミナシオン映画祭とは並々ならぬ縁がある人。
今回の作品とは「パコダテ人」の前田監督絡みで出会ったという今井さん、「縁は信じるほうなんです」。
今回は監督がアマゾン原産の、中にちゃぷんと水の入った本物の涙石まで持っていたというから驚く。確かに出逢っても縁がなければつながらない。
本作でも突然、田舎の寺にホームステイにやってきたジェニファが膠着した周囲に波紋を広げ、何かが少しだけ変わってゆく。心を閉ざし道端に置き去りにされた涙石が隆志なら、波紋を起こす小石ジェニファもまた涙石。
ジェニファが消えてしまう哀しいラストにはメールで「なぜ?」の嵐だったそうだが、「痛みと引き換えに無償の愛を教えるために来たことを表現したかった。」ということで消え案はA~Hくらいまであったとか。
それでも、最後に羽ばたく蝶に、そしてエンドクレジットの後のワンカットに、見えないけれどそこにいる人を見出すだろう。そして思い出してほしい。
「名前があれば呼んでもらえる」ことを。(陽子)
親も無く呼ばれるべき名前を持たなかった少女と、親を殺し呼ばれるべき名前を失った少年。片翅だけでは飛べない蝶が半身を求めるように惹かれあう二人。石に変えられた少年の涙でいっぱいになった涙石の伝説になぞらえた切ない物語の中にも思わず吹き出すユーモアが散りばめられる。
「切ないところは三枝健起監督のカラーで、笑いの部分が本来の今井雅子のカラーなんです。」
今井雅子さんといえば「パコダテ人」をはじめイルミナシオン映画祭とは並々ならぬ縁がある人。
今回の作品とは「パコダテ人」の前田監督絡みで出会ったという今井さん、「縁は信じるほうなんです」。
今回は監督がアマゾン原産の、中にちゃぷんと水の入った本物の涙石まで持っていたというから驚く。確かに出逢っても縁がなければつながらない。
本作でも突然、田舎の寺にホームステイにやってきたジェニファが膠着した周囲に波紋を広げ、何かが少しだけ変わってゆく。心を閉ざし道端に置き去りにされた涙石が隆志なら、波紋を起こす小石ジェニファもまた涙石。
ジェニファが消えてしまう哀しいラストにはメールで「なぜ?」の嵐だったそうだが、「痛みと引き換えに無償の愛を教えるために来たことを表現したかった。」ということで消え案はA~Hくらいまであったとか。
それでも、最後に羽ばたく蝶に、そしてエンドクレジットの後のワンカットに、見えないけれどそこにいる人を見出すだろう。そして思い出してほしい。
「名前があれば呼んでもらえる」ことを。(陽子)
四回目の映画祭参加、とても楽しかったです。ゲストとしての初参加でしたが、実行委員のみなさまには大変お世話になりました。ありがとうございました。
上映後や牛頭バーでたくさんの方からジェニファの感想を直接聞くことができ、うれしかったです。この交流が映画祭の醍醐味ですね。
また、映画祭が一人ひとりの情熱で支えられていることも、今回つくづく感じました。予算は限られているのに、やりたいことや期待されることは大きくて苦労も絶えないでしょうけれど、函館映画祭はわたしにとっては故郷のような場所。来年以降も「ただいま」「おかえり」と帰っていけるよう、ずっと続いて欲しいとあらためて思いました。
映画祭に育てられた脚本家の一人として、感謝し、応援しています。
また映画祭へも御参加いただき重ねてお礼申し上げます。
シナリオ大賞も9回目を数えますが、当初から映画化に関して各方面からご指摘のあったところ、一番最初に映画化が決まったのが今井さんでしたね。「パコダテ人」も大成功で、その後も御活躍を重ね、今回こうして「ジェニファ」という作品とともにゲストとして御参加いただける歓びはスタッフ一同言葉にできないくらいです。
函館という小さな街の小さな映画祭で私どもがやっているささやかなことが無駄ではないと励まし、またシナリオを応募してくださる多くの方たちの目標となる存在でもあります。
今後のますますの御活躍、楽しみにしています。是非またいらしてくださいね。
そのときは山の上で「お帰りなさい」とお待ちしています。