函館港イルミナシオン映画祭 会期中広報「イルプレ」

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マジやばい、まずい、困っちゃう!シンポジウムって?

2005年12月03日 | 2005
 美しい金沢の街並みとしっとりとした人々の営みを綴った、青山真治監督の「秋聲旅日記」。
 金沢のミニシアターと近隣商店街で企画、全国公募したシナリオから学生が映画を撮るワークショップで監督自身が撮ったのがこの作品。本作でもコンビを組む青山監督とたむらまさき撮影監督は10年来のパートナーで、来年1月末に次作の上映も決まっている。「エリ、エリ、レマサバクタニ」。神よ、なぜ私をお見捨てになったのですかというタイトルについて問うと、今の世界情勢そのもので、思わずつぶやきたくなる言葉だからと答えた。常に問題作を提起するシニカルとも思える姿勢、一見近づき難いスタイリッシュなルックスの下に、世界を憂える暖かい眼差しを見た。
 空港からまっすぐ会場入りした青山監督に無理を承知で函館の印象を聞いてみた。「育った町にあった路面電車が今も走ってるので、懐かしい気がします。」

 そして続く「田んぼdeミュージカル」。関係者の平均年齢は74歳、カメラマンは85歳!
 自分のおじいちゃん、おばあちゃんが頑張っているようで、最初はどきどきしながら見ていたのに、輝くばかりの笑顔にいつしか引き込まれている。ちらりと盗み見た撮影指導の崔洋一監督の横顔も嬉しそうで幸せそう。関係者だれに聞いても「楽しくやらなきゃ続かない。」地方発映画成功の鍵を既に手にしている。印象的だった昔の結婚式の場面。のし付きの一升瓶を持参し酒をもらう。後で伊藤好一監督は、昔の習慣、文化をも映画に残すことの重要性を熱く語ってくれた。

 短時間ながらも盛り上がったシンポジウム「映画を創る映画祭」から印象的な言葉をピックアップ。

 崔洋一監督:言い出しっぺは自分。商業映画でも否でも、やろうと言ったときから映画は始まる。うちのプロデューサーは人たらしで(笑)リクルートするけどケアもする。作りたいんだ、作るんだという気持ちを共有すること。自分の中に秘めるだけじゃいけない。立て!走れ!

 斎藤プロデューサー:とにかく老人パワーがすごい(笑)撮影はホームビデオ、振り付けは保母さんが12パターン用意、音楽は地元のバンドと地元の力で出来た映画。崔監督は年寄りには優しいけど自分だけはよく怒られてたので見ると涙がでます(会場大爆笑!)

 青山真治監督:「田んぼ」はヤバいですよ。日本中でやりましょう!とにかくやったモン勝ち!言い出してやっちゃったら最後までごまかして、次もよろしくってのが上手いやり方だけど、そこに達している斎藤さんは既にプロ。監督もカメラも僕より映画のことを知ってる、悔しいから年の功と言っちゃうけど(爆笑!)みんな映画のセンスを持ってるんです。まずいっすよ、やばい、困っちゃう!

 ってなわけで、やりたくてしょーがない人たちが集まって共感できれば何でも出来る!

 おまけ。「ヤバい」を連発していた青山監督、三次会会場ではギターを抱えて居眠りするも、その姿さえも様になり、居合わせた映画関係者からは羨望の眼差しが…。ほんと格好いいんです。ヤバいです。(陽子)

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